萌芽

ここ数日の暖かさで、桜が一気に咲いたと思ったら、
我が家のベランダのブルーベリーの花も咲き始めました。
・・・早くない?(笑)
山査子や山法師、藪柑子の新芽も出てきました。
何気にベランダ森林(え)を目指しているので、
今年はどんな木の苗を買おうかな、とちょっと悩んでいるところなのですが、
この舞台を観終わった後、珍しくない、淡い色の花の咲くものにしようとこっそり決意いたしました(笑)。



「リトル・ショップ・オブ・ホラー」

2020.3.20 ソワレ シアタークリエ 補助席一桁台

出演:鈴木拡樹、井上小百合、岸祐二、石井一孝、デーモン閣下(声)、
   まりゑ、清水彩花、塚本直、根本成志、高瀬雄史


というわけで、久々の観劇記録です。
ずいぶん久々な気がしましたが約1ヶ月ぶりかな。
クリエの補助席は初めて座りましたが、座席が高くて足がつかない!
なのに見やすいってどういうこと?!
個人的には秘密基地感があってちょっと楽しかったですv
機材ブースのすぐ隣だったのですが、スタッフさんの着ていたTシャツが可愛かった!
グッズであったら買おうかな、と思ってたけど、グッズにはありませんでしたね。残念。

このミュージカルは、ずいぶん昔に相葉くんと莉奈ちゃんと新納さんでの上演を観たことがあります。
大まかなあらすじは覚えていたのですが、細かいところは記憶の彼方だったですし、
演出ももちろん違っていたので、新鮮な気持ちで楽しめました。
分類的にはホラーコメディなんでしょうか。
TdVに近い部分もあるのですが、印象は大きく違います。

巻き込まれる側が自発的か、そうでないか。
引き出される欲望が、他者を犠牲にするものなのか、そうでないか。
その先の未来が、解放なのか、破滅なのか。

色合い的にはカラフルで明るいこの舞台ですが、
観終わった後の後味は、苦さと怖さがどうしても拭いきれませんでした。
小さいオードリーⅡが世界に蔓延したその先。
人を食べつくし、動物すらも食べつくした彼らが君臨する世界は、どれだけ静かなのか。
そして、糧を食べつくした彼らは、その先どうなってしまうのか。
そんなことを、ちょっと考えてしまいました。

演出的には、落ち着いた、というか暗い色合いの舞台の中で、
原色のオードリーⅡと、オードリーの夢がとても鮮やか。
3Dはちょっと苦手なので、眼鏡をつけたりはずしたりしながら見ていたのですが、
3Dなオードリーとスズキヒロキはなかなかに衝撃的でした(笑)。
しかし、あんなに毒々しいオードリーⅡが、観終わる頃にはちょっと可愛く見えてきちゃうのは、
閣下の声が素晴らしいからなのか、中の人の動きが秀逸だからなのか、
それとも私の中の欲望が刺激されたからなのか・・・うん、あまり深く考えないことにします(笑)。


シーモア役、鈴木くん。
このキャスティングを知った瞬間、喜ぶと同時に大丈夫なの?!と思ってしまったのは、
私だけではない・・・はず。
でも、次の瞬間には、歌はどうあれ彼ならちゃんとシーモアを見せてくれるだろう、と思えるくらいは、
個人的に役者としての鈴木くんを、今は信頼していたりします。
で、実際に観た感想としては、その信頼は間違いではなかったな、と。
歌はね、正直、やっぱりちょっと物足りなさはありました。
頼りないというか、周りにかき消されちゃうというか、こんなもんじゃないだろう!というか(え)。
でも、そういう頼りなさも含めて、凄く生々しいシーモアだったように思います。
だって、猫背な鈴木くんって、初めて見たし!
大きな動きも小さな動きも、目線の動かし方も、全部気弱で優しいシーモアでした。
一番後ろの席で、オペラグラスも使っていないので、細かな表情は見えていないはずなのに、
シーモアの優しさや、愛情や、弱さや、願いや、戸惑いや・・・そういうものがちゃんと伝わってきたし、
更には、そういうシーモアになるまでの、彼の人生も感じられたような気がしたのです。
孤児で、ムシュニクさんに拾われて、十分ではない愛情や優しさを一生懸命受け取って、
受け取った以上の愛情や感謝を返そうとしている少年。
植物が好きで、植物の世話をすることを幸せに感じていて、
それでもなお拭いきれない寂しさを、温もりへの切望を、何度も自分に言い聞かせる諦念を、
柔らかな笑顔で隠すことに長けてしまった青年。
そんな彼の中に、知らぬ間に静かに静かに降り積もった、怒り。
それを、オードリーⅡは察知して、そして暴いたのかな、と思う。
シーモアの行動は、全て、彼自身が選んだもの。
自分を傷つけることも。
誰かのために誰かを害することも。
自分のために誰かを害することも。
怯え、震え、泣きながら、けれど彼の行動はオードリーⅡのためではなく、
いつしか自分自身のためになった。
オードリーⅡのため、花屋を守るため、オードリーを解放するため。
それは、きっかけでしかなく。
彼の中にある欲望や怒りという萌芽が、彼にそうさせ、そして彼を禍々しい花に変貌させた。
全てをなくした夜、一人店の中に座るシーモア。
その後の狂騒の前の、静かな静かなあの時間。
台詞も歌もない、ただそこに在るだけでつたわる、シーモアの絶望、悔恨、決意。
うん、改めて、鈴木くんはいい役者さんだと思いました。

