瓔珞の音

アクセスカウンタ

zoom RSS 赤く染まる雪

<<   作成日時 : 2013/04/28 22:50   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

この連休、お仕事は午前中だけなので(明日は当直で〆だけど/笑)、
久々にお布団を干したり、お掃除をしたり、溜めてたDVDの録画を観たりして過ごしました。
今日は映画「SP」を2本続けて!
疲れたけど、おもしろかったー。
ドラマの「SP」は、洋さんが出る!というので初めて見て、
その回だけのつもりが予想外に面白くて、そのまま最後まで見ちゃったんですよね。
最終回の引きが極悪すぎて(笑)、映画を心待ちにしてたのですが、
そもそもあまり映画を見ない私は、公開されても2部構成じゃなあ、とあっさりスルー(笑)。
で、今回録画を一気見したのですが、私的には返って良かったかも。
ストーリーをそれなりに理解できたように思います。

でもって、ドラマもでしたが、映画も配役が豪華でしたねー。
谷田さんが出演されるのは知っていましたが、
めちゃくちゃ意味深で怖くてかっこよかったですv
「冬物語」、再演してくれないかな。
岡田くんも、さすが!な主人公ですね。
「図書館戦争」の映画が見たくなりましたv
でもって堤さんと香川さんの視線だけのやりとりの緊張感といったら!
その緊張の果ての表情に泣かされました。
それにしても、スーツ姿だと堤さんって着やせして見えますね。
先日観た舞台の着流し姿でのすらっとしているのにどっしりした印象とちょっと違っていて、
あれ?と思いました。
まあ、時期的にもずいぶんあいてますものね。

というわけで、無理やり観劇記録に突入いたします!


シス・カンパニー公演
「今ひとたびの修羅」

2013.4.20 マチネ 新国立劇場 中劇場 1階11列50番台

原作:尾崎士郎
脚本:宮本研
演出:いのうえひでのり
出演:堤真一、宮沢りえ、岡本健一、小出恵介、小池栄子、浅野和之、風間杜夫、
    鈴木浩介、村川絵梨、逆木圭一郎、村木仁、インディ高橋、礒野慎吾、前堂友昭、山森大輔 他


物語の舞台は、昭和初期の東京。
横浜から女とともに逃げてきた渡世人の小山角太郎(堤真一)は、
東京で世話になっている組の出入りに義理加担、敵対する組の頭を殺めてしまいます。
警察に追われた彼が逃げ込んだ先は、青成瓢吉(小出恵介)がお袖(小池栄子)と暮らす民家。
そこには瓢吉の父に恩義を受けた侠客、吉良常(風間杜夫)がたまたま訪れていました。
角太郎・・・飛車角の窮状を察した吉良常は彼を匿い、
彼が心配する妻・おとよ(宮沢りえ)に現状を知らせるためにお袖を走らせます。
なんとか追っ手を蒔いて、お袖の手引きでおとよと再会した飛車角。
その懐には、彼を兄と慕う宮川(岡本健一)が組から預かり彼に渡した逃亡資金がありました。
けれど、横浜と東京、二つの追っ手から女を連れて逃れることの困難さを知る飛車角は、
彼と一緒ならどこまでだって逃げられる、と縋りつくおとよにその金を渡し、自首します。
前橋刑務所に収容された飛車角。
しかし、足しげく通っていたおとよは、1年ほどで姿を見せなくなってしまいます。
「3年も、私一人では待てない」と言い残して。
3年後、出所した飛車角を待っていたのは、娼窟に身を沈めたおとよと、その隣にいる宮川の姿でした。
吉良常の気遣いを前に、湧き上がる怒りを抑え、二人の前から姿を消す飛車角。
三人の人生は、そこできっぱりと分かたれたかのように見えたが―――

というようなお話。
この三角関係と並行して、瓢吉とお袖、そして照代(村川梨絵)の三角関係が描かれ、
そして吉良常の人生が静かに存在し、
急速に変化していく時代の波の気配があり・・・
全体的な印象はむしろ静謐なのに、とても盛りだくさんな舞台でした。

もともと任侠ものは馴染みがなくて、描かれる渡世人の世界は良くわからなかったのですが、
この舞台はとにかく描かれる人物の生々しい体温というか、血の熱さに圧倒された感じです。

その筆頭が宮沢りえさん演じるおとよ。
飛車角を心底愛しながら、彼の不在に耐え切れず宮川に寄りかかり、
けれど、飛車角を前すると、もう彼しか見えなくなってしまう・・・底の見えない情と業を持った女。
登場シーンの、はっと目を引くような美しさと、
その後彼に縋りつく時の、狂おしいほどの愛しさに溢れた目。
そして、刑務所で飛車角が夢想する彼女の、彼を絡み取るようなしなやかな腕の白さ―――
よく、毒婦を蛇と譬えることがありますが、
おとよは本当に白い美しい蛇のように感じました。
というか、この刑務所のシーンの演出と照明、めちゃくちゃ良かったんですよねー。
妖艶なラブシーンなのですが、刑務所のセットが舞台の奥の暗闇に沈み、
広い舞台の上に残った二人を赤い照明の膜が遮り・・・
幻想のシーンではあるのですが、飛車角が知るおとよの本性―――
いつだって自分の全てで相手を求めて、いつだって誰かの肌が傍になければ寂しくていられない、
そんな彼女の業をもの凄く美しく見せてくれたなあ、と思います。
飛車角が唯一人の男で、なのに宮川に縋らずにはいられなかったおとよという女の、弱さと強さ。
それはもうどうしようもないことなんだろうなあ、と納得しちゃった感じ。
結局おとよは宮川と別れて(捨てられて?)、
吉良常の采配で、芸者として飛車角と再会するのだけれど、
彼女の一途さ(うん、いつだって彼女は一途だった)に一度は彼女を抱きしめた飛車角は、
再び彼女を置いて戦いの場へ行ってしまいます。
そのときのおとよが飛車角を呼ぶ声、そして「みんな死んでしまえばいい!」という叫びは、
直接私の心に飛び込んでくる感じで、共感は全然できなかったけど、何故か涙が零れました。


そんなおとよに翻弄される二人の男が堤さんの飛車角と岡本さんの宮川。
二人とももともと好きな役者さんですが、それぞれに色の違う男の魅力を見せてくれました。
飛車角は、俺について来い!という感じで、躊躇いもなく向き合ってくれる人で、
宮川は、自分の気持ちを押さえ込んで、でも相手のためにいつだって最善を考えてくれる感じ?
というか、宮川がほんとに大事に思ってたのって飛車角なんだろうなあ、って思う。
飛車角の愛する人だからおとよを守り、
飛車角がそう言って欲しがっているのがわかったから「おとよを愛している」と言ったのかな、って。
そう覚悟を決めて言った直後に、おとよは飛車角を追って行ってしまって、
結局最後の最後まで宮川は受身な感じなのだけど、
でも、それを徹底する強さのようなものが見えて、素敵でした。
それにしても、冒頭と最後の殺陣、かっこよかったなあ・・・!
堤さんも岡本さんも、それぞれのイメージに合った動きで、もうどっちを見たらよいのやら!と思いました(笑)。

もう一つの三角形は、この三人よりもじれったい印象。
小出くんの瓢吉は宮川とは全然違う"受身"で、煮え切らないし、
小池さんおお袖は、とにかく耐え忍ぶ感じだったし、
村川さんの照代は、素直になりきれない聡明さが痛々しかったし・・・
個人的になんとなく共感できたのは照代なのだけど、
心惹かれたのはお袖の在り方の方だったかな。

というか、小池さん、めちゃくちゃ綺麗!!
おとよとは異なる静かな美しさで、仕草や表情に、時々はっとするほどの情を感じるの。
彼女を探し出した黒馬先生に、瓢吉が来ている、と告げられた彼女の前を見つめる表情も良かったなあ。
で、意を決したお袖がぱっときびすを返した瞬間、零れ落ち飛び散った涙が照明にキラキラと光って、
うわー!と思いました。
こういう瞬間って、やっぱり舞台ならではですよね。
で、その後の瓢吉との再会のシーンも、抑制の果てに発露した彼女の感情が余りに鮮やかで、
ちょっと大泣きしてしまいました。
で、同時に、瓢吉駄目駄目じゃん!って思ってしまった・・・
いや、ちょっと一瞬怒りに似た感情が沸いちゃいましたよ(笑)。
お袖が、怒りよりも諦めと嘆きの方が強かっただけに余計に。

村川さんの照代も良かったなあ。
凄く余裕のあるように振舞ってるけど、それって彼女の精一杯の強がりなんだよね。
それがわからないまま甘えてる男共って!!と、やっぱりちょっとイライラしました(笑)。
お袖の存在を知っていても、照代は瓢吉を手に入れたかったんだろうなあ。
でも、実際にお袖と対峙して、瓢吉の気持ちもわかってしまって、
自分から二人の関係に幕を引いた彼女は、ほんとにかっこよかったです。

