瓔珞の音

アクセスカウンタ

zoom RSS 最後の願い

<<   作成日時 : 2011/05/22 23:08   >>

かわいい ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

その人が出てきた瞬間、すっと目を惹かれる―――心も惹かれる。
そんな役者さんに出会うことがあります。

どんな役を演じていてもその輝きが溢れ出る人もいれば、
ある瞬間に爆発的にその輝きを放つ人もいる。

そのどちらもが私にはとても魅力的で。
またそんな役者さんに出会うことができたこの舞台を、
私はずっと忘れないと思います。



「レ・ミゼラブル」

2011.5.15 ソワレ 帝国劇場 2階G列50番台

出演:別所哲也、今拓哉、笹本玲奈、新妻聖子、折井理子、山崎育三郎、駒田一、阿知波悟美、上原 理生、
    加藤清史郎、蒲生彩華 他


この日は二階の少し後方の席。
二階席から観るのは久々だったのですが、A席の魅力というものを、
今期の観劇で改めて知ったように思います。
この席では、オペラグラスが苦手な私には役者さんの細かな表情は全然見えないのだけれど、
その分、1階席では見えない舞台の奥の方の演出や、
役者さんたちの細かなフォーメーションがとてもクリアに見えました。
パリやバリケードのシーンとか、もしかしたらこういう見方をするほうが好みかもv

で、今回。
どうしても新妻聖子さんのファンティーヌが観たくてとったチケットなのですが、
もう、期待を裏切らない素晴らしいファンティーヌでした!
歌声はもちろんなのですが、健康的な新妻さんが、
あそこまで弱々しく、そして不幸せさを前面に見せてくれるとは思わなくて・・・
印象的だったのが、髪を売った後の後姿。
自分を取り囲む全ての冷たさに凍え、
自分に近づく全てに怯え―――そして、憎むことで立ち続る・・・
決して弱くはない、むしろ誇り高く凛とした女性であったはずのファンティーヌが、
こんなにも痛々しい姿になってしまう、その境遇の厳しさ。
そして、憎しみを身の内に抱え込むことで蝕まれていく彼女自身―――
自分を助けようとした男がバルジャンであると知った時、彼女の中の憎しみは行き先を失った。
そして、彼女を支えたもう一つの光―――コゼットの未来を託すことができた。
バルジャンの腕の中で、すっと眠るように息絶えるファンティーヌの姿を見た時、
彼女を支えていた憎しみと愛情の全てが、バルジャンに託されたように思いました。

そんなことを感じていたら、新妻さんのブログのファンティーヌ語り(笑)で、
髪を売った直後の原作でのファンティーヌの描写が引用されているんですが、
あの後姿には、やっぱりそれだけの思い入れがあったんだなあ、となんだか納得してしまいました。
うん、新妻さんのファンティーヌには、すごい重力があった。
そして、最後、バルジャンを迎えに来た時、その重力は輝く光になっていた。
そんなふうに思いました。


もう一人、今回の舞台で凄い重力、というより引力(笑)を感じたのが、
上原さん演じるアンジョルラス!
高潔で、且つ情熱的―――けれど、孤独。
全てを背負う孤高のリーダーとしての存在感を感じました。
でもって、このアンジョならもしかしたら革命を成功させるんじゃないか、
と周囲に思わせてしまう冷静さと説得力に、かなりよろめいてみたり。
というか上原さん、めちゃくちゃいい声なんですよ!!
登場シーンでも、ABCカフェでも、バリケードでも、言葉の一つ一つがとてもクリアに聞こえてくるの。
「肥えた豚ども」の歌詞が、あんなに上品に聞こえるアンジョも凄いんじゃないかと(笑)。
というのは、半分冗談ですが、あの声で理想を語られたら、若者はついて行きたくなっちゃうよねー。
そんなふうに思えてしまう♪Red and Black(題名じゃないっけ?)と♪民衆の歌 でした。
演技も細やかだったなあ、と思うのですが、初見だったのでいろいろ観損ねたかも(涙)。
とりあえず、バリケードができて、そのてっぺんに赤い旗を掲げた時、
その旗を手にとって広げて、じっと見つめるその後姿が印象的でした。
アンジョはやっぱり背中で語らないとねv
もともとオペラ畑の方で、ミュージカルはこれが初舞台ということですが、
これからまた別の舞台でも観てみたいなあ、と思いました。

そんな魅力的なアンジョを中心にして、学生たちの熱気も凄くて。
この前の観劇では、なんだかちょこちょこ動くなあ、という印象だったのですが、
2階席だったせいか、メンバーが違ったからなのか、今回はそんなこともなくて、
バリケードのシーンはとても集中して観ることができた感じ。
♪彼を帰して からバリケードが陥落するまでの、このミュージカルの中では決して長くない時間。
そこで繰り広げられる密度の濃いやり取りがとても鮮やかで・・・
前回とは違って、泣くのを抑えるために拍手ができない、という状況に陥りました。


加藤くんのガブローシュもとっても良かった!
前回、2〜3年後に観たかった、とか書いちゃいましたが、
それが申し訳ないくらいの歌声と余裕の演技でした。
ちっちゃくてちょこちょこ動くのはおなじなんだけど、その動きの切れが素晴らしいな、と。
やはり人気子役は侮れませんね!(笑)。
新バージョンがいつ上演されるのかはわかりませんが、
彼がガブローシュを演じられるうちに上演してくれるといいなあ。


