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zoom RSS 観劇な週末その2〜The Woman in White

<<   作成日時 : 2007/11/29 22:31   >>

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私が初めて観たミュージカルは、劇団四季の「オペラ座の怪人」でした。
舞台の1/3は隠れちゃうような隅っこの席からの観劇でしたが、
高校生のときのこの出会いがなければ、今、こんなにも舞台に通う自分はいなかったと思う。

そして、その後買ったCDでの、市村ファントムとの出会い・・・
市村さんの歌う「The Music of the Night」に心奪われました。
ええ、それこそ、この曲からイメージされた一瞬を描きたいがために、
長編小説1本書き上げちゃったぐらい(笑)。

「ジーザス・クライスト=スーパースター」も「キャッツ」の「アクセプツ・オブ・ラブ」も、
どれも素晴らしいミュージカルだったけれど、
ロイド・ウェバーの作品では、やっぱり「オペラ座の怪人」が一番でした。
でも、その地位が、今ちょっと揺らいでいます。
それは、「The Woman in White」のせい。

正直いうと、物語のドラマティックさや登場人物の個性は、
「オペラ座の怪人」がぴか一だと思う。
文庫3冊もある長編の原作を3時間のミュージカルに収めるのは、
展開の先が容易に読めてしまい、やはり何処かで無理があるとも感じた。

けれど、それを補って余りあるそれぞれの役者さんたちの力量が、
迸るような歌声と共に、
抑えきれない恋情を、
心を蝕む恐怖を、
触れ合える喜びを、
立ちあがる勇気を、
そして、誰かの幸せを願う心の強さと優しさを、
まっすぐに私に届けてくれました。


「The Woman in White」

2007.11.25 マチネ 青山劇場 1階D列31番
出演:笹本玲奈、神田沙也加、別所哲也、石川禅、山本カナコ、光枝明彦、上條恒彦 他

ストーリーは公式サイトをご覧ください。
手抜きですみません・・・でも、役者さんのことが沢山書きたくて!!

まず、なんといってもこの人! マリアン役、笹本玲奈ちゃん。
「レ・ミゼラブル」ではご縁がなくて観ることができなかったので、
「マリー・アントワネット」以来1年ぶりの玲奈ちゃんは、
ますますパワーアップしていました。
あの高音をものともしない声量!
そしてその声量に負けない情感!
別所さんもそうでしたが、スピーカーを通した音をしのぐぐらいの圧力を持って、
生の声が真正面から私のところにまで届くのって、本当に凄いと思う!!

10くらい年の離れた妹を守り続け、
父の身分の差による自分と妹の立ち場をきちんと見極め、
常に自分の感情を押しのけて、妹の幸せを祈り続けたマリアン。
ウォルターとローラを引き離した、その行動の奥底には、
確かにローラへの嫉妬があったと思う。
けれど、それ以上に深い愛情があったのも本当だと思う。
玲奈ちゃんの実年齢は、むしろローラに近い。
なのに、その、自分よりも10も年上の女性の苦悩と愛情と勇気を、
そういった感情のゆれを、
なんの違和感もなく感じさせた彼女の力量には、もう感嘆するしかありませんでした。
一番印象に残ったのは、1幕途中と、2幕最後の「どんなに愛しくても」の歌声。
同じ旋律、同じ歌詞であるにも関わらず、
その時のマリアンの感情の違いを、しっかりと聴かせてくれました。

みなさんのブログを読ませていただくと、
笹本マリアンは、日を追うごとに更に素晴らしくなっているとのこと。
千秋楽で、どんなマリアンを見せてくれるのか、今からとても楽しみです。


ウォルター役、別所哲也さん。
・・・めちゃくちゃかっこいいんですけど?!
背は高いし、足は長いし、肩幅広いし、手は大きいし、声は素晴らしいし!
私の中の別所さん=バルジャンが、いい意味で崩されました。
1幕のローラに絡んでのまさに恋をしてます!な表情の変化(甘々から嫉妬まで)も、
2幕冒頭の失意のウォルターも印象的でしたが、
個人的に一番ツボだったのが、
街燈の下で一人マリアンを待っているときの落ち着きのなさ(笑)。
この時点で、ウォルターの心がマリアンに既に向いてると思うのだけど、
生きたローラと再会すると、一気にローラに心を持っていかれちゃうのね・・・
マリアンとは、どこまでもローラを挟んでの感情のやり取りだったのかなあ。
笹本マリアンがあまりに魅力的なだけに、
その辺がちょっと納得いかなかったりしたのですが、
次の観劇で答えが見えるといいなあ、と思います。


ローラ役、神田沙也加ちゃん。
登場から可愛らしかったです。
歌声や演技は、周囲が余りにも実力派な人たちばかりなので、
ちょっと大変そうだなあ、と思いました。
声量はかなり音響に助けられてた気もします。
だって、ローラの声だけ、明らかにスピーカーから聴こえてくるんだもの(笑)。
でも、とても綺麗なファルセットだったし、
声量はきっとこれから鍛えられてくると思うし、なにより表情が凄くよかったので、
私的には期待以上でした(えらそうな/笑)。

