天上の蒼

週末からの春のような陽気から、今日は日が暮れるにしたがって寒さが厳しくなってきました。
今週はまた寒くなるらしいけれど、空の色には春の淡さがにじみ始めたなあ、と思います。
・・・花粉ではないはず(笑)。
淡い淡い春の青空。
濃く深い夏の青空。
どこまでも澄み渡る秋の青空。
そして、遠いのに、どこか近さを感じる冬の青空。
高校のころに知ったセレストブルー・・・天空の色に一番近いのは、
冬の空の色のような気がします。

あの時。
彼らが見たあの日の冬の蒼空も、そんな色だったのかもしれません。


舞台「刀剣乱舞 天伝 蒼空の兵 ―大坂冬の陣―」

2021.2.17 マチネ IHIステージアラウンド東京 全景配信(2/22に視聴)
2021.2.17 ソワレ IHIステージアラウンド東京 スイッチング配信(2/19に視聴)

脚本・演出:末満健一
出演:本田礼生、前嶋曜、北川尚弥、佐々木喜英、松田凌、北乃颯希、
   鈴木裕樹、姜暢雄、小松準弥、日南田顕久、安田桃太郎、杉山圭一、
   松村雄基、荒牧慶彦、
   及川崇治、淡海優、奥平祐介、川手利文、工藤翔馬、小西主馬、
   澤田圭佑、下尾浩章、じゃっき~、新川陽、多胡亮平、田嶋悠理、
   日野亮太、星賢太、真鍋恭輔、宮永裕都、村山邦彦、山下潤、山中隆介、横川遼


というわけで、刀ステ新作の配信を観ました。
回る劇場で円環を巡る物語の新作公演ということで、これはぜひ劇場で観たい!
前後編(?)で3か月ずつ半年もあるから、1回ずつくらいは観に行けるに違いない!
と思っていたのですが、昨今の状況で劇場に行くことはできませんでした。
残念!
しかも、あの劇場だから、刀ミュみたいに何回も配信は難しいかな、と思っていたのですが、
今回配信で観ることができました。
しかも、全景映像とスイッチング映像の2回という、回る劇場仕様(笑)。
私は悩んだ末、スイッチングで表情などをインプットしてから全景映像を観たのですが、
あの劇場を本当に余すことなく使った舞台だなあ、と感嘆。
映像もとても美しかったし、殺陣をしながらの場面転換もスムーズだったし、
見える範囲全てを使った演出も見応えがあったし。
特に、最後の全体の殺陣は、360°客席を回してすべての舞台セットを一巡りするもので、
本当に見応えがありました。
これは、劇場にいたら全体も見たいし、役者さんの表情も見たいしで混乱しただろうなあ(笑)。
というか、私は今回配信でよかったかもです。
あそこまで映像も客席も動いていたら、きっと酔って途中離脱していたと思う(^^;)

物語については・・・何というかもう差し出される情報が多すぎて、
最初に見た時はとにかく物語についていくので必死!
気になるセリフとか表情とか情報とかあっても、立ち止まることが許されなかったので、
観終わった後には、すごいものを観た!といういつもの刀ステの感想だけが残ったという・・・
まあ、刀ステだから仕方ないよね?(え)

物語の舞台は、冬の陣直前の大坂。
そこに出陣した山姥切国広(荒牧慶彦)、一期一振(本田礼生)、鯰尾藤四郎(前嶋曜)、
骨喰藤四郎(北川尚弥)、宗三左文字(佐々木喜英)、加州清光(松田凌)は、
徳川の陣に入り込んでいた刀剣男子―――太閤左文字(北乃颯希)と、
豊臣の陣ではかつて小田原で戦った弥助(日南田顕久)と遭遇します。
初陣として戦に備える豊臣秀頼(小松準弥)。
戦場で命のやり取りをすることを望む徳川家康(松村雄基)。
豊臣を守るために真田丸を築く真田信繁(鈴木裕樹)。
徳川・豊臣のそれぞれを襲う時間遡行軍の目的がわからないまま、
浅からぬ縁を持つ人々とかかわっていく刀剣男子たちは―――

という感じなんですが、まあ正直物語についてはちょっと現時点では、私は何もコメントできないかなあ、と。
このあたりの歴史をよく知らないというのもあるし、
多分夏の陣を見ないとわからない謎もあるし・・・
というか、本当にさらっと重要なというかとんでもない情報を混ぜ込んでくるの、ほんとに心臓に悪いです(笑)。

