瓔珞の音

アクセスカウンタ

zoom RSS 受け継がれるもの

<<   作成日時 : 2008/05/01 22:55   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 2

ここ数日の暖かさで、一気に木々の緑が濃くなりましたね。
その緑の中に、藤と桐の紫が見えるようになりました。
桐の花は、私の出身高校の校歌に織り込まれています。
高校名の全く入らない校歌って、今はそれほど珍しくないかもしれませんが、
小中と高名を讃えるかのような校歌を歌ってきた身としては、
とても新鮮で、大好きな校歌でした。
実は今も2番まできっちり歌えますv
更にこの校歌、母が在籍していた時に作られたとかで、
高校に入学した時、母から旋律を教わりました。
時が流れて、制服の着方もずいぶん変わって、
もしかしたら他の高校との合併もあるかもしれないと言われている母校。
もし学校名が変わっても、この校歌はずっと残って欲しいなあ、と思います。

そんな風に、素敵なものを紡ぎ続けている歌舞伎の世界を、また堪能してまいりましたv



五月大歌舞伎 夜の部
2008.4.26  歌舞伎座  2階9列一桁台


かーなーり体力的にきつかった先週。
この観劇も、一度は諦めかけました。
でも、大好きな仁左衛門さんと玉三郎さん、それにずっと生で観たかった勘三郎さんがそろう舞台。
やっぱりどうしても行きたくて、頑張って行ってきました。
結果、思いっきり元気をもらって帰ってきました!
行きより帰りの方が元気って・・・(笑)
やっぱり舞台は私にとって大事なエネルギーなんだなあ。


一つ目の演目は「将軍江戸を去る」。
徳川幕府最後の将軍慶喜(坂東三津五郎)が江戸を去る前夜から、その朝までの様子が描かれています。
まったく予習無しで、しかも開演直前に滑り込んだため、
実は内容は半分ぐらいしか理解できませんでした。
でも、そんな状況でも、三津五郎さん演じる慶喜の静かな怒りと葛藤、
そして、江戸を去る瞬間の潔さがとても印象的でした。
最後の千住の大橋の場。
背景の川の風景が、ゆっくりと明るく色を変えていくさまが、とても美しかった。
また、山岡鉄太郎(中村橋之助)が言い募る戦争忌避の想いの強さに、わからないなりに引き込まれました。
イヤホンガイドによると、この作品は昭和9年に書かれたのだそうです。
戦争の足音が、人々の生活を、人々の心を荒ませていたであろうその時代に、
こんなカタチで戦争の悲惨さを、酷さを訴えた事実に、なんだかとても感動してしまいました。


二つ目の演目は「勧進帳」。
私でも簡単な内容を知っているぐらいの、とーっても有名な演目。
でも、もちろん観るのは初めてなのですが・・・
初めての「勧進帳」がこれで良かった!と心から思ってしまいました。
というのも、武蔵坊弁慶役の片岡仁左衛門さん、富樫左衛門役の中村勘三郎さん、
そして源義経役の坂東玉三郎さんのバランスが、素人の私にも感じられるぐらい絶妙だったのです!
もちろん、各々の存在感も演技も素晴らしかった。

勘三郎さんの富樫は、最初の名乗りの声で鳥肌が立ちました。
かっこいいだけではない、富樫という男の実直さや優しさすら感じさせる名乗り。
これを聞いた瞬間に、来て良かった〜と本気で思いました。
その後も、富樫は静かに座して弁慶が勧進帳を読み上げる様子を見つめるのですが、
その間、全く途切れることのない緊張感と存在感・・・本当に素晴らしかったです。

玉三郎さんの義経は、花道に登場した瞬間の、凛とした美しさにまず目を奪われました。
年若く清廉な、けれど大人の憂いもきちんと持ち合わせた義経。
言葉少なに弁慶を見つめるその眼差しのなんと雄弁なこと!!
富樫同様、中盤は深く笠をかぶって俯くだけなのですが、
微動だにしないその間中、ぴんと張った糸のような緊張感が感じられました。