個人的には可愛らしい笑顔よりむしろ
パーシヴァル卿と結婚してからの、憂いと怯えの表情が素晴らしいと思いました。
というか、ローラの笑顔は、どこか翳りがあったように思うのです。
大事に守られた何も知らないお嬢さんではなくて、
マリアンの葛藤も恋情も全て知った上で、それを見せないことを選んでいるように感じました。
それは決して狡猾さでも逃げでもなくて、いや、それもあったかもしれないけど、それ以上に、
ローラが「ローラ」であるからこそ、保たれる調和があることを理解していたのだと思います。
・・・それって、とても辛いと思う。
マリアンの気持ちも、ウォルターの(マリアンへの)気持ちも全て引き受けて、
その上で、彼女は絶対に幸せにならなきゃいけないんだから。
原作の中のローラがどう描かれているのか、ちょっと読んでみたくなりました。


フォスコ伯爵役、上條恒彦さん。
素晴らしく能弁な歌声に、思いっきり楽しませていただきました。
物語の中で、一番大人な役だったような気がします(笑)。
でもって、重く暗い物語の中の、唯一根っこから明るい役。
もちろん、悪巧みもしているし、実際悪事も働いているんですけど、
でも、人生を楽しむ、という伯爵の本質を、見事にあらわしてらっしゃいました。


パーシヴァル卿役、石川禅さん。
やってることは最悪で、憎むべきDV夫なのですけど、
それだけではない、と感じさせる演技でした。
とても、悲しい人だと、そう思いました。
プログラムの石川さんのコメントを読んで、納得!
彼が、こういう男になった背景を、きちんと考えて演じられていたのですね。
優しい石川さんの笑顔が、どんどん引きつった、余裕の無いものになっていくのが、
なんだかとても怖く、そして哀れに感じました。
2幕のウォルターとの乱闘も大迫力!
ジャベールは一瞬でやられちゃったからね(笑)。


アン・キャスリック役、山本カナコさん。
エキセントリックで謎に満ちた白いドレスの女を、
大迫力で演じてくださいました。
あの笑い声や悲鳴はさすがだと思う!!
マリアンとローラと歌う「今日から三人」は、もううっとりするくらい綺麗でした。
それぞれの声の魅力が満載!と言う感じ。
でも、実は最初アンの年齢設定がわからなくて、
ローラの実の母なのでは?!などと疑ってしまいました・・・
それじゃあ、マリアンのお母さんにもなっちゃうよね(笑)。


でもって、アンサンブルの方たちがとーっても凄かったです!
マリアンがロンドンに出てくるシーンとか、大迫力!
ロイド・ウェバーの楽曲って、素直な旋律ではなくて、
変調がめちゃくちゃ入るのですよね。
主要キャストの方々も歌いにくいだろうなあ、と思うのですが、
その難しい曲を、あそこまで美しく歌い上げるのは、本当に凄いと思います。
「ジキル&ハイド」のアンサンブルを聴いた時と同じくらい感動しちゃいました。
子役のお嬢さんも、お上手でしたしね。


この舞台、オーケストラが舞台奥上方にありました。
塩田さんの後姿や、楽器のてっぺんが丸見えなのですが、
それがなんだかとてもいい味を出していたように思います。
前日の「Mozart!」gは最前列で、
ちょっと音響的に辛かったのもあって、
滑らかに流れる音楽がとても心地よかったです。
歌舞伎座に直行しなくちゃいけなくて、最後の演奏の途中で立ってしまったのが、本当に残念!
最後まで聴いていたかったです。



そんなこんなで、とても素敵な舞台でした。
なのに!
日曜にも関わらず、この日はかなり空席がありました・・・
平日休みが取れるなら、絶対もっとチケット増やしたのに、さすがに無理。
1日も仕事だしねー(涙)。
この辺境ブログに迷い込まれて、
もし「WIW」を観るか迷っている方がいらしたら(いないと思いますが/汗)、
是非是非私の分まで観にいってください!
きっと当日券もあるはずです!!
もう、手放しでお薦めできるくらいの舞台でしたから。
そして私は、千秋楽観劇を心の支えに、今週を乗り越えたいと思います。
頑張るぞー・・・!(ちょっと語尾が疲れてます/笑)

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07/11/27 「ウーマン・イン・ホワイト」@青山劇場
{/face_ase1/} アンドリュー・ロイド=ウェバー最新作の日本初演ということで、しっかりチケットをとってあったのに、微妙な時間に職場で時計の見えないところで話し込んでしまった。「さて何時」と思ったら午後6:45!うわぁ、開演に間に合わない〜。必死に青山劇場をめざしたけれど開演20分以上過ぎていた(T-T)という状況で観始める。2階席後方の一番安い席2列は満席だったが、2階前方はガラ空き。幕間に1階をみたら脇はガラガラだった・・・・・・。 {/hiyob_hat/} ひとことでいうと「19... ...続きを見る
ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記
2007/11/29 22:47

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
私の書いた感想をアップしてすぐにうかがったら、恭穂さんもアップされていて、時間もすごく近かった!それなのに中身は大違いで恐縮です(^^ゞ私の感想は役者さんたちを褒めて、作品はあまり評価していないもので、申し訳ないです。ミステリーをミュージカルで観なくていいやぁという印象でした。ミステリーっぽいドラマなのかもしれないけれど、そのへんがドラマとしては半端な感じがあって、もの足りずでした。
幕間で若い男の子ふたりが「オペラ座の怪人とかと違って何もくちずさめないよなぁ」とか話をしていて、やっぱりなぁと共感して聞いていました。
このところミュージカルの新作でなかなか面白いと思えたのは「マリー・アントワネット」くらいかな。安い席のない公演は最初から見送っているのもあるからかもしれませんが(^^ゞまた面白い作品と出会いたいです。
ぴかちゅう
2007/11/29 23:04
恭穂さん 相変わらず1回の観劇ですごい素晴らしい感想。
私もオペラ座の怪人大好きなんですが 映画版でめちゃくちゃ感動して
四季を見に行ったら「あれ?」ってファントムはじめ誰にも感情移入できなくて帰ってきたの。オペラ座こそ東宝でやってほしいと願って3年
曲調が似ているWIWがこうやって見れる日がやってきたことに感涙です。
もう後先考えずチケ追加しまくりました(笑)
千秋楽を楽しみに私もあと2日がっつり働きます(握りこぶし)
kumigon
2007/11/30 10:35
ぴかちゅうさん、コメントとTBありがとうございます!
私も、物語的にはちょっと無理があるかな、と思いましたが、
楽曲と役者さんの演技が本当に素晴らしくて・・・!
でも、確かに口ずさめなそうにない複雑な旋律でしたね。
この難曲をあんなに繊細に歌えるキャストの方々、
やっぱり凄いなあ、と思います。
でもって、その男の子たち、ミュージカル俳優の卵でしょうか?
それがとっても気になってしまいました(笑)
恭穂
2007/11/30 21:14
kumigonさん、こんばんは!
「オペラ座の怪人」、私は市村ファントムのCDを、
歌詞や台詞を全部覚えてしまうくらい聞き込んじゃったので、
逆に映画を観て、「歌詞が違うー!!」と思ってしまいました・・・
はまりすぎるのも良し悪しですね(笑)。

WIW、私ももっと公演期間が長ければ、
きっとチケット買い足していたと思います。
とりあえず千秋楽、無事観にいけるよう、
明日のお仕事頑張ります!
お会いできるのを楽しみにしておりますねv
恭穂
2007/11/30 21:21
>その男の子たち、ミュージカル俳優の卵でしょうか?......なんかそんな気もしました。ミュージカルに詳しい若いオノコがふたりも揃うって普通のその年頃にはやはり少数派でしょうからねぇ。
3階の一番安い席は埋めつくされていて、隣はおじさんだったし、けっこう冷静な観劇態度の人ばかりのような感じでした(私も含めて(^^ゞ)。
恭穂さんの感想と違いすぎるのでTBがいただけなかったのかなぁと推測しましたが、せっかくなので私の記事のコメント欄で紹介させていただきました。その欄まで目を通してくれる方であれば、私のような感想ばかりでないこともわかっていただけると思うので。
昨日はこまつ座を観劇、今日は講演会と映画の日でシネコンと調子に乗って続けたらまた喉が痛くなってきました。明日は玲小姐さんたちとお茶会だし、早く寝なくてはと思っておりま〜す。
ぴかちゅう
2007/12/01 23:11
こんばんは。明日はいよいよ千秋楽、こんな素晴らしい舞台が、たった二週間で終わるなんて!と嘆いています。
初日より沙也加ちゃんが凄く良くなってきたので、三人の感情の交差がもう切なくて、切なくて…。
ミステリーとしてよりも、マリアンを中心とした人間ドラマとして見るミュージカルだと思います。上手い役者さん揃いで、何度見ても泣いてしまいます。
花梨
2007/12/02 01:48
ぴかちゅうさん、こんばんは!
TB、届いていませんでしたか・・・?
コメントと一緒に送ったつもりだったのですが、
すみません、確認不足でした。
また改めて送らせていただきにまいりますね。

やっぱり、その子たち、俳優さんの卵ですかね。
未来のウォルターなのかも?!
って、しばらくは、ウォルターは別所さんがいいですが(笑)。

充実した週末をお過ごしになられたようですね。
こまつ座の観劇記録、楽しみにしておりますv
恭穂
2007/12/03 23:29
花梨さん、こんばんは!
昨日は本当にありがとうございました。
お会いできて、沢山おしゃべりできて、
とても楽しかったです。
初対面なのに、遠慮なくハイテンションで、
すみませんでした・・・
でも、本当に素晴らしい楽でしたね。
再演時は、私も通ってしまいそうです。
名古屋、私の分もめいっぱい楽しんできてくださいね。
レポ、お待ちしておりますv
恭穂
2007/12/03 23:31

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観劇な週末その2〜The Woman in White 瓔珞の音/BIGLOBEウェブリブログ
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