瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2013/02/17 20:46   >>

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二月最初(え)の観劇な週末から帰宅しました。
戸惑いと、混乱と、感動の二日間でした。
まだ、全然自分の中で消化できていないけれど、
この気持ちは今書いておかなきゃいけない、そう思います。
たぶん、めちゃくちゃ読みにくい文章になると思うけど、
今上演中の東京千秋楽に想いを馳せながら、この気持ちを、書きとめます。


「ロックオペラ モーツァルト」

2013.2.16 ソワレ ルージュver. シアターオーブ 1階10列40番台
2013.2.17 マチネ インディゴver. シアターオーブ 1階7列20番台

出演:山本耕史、中川晃教、秋元才加、鶴見辰吾、キムラ緑子、高橋ジョージ、菊地美香、AKANE LIV、
    酒井敏也、コング桑田、湯澤幸一郎、北村岳子、北原瑠美、上山竜司、栗山絵美、平田小百合、
    高橋竜太、大野幸人、青山航士、田川景一、千田真司、永野拓也、橋田康、東山竜彦、松之木天辺、
    明日香、香月彩里、清家とも子、塚越志保、丹波麻由美、平井琴望、松島蘭、松林篤美


この公演の最初の知らせを受けてから、
そして、アッキーと山本さんが交互にモーツァルトとサリエリを演じることを知ってから、
ずっとずっと楽しみにしていたこの舞台。
プレビューからご覧になっているみなさんの感想をちょこちょこ読みながら、
どんな舞台なのかなあ、とどきどきしながら、昨日のルージュver.東京楽が最初の観劇となりました。
アッキーのモーツァルトと、山本さんのサリエリ。
サイドではありましたが、前方の比較的観やすい席で、
このヴァージョンの東京楽ということもあり、客席も大変盛り上がりました。
重厚で示唆的なセット。
華やかな衣裳。
メロディアスな楽曲。
美しい照明。
力のある役者さんたちの、緩急織り交ぜた演技に歌。
とても、とても素晴らしい舞台だと思った。
その気持ちは本当。
なのに―――私の中には戸惑いだけが降り積もりました。

物語は、サリエリの語りで、モーツァルトが母とともにザルツブルグを発つあたりからその死までを描いています。
そう。
こちらの方が史実に忠実とはいえ、東宝版の「Mozart!」とほぼ同じ。
実際の書簡などの資料を基にしているからこその、同じような状況に同じ台詞。
そのことに気付くたびに、私の中に「M!」の記憶が甦りました。
甦って、その違いにばかり囚われた。
全然別物なのだと、ここにいる幼ささえ感じさせるヴォルフガングは、あのヴォルフではないのだと、
頭ではわかっていても感情がついていかなかった。
ストーリーというよりも、状況と感情をぽんと手渡されるような演出も、
物語を求める私を更に混乱させたように思います。
ああ、自分はこんなに「M!」に囚われてたのか。
そのことが衝撃で、今日のインディゴver.を楽しめるのか、不安にもなりました。

でも。

その不安は全くの杞憂でした。
今日のインディゴver.は、本当に私の感情を根こそぎ揺り動かした。
たぶん、昨日ツイッターでアッキーファンや観劇友のみなさんから、
いろいろ言葉を貰ったこともあると思います。
フランス版のミュージカルはそういうものだと、
ストーリーを追うのではなく、そのシチュエーションを受け取るものだと教えていただいて、
ああ、そういえばフランス版R&Jもそうだったなあ、と思ったら、なんだか素直に舞台と向き合うことができました。
そうしたら、楽曲そのものの持つ力や、観客に手渡される舞台の上の彼らの感情が、
もの凄く鮮やかで力に溢れたものに感じられて・・・「M!」を、まったく思い出さなかった。
昨日の今日でのこの変化に、また別の戸惑いはあったけれど、
でも、こんな風にこの舞台と向き合うことができて、
その素晴らしさを私の全部で受け止めることができて、本当に本当に良かった!
声をかけてくださったみなさん、ほんとにありがとうございました!


本来なら、ヴァージョンごとに感想を書きたいところですが、
そんなこんなの混乱がありましたので、とりあえず今日は役者さんの感想を。

まず、アッキーのモーツァルト。
前髪のちょっと長めな短髪で、まさに10代の少年、という感じ。
軽やかで、素直、というか純粋な印象。
内側から溢れだすような歌声は聴いている瞬間、本当に圧倒されたのだけど・・・
ごめんなさい。
ちょっと混乱のあまり、あんまり記憶がありません(汗)。
そのせいもあるのか、山本さんのサリエリの表情にとても魅了されました。
特に、彼が初めてモーツァルトの音楽に触れたシーン。
見開かれる目。
荒くなる呼吸。
それを、懸命に抑えようとして、それゆえに凍りつくほどの冷静さを纏ったサリエリ。
動揺も、嫉妬も、絶望も、理性で押さえつけて、だからこそ狂っていくバランス―――
♪痛みこそ真実 のシーンは、なんだか息をすることも忘れて見つめてしまいました。
自ら"苦悩"を求めるように手を伸ばす♪殺しのシンフォニー の、
全てをわかっていて、けれど手を伸ばさずにはいられない自分自身を嘲笑うかのような冷たい目。
そして、モーツァルトを失脚させたあとの混乱と自責の果ての、
モーツァルトとの最後の邂逅―――このシーン、このときは二人の声の響きに魅了されながらも、
ちょっと感情はついていけてなかったのだけれど、
天に召されるモーツァルトが、白い光の中両親と抱き合う姿を見つめながら、
その光の外側で闇に沈むサリエリの姿が、なんだかとても印象的でした。

そして、今日のインディゴver.
山本さんのモーツァルトは、なんとも繊細で冷静で賢い男に見えました。
自分の中に溢れる音楽に突き動かされるのではなく、
自分の中にあるものをしっかりと理解した上で行動している。
けれど、最初は若さゆえの無謀さが彼を挫折と喪失へ導き、
ウィーンでは、彼に追いつけなかった時代が、彼を拒んだ。
そんな風に感じました。
だからかな、前半の♪きみの胸のタトゥー は、
明るいメロディと軽やかなモーツァルトに最初は微笑みながら観ていたのに、
だんだんと彼の置かれた状況の厳しさや、彼を待ち受ける未来に、すっとその笑みがこわばりました。
パリの人たちがまた、にこりともしないんですよね・・・
うわー、モーツァルト、恋に浮かれてないで周りを見ようよ!って思っちゃった。
その後の母の死から、1幕最後の♪薔薇の香りに包まれて の流れは、
絶望を味わった彼が、更に冷静に自分自身を見つめ、未来を手に入れようとする決意のように感じられて―――
少年が大人になる瞬間を見ているような気持ちになりました。
その後、二幕のモーツァルトは、栄光の果ての失脚、そして迫りくる死すらも静かに受け入れているように思いました。

そんな大人な雰囲気のモーツァルトに対峙したアッキーのサリエリは、
モーツァルトを妬み、憎む気持ちと同じくらい、惹かれていたんだなあ、と思いました。
モーツァルトの音楽に初めて触れた瞬間の、苦痛とも歓喜ともとれるような表情。
♪殺しのシンフォニー での、苦悩や絶望、そして嫉妬にすら恍惚としているようなサリエリ。
まるで何かに―――そう、モーツァルトの音楽にとり憑かれて、
自分自身を見失っているように感じました。
サリエリの語りでモーツァルトの半生が描かれるこの物語の時間軸が、
この瞬間、現実の時間軸と一致したのかもしれません。
そんな彼が、ふと自分を取り戻す瞬間―――モーツァルトを失脚させ、
彼の音楽が貴族たちの侮辱の対象となったその瞬間に、
彼は自分がどれだけモーツァルトの音楽を憎むと同時に愛していたのかに気付いた。
"苦悩"に両足を捕らえられながら、それこそ憑き物が落ちたように、表情を変えるサリエリを見た瞬間、
ああ、彼は今やっと自ら紡ぎだした悪夢から目覚めたのだ、と思った。
そして、死の床に臥すモーツァルトに会いに来たサリエリが、
天へ召されるモーツァルトに向かって、素直な笑顔で「また会おう」と言った瞬間、
湧き上がる感情が、涙となって溢れ出てしまいました。
ああ、サリエリは、もしもまた嫉妬や絶望に苛まれようと、苦悩の淵に沈もうと、
モーツァルトと出逢うことを望むのだ。
彼の音楽と―――彼自身と向き合うことを望むのだ。
そう思ったら、もう涙を止めることができなかった。
また、サリエリを迎えるモーツァルトがまた、サリエリの葛藤も全部わかってる、
その上で、音楽を間に向かい合う相手としてサリエリを受け入れている、そんな感じだったんですね。
そして、最後、モーツァルトの楽譜を見つめながら、サリエリが浮かべた笑みと、
その頬に光る涙に、私も救われたような気持ちになりました。

この物語は、モーツァルトの物語であると同時に、サリエリの救済の物語でもあるのだと、そう思いました。


うーん、自分が今日受け取ったものを、なんだか上手く言葉にできません。
でも、今日のモーツァルトとサリエリは、私の中の深いところを揺り動かしたのは確かで。
でも、だからと言ってインディゴver.の方が好き、というわけではないと思うのです。
昨日はほんとに混乱していたので(笑)。
ので、次にルージュver.と向き合ったときには、また違う想いが私の中に生まれると思う。
それが、ほんとにほんとに楽しみですv

あ、もう東京楽も終わりましたね。
他の役者さんのことは全然書けてませんが、ちょっと力尽きた感じなので、今日はここまで。
最後に、昨日のカーテンコールの様子など。
昨日は、ルージュver.の東京楽でしたが、なんとオーブの最多観客数だったらしいです!
三階席までいっぱいでしたものね。
カーテンコールが一通り終わっても鳴り止まない拍手に、
着替えかけの山本サリエリとアッキーモーツァルトが出てきてくれたのですが、
二人が抱き合ったときに、山本さんがアッキーの頭をぽんぽんしてくれたのが、なんだかとても微笑ましくv
その後、「アッキーは前にもモーツァルトをやってるけど、難しかった?(だったかな?)」と尋ねた山本くんに、
彼の顔をじっと見つめながら、「全然別物」と言ったアッキーの口調がなんだか子どもみたいで、
同志でありライバルであり、そして兄弟のような二人に、なんだかほんわかしてしまいました。
この二人だからこそ、そして無謀ともいえる役代わりだったからこそ、
この舞台はこれだけの高みに到達したんだろうな、と思う。
そのことが、本当に、本当に嬉しかった。
そして、嬉しいと感じることのできた自分にも、嬉しくなったのでした。


「ロックオペラ モーツァルト」カンパニーのみなさん。
東京楽、おめでとうございます!
素晴らしい舞台を、ありがとうございました!
大阪に向けて、ちょっとはゆっくり休んでくださいね・・・って、無理かな?(笑)

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