そういえば、台詞を言っている声が、某役者さんに凄い似ていてちょっとびっくりしました。
これまでそんな風に感じたことはなかったんだけどなあ。
いつか二人が共演してくれたらちょっと嬉しいかも?(笑)


オードリー役、井上さん。
例の如く初見で全く知らない方なのですが、めっちゃ可愛かったです!
ピンクのドレスのドレスも白のドレスも可愛かったけど、
ピンクはオリンの趣味で城はオードリー本人の趣味なのかなあ、なんて。
彼女が夢見る未来の形が、あのピンクのドレスには合っていないような気がしたので。
ちょっとテンポの違う高い声での台詞や、華奢で儚い雰囲気の佇まいが、
どこか違う次元にいるようなふわふあした不思議な印象。
彼女の過去も少し触れられるわけなのですが、
あの佇まいが、そういう人生を生きていくための擬態がルーチンになったものなのか、
そもそもの天然なのかで、ずいぶん彼女の見方が変わりそうな気がします。
三人娘にも言われているけど、自己肯定感の低さはシーモアといい勝負!
でも、そう自分に言い聞かせているところもあるように感じました。
オリンとの関係性も、一方的なものではなくて、彼女自身が煽っていた部分もあったんじゃないのかなあ。
彼女が最初にオードリーⅡを手にしていたら、どうなったのかな、とちょっと思いました。


石井さんのオリンは・・・なんというか凄い楽しそうでした。
やっていることも言っていることもとんでもないのに、なんだか憎めないんですよねー。
新納さんのオリンもそんな感じだったから、そういう役柄なのかな。
サディストのマザコンとかとんでもないので、個人的にはお近づきにはなりたくないですが(^^;)
歌はやっぱり凄く安心感があって、聞き取りやすかったです。
あのフルフェイス?な状況で歌うのって、ほんとに凄い・・・!
2幕後半で違う役でも出てきていたと思うのですが、
あのグイグイ来るご婦人の勢いと、それを受けるシーモアには思わずくすっとなりました。
「蜘蛛女のキス」、またやってくれないかなあ。

岸さんのムシュニクさんも凄い楽しそうでした。
おじさん二人が楽しそうなのって、なんだか和むv
ムシュニクさんも、あの下町で生きていくためのしたたかさと思えば悪い人ではないのだけど、
シーモア視点で見ちゃうと、ちょっとどうなの?!と思っちゃいます。
ムシュニクさんがシーモアに与える愛情と、
シーモアが求めていた愛情は違うんだろうなあ。
二人のタンゴのシーンは、コミカルだけどちょっと切なかったです。


下町の三人娘なまりゑさん、清水さん、塚本さんは、もう素晴らしい!の一言。
物語を動かす存在としての華やかさ、下町三人娘としてのリアルさ、
そして、圧倒的な歌声!
彼女たちのどこかブラックさのある明るさが、
そのままこのミュージカルの色なのかもしれないなあ、と思いました。


この記録を書いている時点で、このミュージカルの東京千秋楽も早まって昨日で終わってしまいました。
役者さん、スタッフさん、そして観劇出来なかった方たちの悔しさ、悲しさを思うと胸が痛みます。
地方公演がどうなるのかわかりませんが、三浦くんのシーモアも観たいので、
今の状況が早く落ち着いてくれるのを祈るばかりです。
せっかくだから、映像化もしてくれるといいなあ。
今だったらきっとみんなDVD買うと思うし、配信でのライビュとかも需要があると思うんだけどな。


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