山姥切くんと加州くんが古い付き合いで仲良しだとか、
(この二人の組み合わせって意外だけど凄いしっくりきてびっくりしました)
刀剣男子は歴史上の異物だから、彼らが去った後、彼らに関する記憶は消えていくとか、
(長政さま、長谷部のこと忘れちゃったのか・・・)
でも、弥助の中には絶望が残っていたとか、
(じゃあ、長政さまの中に、長谷部への気持ちは残っていたのかな!)
太閤くんが顕現した時には山姥切くんは本丸にいなかったとか、
(太閤くんの顕現って維伝の前ですか後ですか??)
山姥切くんが旅に出たまま戻ってきていない未来があるとか、
(歴史を最初から・・・って(>_<))
時間遡行軍に滅ぼされた本丸があるとか、
(まあそれはあるだろうけど、明言されちゃうと・・・)
審神者の手を食べると審神者の力を取り込めるかもしれないとか、
(え、もしかして滅ぼすたびに集めてるの???)
歴史のはざまびと(狭間?間?)とか朧の定義とか・・・
他にもいろいろいろいろ本当にどこから突っ込んだらいいのか(^^;)
千秋楽の配信を観る前に(観るんだ(^^;))、いろんな方の考察を漁ろうと思っています。
というか、夏の陣も千秋楽は配信があると思うのだけど、
冬の陣も同じ日に配信して二本立てにしてくれないかなー。
この物語は続けて観たいです!

そんなこんなで物語についてはなにも書けなそうなので、
今日は役者さんのことをちょっとずつ記録しておこうと思います。


一期一振役、本田くん。
なんとも優しく繊細な一期さんでした。
この一期さんは、軍議で長谷部を追い詰めはしない気がする(笑)。
殺陣も、すっと伸ばした背筋と腕が印象的。
途中腰を痛めて2幕の殺陣が変わったとのことですが、そんなことは感じさせない流麗な殺陣でした。
弟たちに向ける柔らかな声音。
自分の内面に向き合う時のどこか虚ろな表情。
秀頼に秀吉のことを伝えられない―――伝える言葉を持たないと告げる時にかみしめた唇。
戦いに出ようとする秀頼を圧倒的な剣技で止める時の、厳しくまっすぐな目。
そして、太閤くんに蒼空の話を聞いた時の、晴れやかで、そして愛しさに溢れた笑み。
この戦いで、一期さんが記憶を取り戻したわけではないと思う。
封じ込まれた記憶は、きっとまだ彼の奥底にあって。
でも、どんなに深いところに隠されていても、その記憶は一期さんの一部で。
そのことを受け入れた一期さんは、きっとまた強くなったんだろうな、と思う。

今回の物語では「自分は何者なのか」という問いが一つのキーワードだったと思います。
豊臣の世継ぎ、秀吉の―――天下人の息子という枕詞を持つ秀頼は、
兄としての存在が自分であるとする一期さんに、兄を取り払ったおまえ自身は何者か、と問います。
それはもしかしたら、逸話を取り去った刀は何者なのか、という問いにもつながるのかもしれない。
誰かとの―――元の主と関係性。
紡がれてきた―――背負って来た逸話。
それをすべて取り払ったとき、彼らの物語は存在しうるのか。
弥助は、刀剣男子を顕現するために必須のものとしてそれらを求めた。
それらの有無が、刀剣男子と時間遡行軍の違いなのだろうか。
それらの有無が、刀剣男子の本能に繋がるのだろうか。
いろんな疑問が沸き上がります。
その答えも、いつか教えてもらえるのかな。

鯰尾くん役の前嶋くんは初見の役者さん。
丸い頬がチャーミングな可愛い鯰尾くんでしたv
すごく明るい感じかな、と思っていたら、ふとした瞬間に影を感じさせるのが脇差だな、と(え)。
秀頼さまを前にした時の、本当に素直に嬉しそうな表情に、なんだか泣きそうになりました。
殺陣は、もうとにかく走る!という感じ(笑)。
頑張れ!と思いました(笑)・・・いや、これはみんなになのだけど(^^;)

北川くんの骨喰くんは慈伝ぶりですね。
相変わらず綺麗な骨喰くんなのですが、兄弟と一緒のせいか、ちょっと雰囲気が柔らかいというか、
以前よりも幼いように感じました。
でも、殺陣は容赦なかった!
一騎打ちがあったのは彼だけだと思うのだけれど、かっこよかったですv

そういえば、終盤の殺陣で、小さい滑り台みたいなセットを動かしての殺陣があったのですが、
一人一人形を変えて特徴を見せてくれた感じで楽しかったです。
骨喰くんは二つを山形につなげたセットに駆け上り駆け下り、
鯰尾くんは三方を囲まれてそこから抜け出し、
太閤くんは並べたセットの上に並び立つ敵の足を続けて切り裂き・・・といった感じ。
今回の舞台は殺陣が凄く多かったと思うのですが(いつもかも・・・)、
いろいろ趣向が凝らしてあって飽きることがありませんでした。すごいなあ。


佐々木くんの宗三さんは虚伝再演ぶりですね。
虚伝の時よりも明らかに強く、そして優しさが深くなったように思います。
足場がしっかりした故の余裕というか・・・?
弥助が信長の話をしても、さらっと躱せるところとかも、そう思わせたのかも。
弥助が生んだ存在に触れる手と、憐れむ声に滲む慈愛に、思わず見入りました。
でもって、太閤くんとのやりとりも本当に楽しそうに笑っていて和みましたv
殺陣はとにかく素早くて!
途中真田兵を峰打ちするシーンがあるのですが、
斬るときとは違って、まさにたたきつけるという感じの重さが感じられて、
おおお!と覆いました。
信繁の九十九刀を見事に破壊していましたが、さもありなん、と。
ジョ伝では数人がかりでしたよね(^^;)
あ、美しさもさらに増しておりましたv


加州くん役の松田くんはねー・・・
キャストが発表された時、これは絶対似合う!と思ったのですが、
予想以上に素晴らしい加州くんでした!
佐藤くんの加州くんとは全然違うのに、確かにどちらも確かに加州くんなの。
ちょっと大人っぽいというか、冷静さが強い加州くんだったかな。
正直に言えば、顔はちょっときつめな感じで、最初の名乗りの時はあれ?と思ったのですが、
そんなことはあっという間に忘れました。
声の響き、しゃべり方や声の終わり方、しぐさ、立ち方、動き・・・どれもが、
本当に加州くん以外のなにものでもないことに、思わず見入ってしまいました。
殺陣も鋭さもまさに加州くんでした。
家康とのシーンも良かったなあ。
加州くんのあの理論は結構利己的で、あの家康なら全然関係ないと突っぱねることもできたと思う。
でも、そうさせないだけの、強さが―――情があったように思うのです。
ある意味、この物語の中で、一番直接的に歴史を守ったのは加州くんだったのかもしれないなあ。
とりあえず、加州くんの特命調査は、どちらの加州くんでも観てみたいです!(笑)。


太閤くん役の北乃くんも初見。
めっちゃ元気でパワフルな太閤くんでしたv
あの太閤左文字劇場にはちょっと目が点になりましたが(笑)。
アンサンブルのみなさん、お疲れ様でした・・・
殺陣もちょこまかしてたら次の瞬間思いっきり突っ込んだり、予想がつかない動きなのが面白かったです。
基本彼が出てくると楽しくて、一緒に笑顔になっちゃうんだけど、
秀頼さまと一期さんに蒼空の話をするときの、空を見上げる表情はどこか寂しそうで、
でも、その寂しささえも大切に楽しんでいるようで・・・ちょっと泣けてしまいました。
舞台のメインビジュアルで、彼だけが空を見上げているのを見直してまた泣いたと(笑)。
太閤くんは修行の旅に来ていたのかな。
そして、ちゃんと答えを見つけて帰ったんだね。
いつか彼のいる本丸に、またみんなが揃う姿を見れたらいいなあ。


真田信繁役の鈴木さんは、舞台で拝見するのは初めてかな。
生き抜く、というその執念を鮮やかに見せてくれました。
刀剣男子たちが歴史を守るとき、その歴史は守られる側が望まない歴史でもある。
それは、このシリーズの中では常にあった事実なのだけれど、
信繁は、官兵衛に続いて自分の行く末を知って足掻いた存在なんですよね。
でも、その足掻く方向は違っていて―――ある意味とても納得できるものでもありました。
いやだって官兵衛の考えてることは凡人にはわからないですから(笑)。
十勇士になろうとした部下が自害した後から、彼があの選択をするまでのシーンは、
怒りや、悲しみや、絶望や―――いろんな感情が本当に迸るようで、
息をするのも忘れて見つめてしまいました。
それにしても、影武者というか成り代わりって、どうしても刀ミュを思い出しちゃうんだけど、
そうか、そうやって作られた歴史は強度が足りないのかもしれないのか・・・
とりあえず、その着地点は夏の陣待ちですね。
しかし、どこの本丸も三日月さんは厄介なのか(^^;)


大野治長役、姜さん。
久々に拝見しましたが、相変わらずいい声をしてらっしゃいますね。
歴史上でどういう人物なのか知識が全然ない分、
素直に受け止めることができたような気がします。
秀頼に向ける感情に淀みが感じられなかったことに、なんだかほっとしました。


徳川家康役は松村雄基さん。
舞台で拝見するのは初めてですが、良い家康でございましたv
老害といえば老害なんだけど(酷)、自分の死に様を自分で選びたい、というのに、
ちょっと納得させられてしまう感じでした。
家康は、加州くんとのやり取りを覚えてはいられないのだろうけど、
でも、彼のあの殺気と情は、家康の中に残っているといいな。
そんな家康が作った徳川幕府のために、新撰組は戦うんだから。


阿形役安田さんは、髑髏城でめっちゃかっこいい服部半蔵でしたよね。
今回はお顔は見えませんでしたが、杉山さんの吽形と一緒に、
不気味さと可愛さのある時間遡行軍を見せてくれました。
最後十勇士になろうとした兵の刀を持って去っていったけど、
え?官兵衛生きてるの??
なんというか、刀ステの元凶は信長だけど、黒幕は官兵衛な気がするなー(^^;)


弥助役、日南田さんの再登場、嬉しかったです!
そして、相変わらず圧倒的な強さを感じさせる殺陣に感動。
彼の望み、彼の行動、彼の言葉―――どれもがこの物語の謎につながっていたように思います。
まんばちゃんとの因縁の戦いは、結局どちらが勝ったことになるのかなあ。
彼が命という代償を払って生み出した存在は不完全な存在だったけれど、
あの存在の中には確かに弥助の物語があったんだろうな、と思う。

というか、あの存在が、生まれた瞬間から崩れていくというのはどういうことだったのかなあ。
審神者の手、というアイテムが不完全だったのか、
代償が弥助の命では足りなかったのか、
逸話としての物語が弱かったのか・・・
悲伝での義輝さまは、私は審神者の力を持った存在だったと思っているのですが、
鵺は時間遡行軍の介入があって生まれたのではなく、
義輝さまが、あの最期で意図せず代償を払ったことで生まれた、というこのなのかしら。
それを知った時間遡行軍が、弥助に審神者の手を渡した?
あ、悲伝は天伝よりも後の時間軸か。
いやでも、何回目の円環で鵺が生まれたのかはわからないから・・・って、強制終了!(笑)


荒牧くんのまんばちゃんは、ジョ伝より強くて、でも悲伝よりも少しだけ未熟さが感じられて、
絶妙にあの瞬間のまんばちゃんだなあ、と。
加州くんと一緒だと、山伏さんに対するのとはちょっと色合いの違う甘えのようなものがあって、
それが可愛いやら微笑ましいやらv
太閤くんを目の前にして、めっちゃ戸惑って、でもちゃんと近侍として接しているのも微笑ましかったです。
ジョ伝の時に、弥助とまんばちゃんってちょっと似てるなと思ったのだけど、
(戦闘中にめっちゃしゃべることとか(笑))、
今回感じた二人の類似には、ちょっと背筋が冷たくなるような気がしました。
いや、この時点のまんばちゃんではなくて、悲伝を経た後のまんばちゃんなのだけど。
失う覚悟はできている。
そう、彼は言ったけど―――でも、あの瞬間の彼はまだ何も失ってはいなかった。
あの世界の果てのような白い空間で三日月さんを失ったとき、
彼は弥助とのあのやり取りを思い出したんだろうか。

今回の太閤くんとの出会いで、彼は自分が修行の旅から帰らない未来があることを知りました。
慈伝で、彼は旅に出ることを躊躇ってた。
それは、その未来を知っているからこその躊躇いであったのだとすると、
慈伝のあのどんぐりのシーンも、旅立つシーンも、ちょっと見方が変わってくるかもしれないな。
というか、まんばちゃんは長谷部や兄弟にそのことを告げたのだろうか。
・・・告げていないような気がするなあ。
とすると、その可能性を知っているのは加州くんだけなんだよね。
加州くんはどんな思いで彼を見送ったんだろう。
あの旅立ちの前に、彼らはどんな言葉を交わしたんだろう。
そんなことを、ちょっと考えてしまいました。


つらつら書いていたら長くなっちゃったなあ。
今回の副題、「蒼空の兵」ですが、実は私、
秀吉が蒼空みたいだったという意味をちゃんと理解できていないし、
だから秀頼と一期さんが蒼空というのも納得ができていません。
千秋楽を観たら、あるいは夏の陣を観たら理解できるのかどうかもわかりません。
でも。
物語の終盤スクリーン全てを使って描かれた―――一期さんと秀頼がこの時間軸での別れを交わした空と、
物語のラスト、一期さんとまんばちゃんが見上げた大阪の空は、
本当に綺麗な―――抜けるような蒼空だった。
どこまでも高く、果てしなく遠く、けれど、なぜか懐かしいような近しさを感じさせる、蒼。
ああ、それは、一期さんにとっての、太閤くんにとっての秀吉の在り方なのかもしれない。
うん、とりあえずそういうことにしておこう(笑)。


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