小出くんの瓢吉は、ほんとにおぼっちゃん、という感じ。
正直、どうしてこんないい女が二人も彼を欲するのか、この舞台では私にはよく理解できませんでした。
ほっとけない感じが女心をくすぐるのかな?(笑)
原作は彼の成長物語のようなので、それを読めばわかるのかもしれませんね。

でもって、実は瓢吉の仲間の横井がめちゃくちゃツボでしたv
鈴木浩介さんって、初見かな?と思ったら、「その妹」で拝見してました。
このときは、割と静かな役柄だったので、今回のテンションが高くて才気走った感じと重ならず・・・(笑)
でも、その才気走った感じがとっても良かったですv
登場シーンや、刑務所の独房などの動きの大きいシーンも目を惹かれましたが、
それ以外のシーンでも、すっと周りを観察するような冷静さも感じられて、おお!と思ったり。


浅野さん演じる黒馬先生はさすがの存在感!
最初は何事?!と思いましたが(笑)、瓢吉たちが語る以上の背景を見せてくれた感じ。
若者たちに対しておせっかいなこともするのだけど、
全てを導くのではなくて、きっかけを与えた上で、見守っているような・・・
でも、凄く激しいものも持っているのね。
それが凄くかっこよかった!

そんなこんなで、とにかくかっこいい登場人物の多い舞台なのですが、
実は私が一番よろめいたのが、風間さん演じる吉良常だったりv
いやー、あの渋さと情の深さときっぷの良さはとんでもないです。
それを穏やかな佇まいのオブラートに包んでいて、でも時々見せる鋭い視線に、
吉良常が潜り抜けてきた修羅場が感じられました。
いやもうお袖さん、吉良常に嫁げばいいよ!と思いましたもの(笑)。
部分的に凄い頑なさも感じられる役柄なのですが、
たぶん、瓢吉の父に対する想いって、吉良常には譲れないものだったんだろうなあ・・・
彼の最後の選択は、私的には受け入れがたいものでしたが、
彼の生き様の果てとしては、納得するしかないのかな、と思いました。


でもって、この舞台、盆をこれでもか!と活用した演出と照明が素晴らしかったです。
そういえば、前にシス・カンパニーといのうえさんが組んだ「牡丹燈籠」の演出もそんな感じでしたね。
今回は、更に写実的な部分と幻想的な部分が綺麗に絡み合っていて引き込まれました。
前述の刑務所でのシーンもそうですし、
2幕後半、飛車角とおとよが向かい合う浜辺のシーンも良かったなあ・・・!
でもって、ラストシーン、抱きしめあう二人に降り続く雪が、真っ赤に染まっていくのが本当に綺麗で・・・
二人が、この後どんな未来を選択するのか、この舞台では描かれていません。
でも、きっとこの二人は、常にこの赤の気配をまとうんだろうな、と思った。

それは、流された血の色。
おとよの持つ業の色。
そして、二人を繋ぐ絆の色。

熱くて、生々しくて、罪深くて、でも目が離せないくらい美しい。
ああ、それってまさにおとよのイメージだなあ。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
恭穂さま
ナルホド〜。
「今ひとたびの修羅」はとても楽しみにしていた作品
だったのですが、ワタシ的には期待が大きすぎたかなぁ
と思っていたところ、恭穂さんのステキなレポのお陰で
もう一度観たくなりました(笑)。

そうそう、あの刑務所の幻想シーンはとても色っぽくて
美しかったですね。
堤さんとりえちゃんだからこそ出せた雰囲気だったのかも。
そして最後の雪のシーンには全く同感です。
「赤の気配をまとう」という表現、ステキですね。
スキップ
2013/05/02 09:30
スキップさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
この舞台は、美しいシーンが多くて、
原田さんの照明の大ファンな私は大満足でしたv
特に、刑務所のシーンと最後の赤い雪のシーンは圧巻でした。
堤さんとりえちゃんの組み合わせは「人形の家」以来でしたが、
当然ながら全く違った雰囲気で素敵でした。
またいつかこの二人の新たな関係を見てみたいです。
恭穂
2013/05/02 21:21

コメントする help

ニックネーム
本 文
赤く染まる雪 瓔珞の音/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる