瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2012/08/09 22:50   >>

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立秋を過ぎて、朝の光がちょっと和らいだような気がします。
これから、私が1年のうちで一番好きな色の空の時期がやってきます。

真冬の、白く霞んだ青空も。
春の、曖昧で柔らかな青空も。
真夏の、光の濃いコントラストが闇を感じさせる青空も。
秋の、どこまでも高く澄んだ青空も。

どれもとても素敵で大好きですが、
8月の終わり、夏と秋の狭間、夏の濃さと秋の清澄さを併せ持ったこの時期の青空は、
いつまでもずっと見上げていたいと思ってしまうくらい、特別な色だったりします。

和らぎはじめた太陽と、まだ熱を孕む大地。
新しい季節を予感させる風。

この舞台を観て、私の大好きな青空が思い浮びました。


「songs for a new world」

2012.8.3 マチネ シアタークリエ 21列一桁台
2012.8.4 マチネ シアタークリエ 20列一桁台

作詞・作曲:ジェイソン・ロバート・ブラウン
演出:田尾下哲
出演:浦井健治、昆夏美、濱田めぐみ、米倉利紀


"新しい世界の扉を開ける14の物語"―――
そんなサブタイトルの付いたこのミュージカル。
米倉さんが出演されていることもあり、観る前は、
去年観た「I LOVE YOU, YOU'RE PARFECT, NOW CHANGE」みたいな感じなのかな?と思っていたのですが、
実際始まってみたら全然違っていてびっくりしました。
このミュージカルは、1曲=1シーンというか一つの物語、という感じなのです。
昆ちゃん演じるWoman1と米倉さん演じるMan2の歌は、一連の物語になっているようですが、
どんどん変わっていくシーンに、最初はどんなスタンスで観ればいいのか、ちょっと戸惑ってしまいました。
でも、その戸惑いも最初だけ。

白い枠と白い箱と照明で形作られる、時空を越えた様々な美しい空間。
4人の役者さんそれぞれが紡ぐ、その人の"人生"。
絡み合い、支えあい、共鳴する歌声が開く新しい世界への扉。

物語の中の、言葉としての曲ではなく、
曲そのものがこんなにも深く一つの物語として成り立つことができる―――
それを知ることができたことが、なんだか身体が震えるほどの喜びでした。

もう観劇から1週間経ってしまいますが、彼らが創り出した14の新しい世界を、
一つずつ記録していきたいと思います。


♪オープニング:ザ・ニュー・ワールド〜新しい世界〜
昆ちゃんの澄んだ歌声から、舞台は始まりました。
舞台の上に描かれた光の道。
並び、時に交差するその光の道の上で、出会い、すれ違う彼ら。
昆ちゃん、米倉さん、濱田さん、浦井くんと、一人一人の歌声が、徐々に重なり合っていくさまは、
本当に大迫力でした!
ちょっとマイクが負けてるんじゃないか、と思っちゃうくらい(笑)。
どなたの歌声も素敵でしたが、びっくりしたのが浦井くんのハイトーンボイス!
プログラムで、かつてない高音に挑戦中、と書かれていましたが、ほんとに凄い!
もちろん浦井くんの声の"色"はあるのだけれど、
一瞬、これ、誰の声?!って素で思ってしまいました。
「CHESS」のときは、彼の低音の魅力によろめいたのですが、高音も素敵ですねv
プログラムといえば、開演前に4人の対談を熟読してしまったので、
昆ちゃんが登場からプチトマトに見えて仕方ありませんでした(笑)。
他の3人もまさかそのモチーフ?と一瞬身構えましたが、そんなことはもちろんなく・・・
米倉さんは濃い朱鷺色のジャケット、浦井くんは青いハーフコート、濱田さんは黄色いトレンチコート。
まあ、あのモチーフだとみんな緑になっちゃうものねー(え)。
というか、この舞台、かなり衣裳替えがあって、且つそれがどれもみなさんにお似合いでしたv

♪1492年 スペイン船のデッキの上で
浦井くんのソロ。
最初に聴いたときは、大航海時代の曲なのかなあ、と思いました。
"新世界"へ向かう船の上で、まだ見ぬ世界への希望と畏れのないまぜになった慄き―――
でも、子どもたちの未来や、それを背負って最後までやり遂げようというような歌詞に、???と思っていたら、
これは、スペインを追われたユダヤ人が、生きるために新世界へ向かう、という曲でした。
2幕の1775年といい、歴史の知識があれば、もっと深く理解できたのかなあ(汗)。
暗い舞台の片隅で歌う浦井くんの表情は、私の席からでは陰になって良く見えなかったのですが、
その分歌声の感情が生々しく伝わってきたように思います。
2回目に観た時は、のっけから涙してしまいましたよ。
というのも、直前まで読んでいた「魔性の子」と私の中でシンクロしてしまって・・・
ラストシーンの泰麒も、こんな風に希望と畏れに慄いていたのかなあ。

♪たったの一歩
濱田さんのソロ。
夫に浮気された女が、ペントハウスのベランダの手すりに立って、夫に向かって歌う歌・・・なのかな?
いやもう、濱田さん、めちゃくちゃ迫力!
小道具は白い箱一個だけなのだけど、彼女のいる情景がまざまざと浮かんでくる感じでした。
細い手すりの上、前へ一歩踏み出せば、何もない空間。
後ろに一歩後ずされば、自分を裏切った夫とのきりのない衝突。
"死"という自由と、惨めな"生"(と、彼女は思っていたと思う)。
その二つのどちらを、最終的に彼女は選んだのかな?
個人的には、後者であるといいなあ、と思います。
というか、がーっと自分の気持ちを吐き出した後、
夫に三行半を突きつけて、すっきりと"新しい世界"へ旅立っちゃいそうな逞しさがありました(笑)。

♪何も恐れない
昆ちゃんのソロ。
ブランコに乗りながら歌う昆ちゃん、めちゃくちゃ可愛いv
大人の欺瞞に気付き始めた一人の勝気な女の子が、
初めての恋をきっかけに、守られていた暖かな巣から飛び立つ瞬間、という感じかな。
「私は何も恐れない」と、「彼は私を愛しているはず」と歌う彼女の表情は、
自分の前に広がる"新しい世界"への期待と、漠然とした不安に揺れていました。
「何も恐れない」ということは、「恐れるものがある」ということとイコールなんじゃないかなあ、と思いつつ、
そういう風に感じた瞬間が、私にもあったかもしれない、とちょっと懐かしい気持ちになりました(笑)。

河は流れない
米倉さんのソロから始まるこの曲。
舞台中央で歌う米倉さんの後ろで、シャドーマイムをする浦井くんが可愛らしくv(笑)
成功を夢見て突き進む男が直面する、"新しい世界"。
目指した未来と直面する現実の狭間で、自嘲の笑みを浮かべながら強がる自分、というイメージでした。

♪星と月と
濱田さんのソロ。
目の前に現れる"新しい世界"の入り口で引き返し続けた彼女が、
望んで手にした生活の中で見上げる、月―――というストーリーの曲。
最初に彼女が手にしていた光る白い箱を、他の三人が運ぶ白い箱がどんどん隠していくのに、
それに全く気付かずに歌う濱田さんの姿がとっても意味深。
♪たったの一歩 とはまったく違う、現実的で且つ無邪気なほどに欲望に忠実な女性の姿を
とてもチャーミングに見せてくれました。

♪彼女の涙
米倉さんのソロ。
シニカルに構えながら、恋することで変わっていく"世界"に戸惑う男、かな?
相手役の昆ちゃんがまたちょこちょこと動き回っていて可愛かったですv
というか、世の男性は女性をこんな風に見ているのかなあ、と思いました(笑)。
初回で観た時は、この辺りからやっと、昆ちゃんと米倉さんで一連のストーリーなのかも?と思い至り・・・

♪スティーム・トレイン/蒸気機関車
浦井くんのソロ。
バスケットボールで"新しい世界"を手に入れようとする男の物語、かな。
・・・浦井くんのバスケットボールの扱いがちょっと危なっかしくてハラハラしたりもしましたが(笑)、
自信満々な風の浦井くんと、それをこき下ろす(え)米倉さんの攻防が楽しかったですv
自らの才能で、栄光の未来に向かって突き進む彼。
それでも付きまとう、暗く重い過去。
明るい曲調と、浦井くんの笑顔の奥に、ふっと暗い影が刺すようで、
最後の「俺のこと知らないの?教えてあげようか」という台詞に、一瞬怖いくらいの空虚さを感じました。
ここで1幕が終わりなのですが、終わった瞬間、息をつめて見つめていたことに気付いてちょっとびっくりしてしまったり。


で、2幕。

♪世界は踊っていた
昆ちゃんと米倉さんのカップルの、別れを描いた曲、かな。
というか、"新しい世界"へ踏み出すことのできない男と、それを感じつつ信じて待つ女の曲。
男は結局無くすことを恐れて、婚約までした彼女の前から姿を消してしまうのだけど、
濱田さんと浦井くんが白いベールとブーケを持たせる黒いワンピースの昆ちゃんが、
なんというかひたすらに一途で健気で、
でも逃げ出しちゃう男の怖さもなんとなくわかって・・・ちょっと複雑でした。

♪スラバヤ・サンタ
濱田さんのソロ。
愛した男に導かれるまま、"新しい世界"にやってきた彼女。
でも、その世界に留まっているのは彼女一人。
愛した夫は、サンタクロースのように決して自分ひとりのものにはならなくて・・・というストーリー。
前の曲から引き続き花嫁仕様な昆ちゃんの人形振りと、
それに絡む濱田さんの温度差がちょっと皮肉な感じでした。