そんな二人の静の緊張感の真ん中で、大胆な策を講じた仁左衛門さんの弁慶。
最初の登場の時点では、私の中の弁慶のイメージからすると、細いかなあ、とも思ったのですが、
舞台が進むにつれて、これこそまさに弁慶!と思ってしまいました。
あの知性、あの度胸、あの愛嬌、そして、徹底した義経への敬愛!
危機を切り抜けるため、義経を殴り、殺して見せるとまで言った弁慶。
その瞬間は、見事なほど義経への敬愛は隠され、本当に打ち殺してしまいそうな迫力がありました。
なのに、無事関を超え、人気のない浜辺で義経と向き合った時。
彼と目をあわすことすら出来ないほど恐縮し、
そして義経が差し伸べた手にすら怯えるほど小さくなって詫びるのです。
そんな彼を静かな目で見つめ続ける義経。
・・・二人の間の深い信頼感と、そして決して変わることのない主従の絆を、強く感じた一幕でした。
最後、颯爽とした舞いで富樫へ感謝を示し、その間に義経らを先に行かせた弁慶は、
花道の上で一人、ゆっくりと遠くなる富樫へ礼をします。
その後、有名な飛び六方ではけていくのですが、
実はこの日の席、花道の真正面だったのです。
ですから、まっすぐに前を見つめ、ゆっくりと、一歩一歩踏みしめるような飛び六方を、
正面から観ることができました。
その時の弁慶の表情は、難所を越えた喜びに溢れたものではなく、
この先自分たちを待ち受ける苦難を見据えるような厳しく、静謐な印象を受けました。

他の方が、どんな風に弁慶を、富樫を、義経を演じてらっしゃるのか、私にはわかりません。
歌舞伎を見続ける限り、きっとまた「勧進帳」を観ることもあるでしょう。
けれど、この日、初めてみたこの「勧進帳」は、
初めてであるがゆえに、私の中でベストのものとして残るのだろうな、と思いました。



三つ目の演目「浮かれ心中」も書こうと思っていたのですが、
ちょっと眠気に負けてしまいそうです。
思ったより「勧進帳」が長くなっちゃったしなあ・・・っていつものこと?(笑)
ので、残りはまた別記事で書こうと思います。
だって、これだけでもすっごい見ごたえがあったんですもの!!
というわけで、おやすみなさいませ〜v





テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
08/04/26 歌舞伎座千穐楽夜の部?黄金三角の「勧進帳」
{/roket/} 千穐楽夜の部のチケットをとってあったが、「勧進帳」だけでも幕見しようとしたが玉砕。この一回の観劇にかけた!席は3階東2列なので、上手側がほとんど見えないのが残念だが、その分、花道の芝居はしっかり見えるのが有難い。 【歌舞伎十八番の内 勧進帳】 今回の配役は以下の通り。 武蔵坊弁慶:仁左衛門 源義経:玉三郎 富樫左衛門:勘三郎 太刀持:鶴松 亀井六郎:友右衛門 片岡八郎:権十郎 駿河次郎:高麗蔵 常陸坊海尊:團蔵 {/kirakira/}{/kirakira/}{/kiraki... ...続きを見る
ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記
2008/05/03 23:36

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私と娘も同じ高校の校歌を歌っての卒業となりました。娘は制服がなかったんですけどね。
4月歌舞伎座千穐楽夜の部の前後にお話できて楽しかったです。
夜の部はなんといっても「勧進帳」でしたね!主君オーラの玉三郎義経と忠臣オーラの仁左衛門弁慶のこの主従の絆を見たら、熱血漢の勘三郎富樫は自分の命を投げ打つしかないなぁという「勧進帳」でした!今回で6回目くらいの「勧進帳」でしたが、今回のものはこれまでとは別物の舞台でした。これが初「勧進帳」とは、恭穂さんは本当にラッキーでしたね。
私もGWはバタバタしていて、観劇の感想がなかなか書けませんが、「浮かれ心中」も書けたらTBさせていただきますね(^O^)/
ぴかちゅう
2008/05/04 00:09
ぴかちゅうさん、こんばんは!
ぴかちゅうさんとお嬢さんも同じ高校出身ですか。同じ校歌が歌えるのって、なんだかちょっと嬉しいですよね。

TB、ありがとうございました。
ぴかちゅうさんの記事のタイトルに、まさにその通り!と思いました。「勧進帳」は、この3役のバランスがとても大事な演目なんだろうな、と素人ながら思いました。別の方の「勧進帳」を見ると、また見えてくるものもあるかもしれませんね。次の機会を楽しみにしていようと思いますv
恭穂
2008/05/04 17:26

コメントする help

ニックネーム
本 文
受け継がれるもの 瓔珞の音/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる