瓔珞の音

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zoom RSS まさに至高のハーモニー

<<   作成日時 : 2010/12/20 22:12   >>

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この舞台が上演されることを知って、大人買いした原作全12巻。
魅力的なキャスト。
ビッグネームな脚本家。
でも、この複雑な人間関係(ある意味単純でもありますが)と、
深い感情のやり取り、そして登場人物の想いの変遷を、
たった4人のキャストで、3時間に満たない芝居で、どんなふうに表すのか・・・
結果は、期待以上でした!



「プライド」

2010.12.18 ソワレ シアタークリエ 19列一桁台

原作:一条ゆかり「プライド」
脚本:大石静
演出:寺崎秀臣
音楽:佐橋俊彦
出演:佐々木喜英、笹本玲奈、鈴木一真、新妻聖子



舞台は、あるコンクールの声楽部門決勝戦の開幕のアナウンスから始まりました。
(ほんとに、開演前のアナウンスがそういうアナウンスだったんです!)
舞台の上、主催者であるクイーンレコードの社長である神野隆(鈴木一真)が読み上げたフファイナリストは、
麻見史緒(笹本玲奈)と緑川萌(新妻聖子)の二人。
優勝者に与えられるのは、イタリア留学の権利。
有名なオペラ歌手を母に持ち、社長令嬢として何不自由なく暮らしてきた史緒は、
父を病で亡くし、父が残した借財を背負いながら、オペラ歌手になる望みを賭けてこのコンクールに臨んだ。
一方の萌は、売れない歌手であった母から愛情を受けることもできず、
貧困の中、大好きだったはずの歌に復讐をするための第一歩として、このコンクールに臨んだ。

この正反対の二人が、互いに憎みあい、嫌悪しあい、決して相手を受け入れられないと思い・・・
なのに、二人で歌った瞬間、二人はこれまでに経験したことのない至極のハーモニーを奏でた。
互いの欠点を補い、互いの力を更に高みに届かせる―――

史緒の伴奏者だった池之端蘭丸(佐々木喜英)の創った曲が、
彼のピアノと二人の歌声で至高のハーモニーを紡ぎだす瞬間―――

けれど、その奇跡の時を踏みにじるかのように、二人の人生はことあるごとにぶつかり合う。
自分が飢え求める全てを、なんの苦もなく手にしている史緒を憎む萌。
萌の憎しみの理由を理解できないまま受け止める史緒。
そんな二人が選び、たどり着く先は―――


というようなお話・・・って、全然分かりませんね(汗)。
詳しい粗筋は公式サイトのストーリーを、と思ったら、こっちの方が短かった!(笑)。

懸念していた脚本ですが、12巻の原作のポイントを過不足なく取り込んで、
且つ綺麗にまとめあげているところはさすが!
もちろん、細かい背景はつなぎのエピソードはろいろ変わっていて原作よりも昼ドラ風だったし(え)、
原作を読んでないと分かりにくいかもなあ、というところもあったし、
ちょっと説明口調だなあ、というところもあったし、
二人の感情の変遷は、ちょっと唐突に感じるところもあったけれど、
観ている最中は、そんなこと全然思わなかった!

まず、客席をそのままコンクールの客席にしてしまったところがすごい。
その場の一員である、という気持ちが一気に気持ちを舞台に向けるし、
決勝前の袖での2人のやり取りとか、ちょっとゴシップ的な見方で見る楽しみが合ったり、
2人の歌を、まさにコンクールを見ているような気持ちで真剣に聴いてしまったり・・・
いやー、新妻さんのマクベス夫人、めちゃくちゃかっこよかった!!

というか、とにかくこの舞台、新妻さんの萌ちゃんが圧巻でした。
ビジュアルはカツラやメイクである程度似せることはできると思うけど(それでも似すぎ・・・)、
ちょっとした台詞の語尾とか佇まい、そして歌うときの仕草や表情が、
まさに私が漫画から受け取った萌ちゃんそのものだったんです!!
それだけでも感動していたのですが、
更に、新妻さんが創り上げた+αの萌ちゃんも見せてくれました。
おもいっきり黒いのに、その後ろに隠れた健気さや寂しさ、愛情深さをしっかり感じさせてくれる萌・・・
2幕はほとんど彼女に泣かされていた感じです。
ハンカチの準備をしていなかったので、かなり大変なことになりました(笑)。

1幕最後、史緒が神野さんと婚約していることを知った萌が史緒に掴みかかるシーンも凄かったですが、
(後方席で観てても、凄い緊迫感だったから、前方だったらかなり怖かったと思う・・・)
私が個人的に一番好きなのは、神野氏との一夜の過ち(おい)のシーン。
まさかここに♪ふるさと を持ってくるとは・・・大石静恐るべし!!(笑)
神野さんと萌ちゃんのエピソードはかなり削られていたし、
最初から史緒にベタ惚れ(笑)な神野さんだったので、
どうやってこのエピソードを組み込むのかと思っていたんですが、
この萌ちゃんだったら、神野さんが縋りたくなるのも納得!と思ってしまいました。
そのくらい、深い優しさに溢れ、愛されるより愛したいという萌の本質を見せ付けてくれる歌だったと思う。
その後のおなかの赤ちゃんに歌い語りかけるシーンの穏やかな表情にいたっては、
エポやキムを経験してきた新妻さんだからこその説得力と美しさだったと思う。

正直なことを言っちゃえば、彼女の変化の変遷を表すには台詞もエピソードも足りなかった。
でも、その分を彼女の歌が、表情が、その不足を補い更に膨らましていた。
恵まれない生い立ちの中で押し込められてきた、本来の萌が持っている深い深い愛情。
最初からずっと見え隠れしていた、彼女本来の素直な気持ち―――ほんとに素晴らしかったです。


史緒役の玲奈ちゃんも、まさに別次元のお嬢様という史緒を、クリアに見せてくれました。
萌のような目を見張るような変化は余りなかったけれど、たぶんきっとそれが史緒なんですよね。
自覚はなかったかもしれないけれど、最初からぶれない"自分"を持っていて、
そのしっかりした足場の上で、萌の激情を受け止め、蘭丸の愛情を享受し、
不器用な神野さんの気持ちに少しずつ寄り添っていく史緒。
物語の中で、彼女は強くなっていく、という設定だったけれど、
私は、彼女は周りと接することで自分の中の強さを磨いて言ったんだろうな、と思う。

個人的に、史緒は言葉が足りない、と思います。
彼女自身、凄く考えて、凄く傷ついて、凄く一生懸命なのだけど、
そういうところが全然周りには見えてこない―――もしかしたら見せないのも彼女のプライドかもしれないけど。
これは蘭ちゃんも誤解するし、神野さんは振り回されるし、
萌ちゃんは憎むことでしか対峙することができないよなあ・・・とか思っちゃった(笑)。

原作最終巻の史緒の台詞が結構いろいろ好きだったので、
それが殆ど省かれちゃったのが残念なのと、
ラストシーンは、個人的に、ちょっとこれはないだろう・・・、という感じだったのですが、
(あの状況で萌の目の前であの台詞はちょっとねえ。許せちゃう萌ちゃんの懐の深さに感動!/笑)
萌が憧れ続けた史緒の"プライド"を、しっかり見せてくれたように思います。


そんな2人のディーヴァに振り回される男性陣(笑)。

蘭ちゃん役の佐々木さん。
あの2人の間でちょっとおろおろしているところが微笑ましかったですv
女装は正直あってもなくても良かったかな、とも思ったのですが、
プログラムで三人が並んでいる写真を見ると、原作から抜け出た感じで、
やはり原作ファンに対しては、これは外せなかっただろう、と納得(笑)。
ピアニストで作曲家、という役柄でしたが、ピアノは実際に弾いていたのかなあ・・・
音楽は生バンドでピアノの方もいらしたようなので(席の関係で見えなかったの)、
ふりだけかな、とも思ったのですが、そうだとしたら素晴らしいふりだったと思います!(笑)

音楽そのものも、ピアノにウッドベースにパーカッション、という大好きな編成で、
しかもマリンバまであるところが、ツボにはまりまくりでしたv

神野さん役は鈴木一真さん。
たぶん初見・・・なんですが、こちらもビジュアルはまんま神野さん!
でも、原作とは違って、最初っから史緒にベタ惚れな感じでした(笑)。
自分でけしかけときながら、史緒と萌と蘭ちゃんのセッションの危機感を覚えて、
外堀を埋めようと必死になるところが、蘭ちゃんとは違った微笑ましさ(笑)。
結婚式の準備で史緒が帰ってきたときのはしゃぎっぷりとか、
ちょっとした仕草に笑いを誘われました(何故?/笑)
カーテンコールのときも、かっこよくジャンプしてはけて行った佐々木さんをみて、
同じようにジャンプしたりしてましたが、素はもの凄くお茶目な方なのかな?
声も渋くて素敵だったので、ちょっと悩み中だった「エディット・ピアフ」、観にいっちゃおうかな、と思ってみたり。


で、最後に2人の歌!
いろんな記事で、2人で歌うことは素晴らしい!と2人が言っているのを読んだのですが、
本当に本当に素晴らしかったですv
オリジナル曲も、難解でいろんなジャンルの音楽が混ざり合っているような複雑さが、
まさにSRMの曲!という感じ。
2人も、地声からミュージカル風の発声から、オペラ風の発声まで、
いろんな歌い方を駆使していたように思います。
で、声質的にはかなり違う二人なのだけど、曲を聴いているとふっと一つの声に聞こえることがありました。
同じ音でもないし、同じ旋律でもないのに、2人の声がもう一つの声になる、という感じ。
ちょっと鳥肌がたっちゃいました。
1回しか聴けなかったのが本当に残念!
CD化やDVD化もして欲しいけど、でもこれはやっぱり舞台の上の生のセッションを聞くのが一番な気がします。
ので、是非再演よろしくお願いいたしますvv

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