エポニーヌは笹本玲奈ちゃん。
実は私、玲奈ちゃんのエポを観るのは初めてだったりするんです。
で、想像していたのとは全然違うエポに、かなり驚きました。
なんというか、もの凄く抑圧されたエポだなあ、と。
自分に自信がなくて、強がっているのにふっと弱さの見えるエポ・・・なんだかとっても新鮮でした。
パリのシーンでマリウスの髪に触れようとする手もとても躊躇いがちで。
ふと、彼女はずっと否定され続けて生きてきたのかもしれない、と思いました。
宿屋のシーンで、マダム・テナルディエはコゼットにこう言いますよね。
「行かないと優しくしないよ」って。
これ、個人的に凄くキツイ言葉だなあ、って思うのです。
行かないと優しくしない=行けば優しくしてもらえる、という図式。
それは、愛情をもらうのに見返りが必要、ということ。
マダム・テナルディエにとって、"愛情"とは"見返り"であったとしたら、
コゼットが去ったあとの宿屋で、思春期を向かえ従順な幼子ではなくなっていったエポニーヌが、
同じ言葉で虐げられた可能性もあるんじゃないかな。
そんなふうに考えてしまって。
ファンティーヌやバルジャンがコゼットに向けたような無償の愛情を、
エポニーヌは知らないまま大きくなったのかもしれない。
そんな生い立ちだから、彼女はあんなにも臆病になった。

そんな臆病なエポニーヌが♪One Day More の途中から、
すっと強い歌声と強い目になる瞬間があって・・・
♪On My Own でもそうなのだけれど、
マリウスに拒否され、否定されることを畏れて踏み込めなかったエポニーヌが、
コゼットにはできなくて自分にできること―――常にマリウスの傍にいること、を選んだ瞬間なのかな、って思いました。
そのときの歌声は、やっぱり玲奈ちゃん!という感じの力に溢れた歌声で。
嬉しくなると同時に、なんだかとっても切なくなってしまいました。


一方、折井理子ちゃんが演じるコゼットは、
もうめちゃくちゃ素直で真っ直ぐな子だなあ、という印象。
エポニーヌとの対比で、愛されて育った子の根本的な強さが感じられました。
「キャンディード」のとっても可愛い羊のイメージが強かったのですが(笑)、
健やかなコゼットもとっても魅力的でしたv


そんなコゼットだったので、山崎マリウスの一直線さも更に微笑ましくv
というか、今期は山崎くんのマリウスしか観てないなあ。
ま、好みだからいっか(笑)。
エポニーヌの気持ちに全く気づかないのが、切ないけど仕方がないなあ、って思ってしまいました。
そのくらい、あの頭ぽんぽんする仕草が自然なんですよね。
個人的に今回ツボだったのが、「コゼットは旅に出る」というときのやさぐれた雰囲気(笑)。
結婚式でテナルディエを殴るときの遠慮のなさも素敵でしたv


ジャベールは、今さん。
うーん、今さんのジャベール、やっぱりすごい冷たさだなあ。
それも、氷ではなく、金属の冷たさ。
熱も光も跳ね返すような頑なさを感じました。
自殺のシーンは、ぽきんと折れてしまったような唐突な、でも説得力のある流れを感じました。


そして、別所さんのバルジャン。
いやもう何も言葉になりません・・・ほんとに大好きです!
2幕、蝋燭を持って現れてから最後まで、も本当に泣きっ通しでした・・・
迎えにきたファンティーヌとの言葉のやりとりも、
そして、コゼットに「私は父じゃない」というシーンも、もう嗚咽を堪えるのに必死でした。
これまで何度も書いてきたけれど、
別所さんのバルジャンの"リアルさ"が、たぶん私的にもの凄いツボなんだと思います。
新バージョンでは、別所さんのバルジャンはもう観れないかなあ。
観れるといいなあ・・・
本当に、こころからそう思います。



そんなこんなで、私の「レ・ミゼラブル」はここで幕となりました。
4年前、自分でも意外なくらいにどっぷりとはまり込んだこの舞台。
「レ・ミゼラブル」を観ることで、私は沢山のものをいただきました。
そのことを、今心から感謝します。
残り1ヶ月。
残念ながら私は観にいくことはできないけれど、
キャストやスタッフの方たちが、怪我や病気をせず、
一回一回納得のいく舞台を創り上げることができますように。
そして、このミュージカルが、観る人全てに勇気を与えてくれますように。
そう、願います。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
恭穂さん 残念ながら会えませんでしたが 
同じ時間を共有できてうれしいです。
私も新妻ファンテと上原アンジョ良かったです!
新妻さんのブログリンクありがとうございます。
今読んできました バルジャンの独白が聞こえてきました
憎まれた俺は この世を憎んだ
ファンテーヌとバルジャンが重なりました。

新妻ファンテはエピローグで バルジャンの手を
今までどのファンテでも見たことなかったほど
優しくふわ〜っと救い上げるようにしていたのが衝撃的でした。

どんな闇夜も憎しみも やがて朝陽が 光があたためとかしてくれる

私は残すところ 6月9日のSP公演と11日の別所バル楽になりました。
睡眠をたっぷりとって行ってきたいと思います♪
kumigon
2011/05/23 01:09
kumigonさん、こんばんは!
同じ舞台を知らず観劇してたんですね〜。
お会いできずとっても残念でしたが、でもなんだか嬉しいv(笑)
新妻さんと上原さん、良かったですね。
最後、ファンティーヌがバルジャンの手をとるところは、
泣きすぎてて受け取り損ねたかも(涙)。
この演出をもう見ることができないのは哀しいですが、
次のステージを楽しみにしていようと思います。

その前に、kumigonさんのレポ、心待ちにしておりますね!
・・・って、まだ観る前ですね(笑)。
恭穂
2011/05/24 22:37

コメントする help

ニックネーム
本 文
最後の願い 瓔珞の音/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる