通勤路の街路樹の百日紅が、日に日に綻んで花盛りを迎えています。 毎朝の楽しみなのですが、一つ疑問が・・・ ピンクの花の中に、1本だけ白い花があるんですよね。 植えるときに間違えたわざとなのか・・・? 他の木よりも一回り小さな白い花の百日紅。 でも、なんだか涼しげで凛とした雰囲気があってお気に入りだったりします。 さて、暑さに負けそうなここ数日ですが、体力のあるうちに観劇記録を!(笑)。 「ルドルフ ザ・ラスト・キス」 2012.7.27 マチネ 帝国劇場 1階A列20番台 演出:デヴィッド・ルヴォー 出演:井上芳雄、和音美桜、吉沢梨絵、坂元健児、一路真輝、村井国夫 他 というわけで、2度目にして最後の「ルドルフ」を観てきました。 今回は、なんと最前列センター! 目の前に塩田さんが!というお席でした(笑)。 先行抽選で当たったお席だったので、先行でこんなに良いお席がくるんだ?!と思う反面、 もしや最前列って思いっきり観難いんじゃ・・・?という邪推もありましたが(え)・・・ 結論としては、観難さはあるけれど、個人的にとても満足なお席でしたv 見える範囲は限られるし、階段の上は見上げても見切れちゃうというのはありますが、 やっぱり役者さんの表情をつぶさに観れ、そして声も生声に近い勢いがあるというのは、とても贅沢v ♪明日への道 なんかは、ルドルフを仰ぎ見ているうちに、 民衆の一人になったかのような臨場感がありました。 アンサンブルの方々も、この役をあの方が!とか、こんなところにあの方が!とかも、 いろいろ楽しませていただきました。 というか、前回は私、ほんとにアンサンブルさんを全然見分けていなかったのね(汗)。 物語そのものの印象としては、前回と基本的には変わりません。 でも、役者さんが近い分、舞台そのものよりもそれぞれの役柄に寄り添って観れた気がします。 井上くんのルドルフは、良い意味でとても普通の男に見えました。 実は、前回観た時、私の中では♪名もなき男 や♪行動すべきとき の彼は、ちょっと違和感があったのですよね。 このルドルフは"こう"なんだ、と思う反面、 ルドルフはこんなことは言わないはず!というインプリンティングされたイメージがあったの。 でも、今回の歌を聴いて、ルドルフの閉塞感とか無力感とか焦燥感とか・・・ そういうものがとてもクリアに感じられました。 だからこそ、マリーに出会って惹かれて行く様がとてもクリアで、 そして、「普通の恋でいいんだ」という言葉が、 ちょっと呆然としたような彼の表情と一緒に、すとんと私の中に落ちてきました。 彼の閉塞感は、環境だけではなく、その中で生きるために彼自身が作ってきたもの。 彼を縛り苦しめていた牢獄は、もしかしたら彼自身が造り出したものだった。 あの瞬間に、彼はその牢獄を出て、自分の中に残る一番大切なものに気付いたのかなあ・・・なんて思いました。 そんな風に感じたせいか、その後のマフラーを手にしての慟哭は、子どもみたいに頼りなげでやるせなかったし、 マリーと再会した後の喜びから、「毎日少しずつ殺されるなら・・・」の台詞までの流れも、とても滑らかでした。 和音さんのマリーも、2幕の♪それ以上の からの表情の変化が凄かったです・・・! 慟哭するルドルフを見つめる表情には、その前まであった幼さはまったくなくて、 強さはそのままに、とても大人っぽい印象を受けました。 1幕最後の♪二人を信じて は、その後の二人が思い浮んでしまって、 実は一人こっそり涙していたのですが、 2幕のリプライズでは、状況は悲劇的なはずなのに、むしろ1幕よりも幸せで満ち足りたように見えてしまいました。 最後のシーンも、角度的に見え方が違ったせいもあるかもですが、 すごく穏やかな気持ちになりました。 蝋燭をもった人たちが徐々に立ち去って、最後まで残るステファニーの表情の静かさも、 それを助長したように思います。 というか、前方席で表情までクリアに見えると、やっぱりどうしても感情はステファニー寄りになってしまいます。 彼女の言動は、ルドルフの感情を逆なでするばかりだったけれど、 彼女も、彼女自身が造り上げた牢獄の中でもがいていたんだろうなあ、と思う。 教会でのマリーとのシーン、大好きなのですが、 ここでのステファニーの涙が本当に本当に綺麗で・・・ そして、最後のシーンのステファニーの表情の静かさに、諦めでも茫然自失でも赦しでもなく、 真実を見つめ、受け入れ、その上でなおルドルフに向かう深い想いをみたように思いました。 