瓔珞の音

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zoom RSS 薄味

<<   作成日時 : 2012/03/26 21:21   >>

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観劇記録を書けないまま、最初の観劇からもう直ぐ1ヶ月経ってしまいます。
最初に観たとき思い浮んだのか、「なんて薄味な舞台なんだろう」ということ。
物語の舞台となる時代も。
登場人物の背負った過去も。
彼らが求める何かも。
彼らの間に生まれる感情も。
どれもが深く、暗く、強い力を持っているはずなのに、
私は、この舞台の中に"輝き"を見つけることができませんでした。
楽しめてはいたんですけどねー。
今回の小池先生の演出は、どうにもこうにも私とは相性が悪かったようです。

ので、今回はさらっと。
ちょっと辛口になると思いますので、この演目をお好きな方は、スルーしてくださいねー。


「キャバレー」

2012.3.4 国際フォーラム ホールC 2階12列20番台
2012.3.17 国際フォーラム ホールC 1回10列30番台

出演:藤原紀香、諸星和己、大貫勇輔、高嶺ふぶき、増沢望、杜けあき、木場勝己 他


この演目を最初に観たのはたぶん4年前。
松尾スズキさん演出の舞台でした。
1ヶ月ひたすら勉強した資格試験を終えたその足で観にいったのですが、
試験が終わった途端に風邪を引き込み最悪の体調だったのと、
その翌日に「オセロー」を見てしまったせいで(笑)、ちょっと記憶が曖昧。
でもって、観劇記録を書き損ねた2つのうちの1つだったりします(笑)。
でも、そんな曖昧な記憶の中でも、猥雑で暗い印象の舞台の上、
登場人物たちが交わす生々しくも切実で、そして心底切ない感情のきらめきが残っています。


そして、今回同じ演目を小池演出で見たわけですが・・・
うーん・・・
藤原さんや諸星くん(世代的にどんぴしゃなのでくん呼び/笑)は思っていた以上に"舞台役者"だったし、
熟年カップルのやり取りはとても切なかったし、
目当ての大貫くんはほんとにかんばってたし、
ちょっと時代や時空を超えた感じの舞台セットや照明も綺麗だったし、
(最後にミラーボールの赤い光が舞台と客席を満たす演出は、眩暈を覚える感じで好きでした)
バンドの演奏も迫力だったし(全員女性なのが凄い!!)、
衣裳も綺麗だったり可愛らしかったりで素敵だったし・・・
でもね・・・なんだかもの凄い"薄味"な印象だったの。
物足りない、というのとは違って、なんというか心情的に舞台からもの凄く遠くにいるような、
近くに行くのを拒まれているような、そんな感じ。

一番それを感じたのが、ショーのシーン。
一人一人のダンスや表情はとても素敵なのに、全体で見るとなんだか小さいなあ、って思っちゃった。
「ラ・カージュ〜」のレベルを求めちゃいけないのはわかっているし、
というかそもそも全然別の作品で全然別のテイストなのもわかっているのだけれど、
客席に降りても、前のほうでこしょこしょやっているだけで、
なんだか取り残されたような気分になってしまいました。
最初、2階席で観たからかなあ、とも思ったのですが、
二回目に1階席で観たときも同じように感じたので、
やっぱり私的にはそういうことなんだろうな、と思います。
1回目と2回目では、役者さんの深みは格段に良くなっていただけに、
そういう全体的な雰囲気に馴染むことが出来なかったのがとっても残念!
でも、まあ、こういう舞台もありますよね?


サリー役の藤原紀香さん。
もともとそれほど気になる女優さんではなかったので(というか、殆ど演技を観たことがない・・・/汗)、
あまり思い入れを持ってみたわけではないのですが、
思っていたよりもずっと舞台栄えするし、台詞は聞き取りやすいし、歌も聴き応えがありましたv
今度こそ幸せを手に入れられるかも・・・と歌う曲の、
目の前にある幸福に手を伸ばすことを恐れ躊躇うような表情も、
2幕の♪キャバレー の凛と背筋を伸ばして前を見つめる瞳も、
揺れる想いを覚悟へと変えていくその歌声も、ほんとに素敵でした。
サリーという役は、個人的には共感できる部分は凄く少ないのだけれど、
その強さとしなやかさには、ちょっと憧れるかもですv

MC役はかーくん!
いやもうほんとに久々に認識しました。
上にも書きましたが、彼の若かりし日の全盛期にがっつり当たっているので、
なんだか凄く懐かしかったです。なんだか当時のことがいろいろ思い浮んだ(笑)。
でも、そんな私の記憶や感傷を吹き飛ばすかのように、
なんとも素晴らしい存在感のMCでした。
メリハリのきいた表情豊かな歌声も、細部まで"見せる"ことを意識しつくした動きや表情も、
プロとしての自覚と、根拠のある自信の上に成り立ったもののように思います。
今回のMCは、時空すらも越えるような不可思議さや妖しさがあって、
そういう雰囲気も余すところなく感じさせてくれた・・・かな?
でも、客席が一番盛り上がるのが、ショーではなくて彼のローラースケートシーンだというのがね〜。
あ、でも、あのシーンもショーなのか(え)。


クリフ役、大貫勇輔くん。
はい、今回の最大の目的です。
たぶん、彼が出なかったら、この舞台を観には行かなかったと思う。
初回は、頑張ってるなあ・・・というのが一番の感想だったのですが、
2回目に見たときには、彼が創り出した"クリフ"という青年の背景がきちんと感じられて、
その進化にちょっとびっくりしました。
彼のクリフは・・・"何か"になりたい気持ちが凄く強い青年なんだなあ、と思う。

ここじゃない何処か。
今の自分とは違う自分。
その自分が生きる場所。

そういうものを、ずっと探してきて、これからも探し続けるんだろうなあ、って。
ナチスの台頭を不安に思い反発する彼も真実だけれど、
彼にとってそれはある意味対岸の火事だった。
「僕はいい父親になれるとおもう」と言った彼の言葉は真実かもしれないけれど、
彼は"子どもの父親"ではなく、"父親である自分"になりたかっただけなのかもしれない。
で、きっとサリーはクリフの中のそういう不確かさ・・・というか足場の揺らぎを感じていた。
そんな風に思いました。

ソロの歌声も、二回目に見たときは凄く良くなっていました。
最後の♪Willkommen の憂いと自嘲の色合いには、ちょっとよろめいたかも(笑)。
新人俳優さんの挑戦としては、とっても頑張っていたし、成果もあったんじゃないでしょうか。


シュルツ役の木場勝己さんは、もうとにかくあの笑顔が素晴らしかったです!
彼が出てくるたびに私も笑顔になっていた気がする(笑)。
台詞としての歌声も素晴らしくv
MCとは違う種類の、とても細やかで説得力のある演技はさすがだなあと思いました。
ほんとに大好きな役者さんです!

杜さんのシュナイダー夫人は、可愛らしさの中に強さと頑なさと諦念が感じられました。
彼女の恐怖も、その結果としての選択も理解できるけれど、
どうにかしてシュルツさんと幸せになってくれないかなあ、って思っちゃった。



うーん、やっぱりどうにもテンションが上がりません(笑)。
とりあえず、"役者"としての大貫くんのステップアップが見れたのはとっても嬉しかったかな。
でも、次の舞台は是非踊りもしっかりの役柄で!
彼でなければ創り出せない、と誰もが思える舞台を期待しておりますv

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私も何度観ても心に響くものがなく、本来この作品が持っているであろう何かが感じ取れていません; 楽しめない訳ではないんですが、私の心の表面を滑ってるだけで入って来ないんですよねえ。。。

クリフは……「こうなりたいという理想があっても、そうなれない人」という印象でした。頑張って掴み取る/成し遂げる人もいるけど、世の中にはそれが出来ない人もたくさんいて、クリフはそういう人を表してるのかなあと……。難しい役ですよねえ;

諸星くんの活躍は凄いですよね! 10代の頃を知ってるだけに、今こうやって頑張ってる姿を見て、何だか感慨深かったです(笑)紀香さんも、よく声が出てるし、悪くはなかったと思います。が、どうしても歌から感情が伝わって来ない場合が多くて残念でした;

大貫くん、次は是非ダンスを……!!(;´д`)
to-ko
2012/03/27 03:15
to-koさん、こんばんは!
お返事が遅くなってしまいすみません。

そうなんですよ、楽しめないわけじゃないのに、
心の内側に届いてこないんですよね・・・
原因は演目そのものなのか演出なのかわかりませんが、
ポイントポイントは素晴らしい分、ちょっと残念な気分です。

でも、そう思いつつ何度もご覧になるto-koさんの愛!は素晴らしいv
きっと回を重ねるごとに深まってくる部分もあると思うので、
to-koさんの心の内側に入り込む舞台になることを祈っています。

大貫くんのクリフ・・・うーん、深いですね〜。
自分の頭の中で考えているだけだと、ぐるぐるしちゃうので、
to-koさんとお話できる機会があったらよかったなあ。
またお話できるのを楽しみにしておりますねv
恭穂
2012/03/29 21:53

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