♪クリスマス・ララバイ
昆ちゃんのソロ。
自分の身体に宿った小さな命。
その命が導く"新しい世界"。
でも、それを守るための自分の手は、とてもとても小さくて―――
それでも、強くなろうと誓う自分と、不安に押しつぶされそうになる自分。
その揺らぎを歌う昆ちゃんは、初々しいのにとても深い愛情が感じられて、
涙を堪えることができませんでした。
で、やっぱりいつか昆ちゃんにはキムを演じて欲しいなあ、と思ってみたり。

♪キング・オブ・ザ・ワールド〜世界の王者〜
浦井くんのソロ。
かつて世界を統べ、"新しい世界"へ民を導いた王。
今は牢獄の中に捕らえられ、それでも自らの力を信じ、矜持を守り続ける王。
真っ赤な照明の中、堂々と歌う彼の姿はとても力に溢れ、魅力的で、
けれど何故かとても痛々しくて―――
彼の"罪"は、なんなのか。
彼は"新しい世界"から取り残されたのか・・・
この一曲に至るまでの背景が、もの凄く気になりました。

♪あなたさえいれば
昆ちゃんと米倉さんのカップルの再会の曲?
無くしたことで気付くかけがえのなさ。
彼女は彼が何を恐れ、何故姿を消したのかわかってたんだろうなあ、と思いました。
その上で、小さな命を育みながら、彼を愛した自分を信じて待ち続けたのかな。
抱き合う二人の身長差に、ちょっとときめきました(笑)。
が、サイトの楽曲説明を読むと、二人が歌う曲はまったく関係なさそうなの・・・
私的には、昆ちゃんと米倉さんのペアで一連の物語で、そしてハッピーエンドなのがとても嬉しかったんだけどな。

♪1775年 旗を縫う人
浦井くんが歌うテーマ曲から始まるこのシーン。
1曲目と同じメロディが、ドラムをバックにするだけで、まったく違う雰囲気に。
とてもかっこいいのだけれど、昂揚と同時に、なんだか凄い焦燥感を感じました。
そして、舞台奥へと進む彼とすれ違うのは、戦場へ向かう彼を見送る一人の母。
アメリカ独立戦争―――
"新しい世界"を切り開くために、命を懸ける彼。
そして、彼を見送り、案じ、涙を拭いながら彼のために唯一自分ができること―――星条旗を縫う母。
"新しい世界"。
その輝かしい未来の影に、常に在る、哀しみ。
これまでの濱田さんの曲は、あえて自分をさらけ出すようなリアルな迫力があったけれど、
この曲は、抑えようとして抑えきれない感情の迸りに圧倒されました。

そして、その流れで始まる浦井くんのソロ、♪故郷へ
戦場で消えていく命の灯。
恐怖も、痛みも、苦しみも、全てを脱ぎ捨てて空へと飛び立つ、彼の魂。
彼が向かうのは、故郷―――故郷へ残した母の元。
けれど、母が抱きしめるのは、彼の遺品である軍服で。
前の曲からの流れで、この辺はもう涙無しには見られない感じでした。
こういう曲の浦井くんの歌声って、やっぱり凄く好きだなあ、って思う。
ちょうど、「永遠の0」を読んだところだったので(映画も観たいなあ・・・!)、
飛翔する魂、というイメージが、なんだか痛いくらいに気持ちに切り込んできました。
時空を越えて飛翔する魂の前に広がるのは、確かに"新しい世界"だけれど―――

♪この歌を聴いて
"新しい世界"に一人取り残され蹲る魂―――あるいは彼。
孤独な彼に語りかける三人の、歌声。
歌の、力。
まさに、そういう感じでした。
彼らの歌声に導かれて立ち上がった彼―――浦井くんも加わって、
曲はそのままオープニングのテーマ曲に繋がって、
始まりと対を成すように昆ちゃんの歌声でこの舞台は終わるのだけど、
一連の曲―――新しい世界を旅した後だと、感じるものがずいぶん違いました。
4人の表情や雰囲気ももちろん全然違うのだけれど、観ている私自身のスタンスが変わったような。
ひとつ大人になったというか、階段を上ったというか・・・?(笑)
なんだかね、凄く前向きな気持ちになれました。
でもって、この旅を終えての結論は、「男ってやっぱり女よりロマンティスト」でした(え)。


それにしても、とにかく、ほんとに一つ一つの曲が持つ"物語"の深さに感嘆!
曲自体もとても耳障りが良かったし、やっぱり何より役者さんの歌の力が素晴らしかったのだと思います。
これ、DVDは無理でも、CD化してくれないかなあ。
音だけでもきっと世界が広がっていくと思います。
とりあえずN.YキャストのCDは注文してみたけど、やっぱりこの4人の歌声で聴きたいな。
東宝さん、お願いします!(って、ここで叫んでも/笑)

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