彼女は彼女の方法で"皇太子ルドルフ"を愛し、守り続けるんだろうなあ・・・って。 そういえば、前回観損ねた、マリーとルドルフが出逢うシーンのステファニーですが、 舞台奥の階段の上からじっと二人を見つめているのですね。 表情は良く見えなかったけれど、綺麗な立ち姿がもの凄い存在感でした! 坂元さんのターフェは、最初から最後まで、要所要所で凄く意味深にルドルフを見つめているのですね。 見つめる、というよりも、彼を見定めている、と言う感じ? この状況で、この場面で、ルドルフがどういう行動をとるのかを、凄く冷静に観察している印象でした。 でも、それって決して敵を見る視線ではなくて、 ある意味ターフェはルドルフという男の力を認めていたんじゃないかな、と思う。 ♪明日への道 と同じメロディの♪栄光への道 を、地球を抱きしめながら歌うターフェを見て、 そんな風に感じました。 ターフェはルドルフという存在が、自分と共に世界を変えるものなのかどうか、 それとも自分の道を阻むものなのかをじっと見つめて、そしてその上で彼を切り捨てることにした。 万博でのルドルフの演説を聞きながら、仕方なく拍手をするターフェの表情には、 苦々しさだけでなく、ルドルフという存在を惜しむ感情もあったように思うのです。 だからこそ、彼は失脚したルドルフに、あの言葉をかけたのかな、と。 あの言葉は、ルドルフが普通の男として生きることを選ぶ最後のきっかけとなったのだけど・・・ やっぱり、最後のシーンで蝋燭を持たずに死に行く二人を見つめる姿の揺るぎなさが、 ターフェらしいなあ、と思ってしまったのでした。 一路さんのラリッシュ夫人は、近くで観るとルドルフとの複雑な関係性がとても印象的。 というか、一番最初のシーンで、ルドルフと絡んでいることに初めて気付きました(笑)。 しかも下手のボックス席にちゃんとマリーもいるじゃないですか!! このシーンって、いろいろなところでいろいろなやり取りがされているので、 もうどこを見たら良いのやら!と混乱してしまいました・・・でも楽しかった! この舞台、衣裳もとても綺麗なのですが(というか、最近前田文子さんの衣裳にやられっぱなしです!)、 舞踏会の時のラリッシュ夫人のドレスが、まさに戦闘着!という感じで素敵でしたv あれが似合ってしまう一路さんが素晴らしい・・・! アンサンブルさんのシーンは、どれもとても見ごたえがありましたが、 ♪行動すべき時 がとても好きでしたv このシーン、みなさんほんとに迫力のある歌を歌われるじゃないですか。 なので、見ていてちょっとルドルフに同情しちゃう感じもありはしたのですが、 男性5人の歌声の重なりに、うっとりしてしまいました(笑)。 港さんも照井さんも杉山さんもですが、個人的によろめいたのが原さんでした。 実はきちんとお顔を認識していなかったので(え)、この素敵な声の方は誰?!となりまして。 このときプログラムをもっていなかったので、夜にお会いしたお友達にお聞きして、 ああ、「三銃士」の二代目ロシュフォール!と(笑)。 船長さんもやっていたとお聞きして、そういえば素敵な声だったような、と記憶を掘り返しました(笑)。 原さんのロシュフォールは博多だけだったので見ることができなかったのですが、 見てみたかったなあ、とちょっと思いました。 ・・・て、そういえば、ロシュホールってほとんど歌わなかったっけ? 青山さんとひのさんのコンビも見ていてとても楽しかったですv 「CHICAGO」の時も思いましたが、「青山さんって、技あり!な演技をされますよねー。 でもって、間近で見ると凄いメイク!(笑) 歌声の記憶があまりないのが残念かなあ。 女性陣は、男性陣ほどクリアな配役はないのですが、 サロンのシーンでは、それぞれの人間関係を思わせる演技をされていて、細やかだなあ、と思いました。 ミッツィー役の樺島さんとルドルフのやり取りも興味深かったなあ。 互いに向ける気持ちの温度差というか・・・ルドルフ、やっぱりちょっと酷い、と思ってしまった(笑)。 今回、塩田さんが目の前で、観ている間気になっちゃうかなあ、と思ったのですが、 全然そんなことはありませんでした! 舞台に集中すると、はっきり言って全然気にならなかった! でも、ふっと気持ちに余裕ができたときには、 塩田さんと井上くんの間のコンタクトであるとか、 指揮しながら歌っている塩田さんであるとかもちゃんと堪能できて、楽しかったですv |
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