瓔珞の音

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zoom RSS 風の中で叫べ

<<   作成日時 : 2012/05/06 19:39   >>

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GW最終日、寝坊して起きたら外が真っ暗で雷までしてたので、二度寝してしまった恭穂です。
観劇にお出かけしていろんな方と会うのもとっても楽しいし、
こんな風にひたすらごろごろと自堕落に過ごす時間も、私には必要なんですよね。

でもって、目が覚めてからもなーんにもする気がしなくて、
ベッドやソファでごろごろしながら、お友達に借りた本を読んで号泣したりしておりました。
いやもう動き回るよりも疲れるくらい泣けるってどういうこと?!
"優しさ"って、本でもお芝居でもドラマでも音楽でもテーマの一つとして感じられるもの。
でも、その"優しさ"が心の中に降り積もって、涙として溢れてくるようなものと出逢えることは、
ほんとに滅多ににないのだけれど、この方の本ではたぶん3回目。
一つ一つのエピソードが、花が綻ぶように色を帯びていって、
そして最後に満開の花の下に佇むような、そんな気持ちになりました。
とても、幸せな気持ちになりました。
彼らの未来に幸あれ、と心から思うことができました。



そして。
初めて生で観た"彼ら"の舞台にも、その容赦のない物語の中に、"優しさ"があった。
その"優しさ"によって起きる悲劇も、
"優しさ"を捨てられないために刻まれる疵も、
理解することの難しい"優しさ"も―――でも、その全てが、"誰か"に向けられたものだった。


TEAM NACS ニッポン公園
「WARRIOR 〜唄い続ける侍ロマン〜」

2012.5.3 マチネ 森ノ宮ピロティホール R列10番台

出演:TEAM NACS(森崎博之、安田顕、戸次重幸、大泉洋、音尾琢真)
    飯田隆裕、井上和茂、梅田喬、大野朱美、栗原寛孝、黒岩司、後藤祐香、菅原健志、田中温子、
    新田健太、広瀬諒人、松尾英太郎、宮川康裕、山崎雄輔、和田成正


TAEM NACSの舞台は、幾つかDVDで観たことがありました。
安田さんや戸次さんは、個人活動での舞台で観たことがあって、お二人とも大好きな役者さんです。
でも、TEAM NACSとしての舞台を生で観るのは初めて。
ちなみに劇場も初めてのところで、かなりドキドキしながらの観劇になりました。

桶狭間から本能寺の変、そして関ヶ原の戦いの直前の物語。
圧倒的なカリスマと容赦のない選択で天下統一へ進む織田信長(戸次重幸)。
豪放磊落な気性と底抜けの懐の深さで信長を支える柴田勝家(森崎博之)。
ひたすらに信長を敬愛し、それゆえに侍であることを己に課し続けた豊臣秀吉(音尾琢真)。
一人の男としての愛と武将としての想いの狭間で揺れる明智光秀(大泉洋)。
そして、信長によって家康の影武者に仕立て上げられ、戦国の世に翻弄される絵師・又兵衛(安田顕)。
彼らを中心に、彼らを取り巻く人たちの生き様を描いた物語は、
全てにおいて容赦のない真正面からのものでした。

この時代の勢力図や詳しい歴史の流れを十分に知らない私には、
どこまでが史実どおりで、どこからが脚色であるのかはわかりません。
正直なことを言ってしまえば、「それはありえないだろう!」と、
内心つっこみを入れたところも一度ではありませんでした。
けれど、そういうひっかかりも全て押し流してしまうくらいの、圧倒的な力があった。

なにより強かったのは、やっぱりNACSの五人の存在感。
私はNACSとしてのTV番組とかは観たことがないので、
彼らがどんな人物で、どんな役者なのかを良くは知りません。
会場のみなさんが笑っているのに、意味がわからないネタも幾つかあったし。
でも、このお芝居のそれぞれの役柄が、それぞれの個性というか魅力の一部を、
最大限に引き出しているのであろうことは感じられました。
(一部、というのは、きっといろんな"顔"を持っている人たちだと感じたから)

今回とにかく魅了されたのが、戸次さんの信長の孤独な覚悟。
落ち着いた色彩の多い舞台の中で。目立つ派手な衣裳やビジュアルのかっこよさもありましたが、
ビンっと響いてくるような低い声と、その冷たい表情の中にふと揺らぐ視線にちょっとやられました。
目的のためには手段を選ばず、情ですらあっさりと切り捨てるような信長。
けれど、それは彼の中に"情"がないということではなくて―――
彼の仕打ちは、又兵衛を翻弄し、光秀を追い詰め、秀吉の野心を掻き立てたけれど、
彼は、その全てを受け止める覚悟があった。
自分の言動が引き起こすであろう悲劇も憎しみも、それにより相手に刻み込まれるであろう疵も、
全てを自らの痛みとして、共に血を流す覚悟があった。
自分に従う命も、自分が奪う命も、自分に立ち向かう命も、全てを引き受ける覚悟があった。
本能寺の変で、秀吉の裏切りと太刀を浴び、自分を庇って命を失う濃と彼女を抱きしめる光秀の慟哭を聞きながら、
一人座り俯く信長の口元に浮かぶ淡い笑みを見たとき、彼の孤独に心が揺れました。
その後、自分を助けようとする又兵衛の手に刀を握らせ、自らの身体を貫かせたとき、
彼のわかりにくい、押し隠された、けれど確実に存在した"優しさ"と覚悟を見た気がしました。
こうすることで、彼は又兵衛の人生を歪めた責任をとり、
又兵衛が最初に奪う命となることで、又兵衛の覚悟を固め、
そして、又兵衛が家康として生きるための最後の迷いを振り払ったのだと。
そういう信長の造形が、私はとても好きでした。

そして、安田さんの又兵衛も、市井の絵師である一人の男が、
戦国の世と様々な思惑に翻弄されながら、"侍"となっていく姿を生々しく見せてくれました。
又兵衛がそれまで持っていた"常識"が全て覆される世界。
次々と襲い来る理不尽な状況の中で、恐れ、惑い、怒り、涙にくれる又兵衛は、
感情的に寄り添いやすいだけに、観ていて本当に辛くなる瞬間が沢山ありました。
オペラグラスを使わない私には、彼の表情の細かいところまで観ることはできなかったけれど、
台詞だけでなく、一瞬の間や佇まい、そしてあの慟哭が伝えてくる彼の感情は、
とにかく鳥肌が立つぐらいの力があった。
そして、又兵衛が"家康"になっていくその過程に、心底納得がいってしまったのでした。
なので、ラストシーンの彼の台詞、そして、彼がこれまで叫ぶことの出来なかった叫びに、
だーっと一気に涙腺が決壊してしまいました。
あんな風にあの台詞と叫びを届けてくれる安田さん、やっぱり大好きですv

大泉さんの光秀は、私のイメージする光秀とはちょっと違っていたのですが、
適度に笑いもとりつつ、ここぞというときには、すぱっと一瞬で纏う空気を変えてくる存在感に、
やっぱり凄い役者さんなんだなあ、と改めて思いました。
映像で観ることの方が多いけれど、もっと舞台にも出てほしいなあ。
光秀と濃姫の関係が史実としてどうなのかは私にはわからないけれど、
濃姫を取り戻すという目的とは別の次元で、光秀は信長の描く未来を共に視ていたのかも、と思いました。
だからこその、あの怒りだったんじゃないかなあ・・・
というか、美濃が焼き払われたことを知った瞬間の光秀に感じたのは、
怒りよりも悲嘆であったように思います。
信長との殺陣も、凄いかっこよかったです。
というか、あの階段状の舞台って、観ている分には凄い!って思うのですむけど、
実際にあの上での殺陣って、とっても大変だと思うのですよね。
まだまだ公演は続くようですが、ほんとにみなさんお怪我などされないように・・・!

音尾さんの秀吉は、思い返してみるととっても意味深な演技をされていたなあ、と思います。
信長に向かう複雑な感情の変化が、決してあからさまにではなく、でも確実に感じられたというか。
本能寺の変以降では、信長への言葉や表情の矛盾が痛々しいくらいだったけれど、
矛盾していると感じられる言葉の一つ一つが、彼の中では真実だったのかも。
なので、悪役という印象はあまりなかったかな。
彼が、あの選択をするのは、又兵衛が家康となろうとすることと同じくらい自然なことなのだと思う。
家康との戦の場で、信長(に扮した侍)の姿を認めたときのあの混乱、
きっと近くで観たら鬼気迫るものがあったんだろうなあ、と思います。
5人の中では、一番目にすることを少なかった役者さんなのですが、
機会があればまた見てみたいです。

そして、この舞台を統括していた(らしい)森崎さん。
彼の勝家は、お笑い担当!という感じで、前半はなんとも微笑ましい存在でした。
小学生みたいなギャグの連発にはちょっとついて行き損ねましたが(笑)、
彼の真っ直ぐで裏表のない笑顔や愛情が、信長にとってどれだけ大切なものだったのか、
信長が勝家に向ける一瞬の甘えに感じられて、なんだかほっとしてしまったのも確か。

森崎さんが原案を作り演出をしたこの舞台は、
いろんな意味でとにかく容赦のないものだと感じられました。
笑いも、悲劇も、一人一人の生き様も、全てが容赦なく、そして常に真っ向勝負という感じ。
観ていて辛い部分ももちろんあったけれど、決して後味の悪いものではなかったです。
むしろ風の中にいるような爽やかさがあった。
時に激しく、時に優しく、時に冷たく、時に凪いで、私たちの傍らを通り過ぎていく風。
そして、その風の中に立ち、歩いていく自分たち―――
題名になっている彼らの「うぉりゃああー!!」という叫びは、
逆風に向かうとき、順風に乗るとき、そして凪ぎから駆け出すとき、きっと私も内心で叫ぶと思う。
叫ぶことで、自分を鼓舞し、覚悟を決めることができるのかもしれません。

そんなこんなで凄い感動した舞台でした。
が、その後のカーテンコールで爆笑してしまい、ちょっと舞台の記憶が飛んでしまったかも(笑)。
音尾さん→大泉さん→戸次さん→安田さん→森崎さんの順で挨拶してくださったのですが、
いやもうそれぞれ舞台にも増して個性的で楽しいご挨拶で、
これは後になるほどハードルが上がるなあ、と思っていたら、
森崎さんがする挨拶のネタを戸次さんと安田さんが言ってしまうという悪戯があったらしく・・・
頑張れ、森崎さん!!(笑)
それにしても、「一人が挨拶しているときは他は微動だにしない」と最初に言っていた音尾さんが、
ほんとに最後まで無表情を貫いている姿に感動しました!(え)
ちなみに、話題になった「ピロティ」は、建築様式のことらしいです。
しっかり劇場のHPに書いてありました(笑)。
というか、あの劇場の下って遺跡なんだ?!
まあ、とりあえず、この公演を観た人にとっては「ピロティ」は多彩な意味を持つ代名詞ということで(笑)。

あ、そうだ、アンサンブルの方たちも、すごい頑張ってました!(付け足しみたいでごめんなさい!)
パンフレットには役名が載っていないので、どなたがどの役をされたのかわからなくて残念!
個人的には築山御前を演じられた方の凛とした佇まいと、
又兵衛を守るために戦場につっこんで行った二人の向かって左側の人の声がちょっと気になりましたv(笑)
濃姫役の方も儚い感じで素敵でしたが、所作がちょっと雑に見えてしまったのが残念。
でも、信長と一緒の舞は綺麗でしたv

舞台セットもや美術も、映像を駆使していて、わかりやすかったです。
薄い幕の向こうに人物を配する形の最後のシーンは、最初のシーンとリンクしていて、
ちょっと鳥肌が立つぐらいかっこよかったです。

とっても人気の劇団(?)で、多分自分では絶対にチケットは取れなかったと思います。
お誘いくださったななさん、るーくさん、ほんとにありがとうございました!
帰りの新幹線でのお喋りもめちゃくちゃ楽しかったですv
またぜひこんな機会を持ちましょうね!

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ですよねですよねでしたよね!
私にとっても7年ぶりのTEAM-NACSだったので(…)色々ドキドキでした
舞台に出た時の彼らのオーラと来たら!という感じでしたが。
確かにちょっと内輪ネタが多用されていて、初見の方には分かりにくい点もあったかと思いますが、恭穂さんも楽しめたようで良かったです♪
こちらでは東京公演を観てから改めて感想を書きたいと思います〜!
Rook
2012/05/07 21:39
Rookさん、こんばんは!
今回はお誘いくださってありがとうございました。
ほんとに、彼らのあのオーラは凄いですよね・・・!
ああいう存在感って、やっぱり舞台ならではかなあ、と思ってしまいます。
映像のお仕事も着実に皆さん頑張ってますし、
なかなか難しいとは思いますが、もっと舞台もやってほしいなあ。

Rookさんは東京公演もご覧になるのですよね。
感想、楽しみにしております!
恭穂
2012/05/09 22:09

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