瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2014/01/30 21:44   >>

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1月もあと1日ちょっと。
毎年のことですが、1月2月って過ぎるのが早いですよねー。
3月は遊びも仕事も怒涛なので、早め早めにと計画を立てながら動いていますが、
当然ながら予定通りには行かず・・・焦燥感をそこはかとなく感じております。
って、そこはかとなく、というところが既に問題か(笑)。
でも、通勤路の辛夷や木蓮、梅の蕾が少しずつ大きくなっていくのを見ると、なんだか気持ちがほっこりしますv
今年の佐保姫はせっかちさんなのかのんびりさんなのか・・・
ユニゾンさんのツアータイトルを考えると、のんびりさんの方がいいのかな?
リアル"桜のあと"になっちゃうし(笑)。

さて、私にとって春の花のようにあまやかで凛とした大好きな役者さんの復帰舞台を観てきました。


「プロパガンダ・コクピット」

2014.1.25 マチネ IMAホール F列20番台

脚本・作詞・作曲・演出:藤倉梓

出演:鎌田誠樹、田村良太、神田沙也加、五十鈴ココ、菊地まさはる、川口竜也、神田恭兵、石原慎一、、
    奈良坂潤紀、梶雅人 +月組


物語の舞台は、20年前の戦争で二つに別れてしまった国家。
共産主義のヒガシと資本主義のニシ・・・の間、地雷原の真ん中に取り残された小さな村、プロパガンダ・コクピット。
二つの国を分ける高い塀の傍で、3発の銃声が鳴り響いたタナバタの夜、その村に二人の兵士が迷い込みました。
ヒガシからの脱走兵と、何故か記憶を失っている若い兵士。
塀の上でであった彼らは、互いを「センパイ」(鎌田誠樹)、トリオ(田村良太)と呼び合い、
国境を抜ける"自由の扉"があるというプロパガンダ・コクピットへ足を踏み入れます。
そこには、二つの国の狭間で、そこから立ち去ることも許されずない村人たちが、
独自の生活習慣の中で明るく楽しく全力で暮らしていました。
奇妙なテンションの村人=コクピッターズに圧倒されて、ついつい威嚇して逃げ出そうとした二人は、
けれど結局コクピッターズにつかまってしまいます。
そして、コクピッターズがこれまで自由の扉を使って迷い込んだ亡命者を逃がしてきたこと、
しかし今その扉は壊れていることを知らされます。
コクピッターズの勢いに飲まれるように、その生活に巻き込まれ、戸惑いつつ馴染んでいく二人。
けれど、村の外では、二つの国が発砲の責任を擦り付け合い、一触即発の状態。
プロパガンダ・コクピットに隠された秘密、迷い込んだ秘密を巡って、
今まさに二つの国が村に踏み込もうとして・・・


という感じの物語でした。
藤倉さんの作るミュージカルを拝見するのは初めてでしたが、
なんというか映像的? いや、アニメ的な印象の舞台だったかな、と。
最初はちょっと戸惑いましたが、流れに身を任せてしまったら、とっても面白かったです。
まあ、最初はとにかく出演者の多さと勢いにびっくりさせられっぱなしでしたが(笑)。
いえ、とにかく出演者が多いので、PGCのシーンでは客席が揺れるんですよ(笑)。
始まり方が割と静かな感じだったので、緞帳が上がって踊り狂うコクピッターズが目に入ったときは、
ものすごいびっくりしました・・・
♪プロパガンダ・コクピット をはじめとした、数々の曲が、また耳に残るんですよねー。
一瞬「阿波踊りかこれは?!」と思ってしまいました(笑)。
1幕は客席降りもありまして。
中通路前の席だったので、後ろの柵にセンパイな鎌田さんが寄りかかって喋ったときは、
その美声にちょっとうっとりしてしまいましたし(笑)、
♪コクピッターズ・モーニング での行進(?)は、こっそり混ざりたくなっちゃう楽しさでしたv

センパイ役の鎌田さんは、これまでも何度か拝見しているはずなのですが、
台詞を言うときのかっこいい声が、歌になると仄かな甘さを帯びるのがとても印象的でした。
トリオの存在や、コクピッターズの日常に、びっくりしたり振り回されたり戸惑ったりしながら、
でも最終的には受け入れて気がついたら馴染んじゃってる人の良さが素敵でした。
沙也加ちゃん演じるユズにメロメロになって、でも軽くあしらわれちゃってるところとかも可愛らしくv
でも、冒頭のシーンや、♪タナバタ物語 などのソロ、
そしてヒガシ軍の長官なモトカノと対峙するシーンでは、
亡命を選択するだけの譲れない覚悟のようなものも感じられて、
その静かな声の強さにはっとしました。
トリオな田村くんとの声の重なりもとても聞き応えがありました。

トリオ役の田村くんは、去年のレミのマリウスを観ているのですが、
マリウスにちょっと通じるような頼りなさと切実さと強い思いが感じられました。
鳥が大好きで、鳥語もマスターしていて、
広い世界のたった一つの島にしか存在しないモーリシャスチョウゲンボウに思いを馳せ・・・
記憶をなくしている、という足場の不確かさと、
それでもなお感じられる彼本来の優しさや、彼の中に積み重なった淋しさ、
そして結構したただよね、トリオ!というところがなんとも鮮やかで微笑ましくv
ユズともほんとに普通に鳥語によって繋がったお友達、という感じで、
そのさっぱりとした二人の関係が、見ていてとても楽しかったです。
そして、終盤、記憶が戻ってからの表情の変化も良かったなあ・・・!

というか、この終盤の謎解きは、とにかく加速度的な勢いがあって引き込まれました。
これまでのシーンを、時を遡るようにして別の角度から見ていく(演じていく)ことで、
隠されていた秘密や伏線が明らかになるのですが、
それまでほぼ固定されていた舞台セットを大きく動かすことで、
文字通り"違う角度"から客席に提示する、という演出には思いっきりびっくりしたしワクワクしました!
これ、ものすごく綿密にシーンを作りこんであるから、役者さんたちは大変だったろうなあ、と思いました。
それぞれのシーンでちょこっと引っかかっていたところが、ちゃんと伏線だったのは嬉しかったな。
もちろん拾い切れていない伏線もたくさんあったので、
もし2回観れたら、そういう目で見ることができて、もっと楽しかったろうな、と思います。
それはちょっと残念!
あ、もう一つ残念だな、と思ったのは、1幕のセンパイとトリオの歌が伏線になっていたこと。
二人が違う歌詞を重ねて歌うシーンで、片方の歌声が聞こえないくらい小さくて、残念だな、と思っていたら、
その歌詞がまさに秘密の核心に近いこと(でも割と早い時期にそこはかとなくわかるようにはなってた)で・・・、
という演出は、個人的にはちょっとなー、と思ってしまいました。
なんというか、ミステリーで作者が意図的に隠した要素を最後にぽんと出してくるような感じで、
ちょっとフェアじゃないんじゃないかな、と。
まあ、これは私の個人的な好みの問題なので、
こういう風に音響そのものを使う演出というのも、また新しいのかもしれないですけどね。

他にもいろいろ気になる点はありましたが、でも最終的には面白かったし、
何より最初と最後のシーンが同じ台詞でありながら、全然訴えかけてくるものが違うというのが、
個人的には凄い好みで、思わず涙しそうになっちゃいました。
もちろん、それは、そこに至るまでの物語の力があってこそで・・・
そして、私的には、なによりユズの在り方がそう感じさせたのかな、と思います。

神田沙也加ちゃんは、WIWの初演のローラで惚れ込んで以来、私にとって特別な"夢の少女”で。
だから、自分のやりたいことを頑張っている彼女を遠くからこっそり応援はしていたけれど、
舞台の上の彼女を観ることができなかったのは、やっぱりちょっと淋しかった。
なので、今回の舞台復帰は、本当に本当に嬉しくて!
実は今回の観劇も、直前に熊さんを振っての観劇だったのでした(笑)。
なので、実は冒頭、舞台の上にユズな沙也加ちゃんを見つけたときには、
その笑顔になんだかちょっと涙が出そうになりました。
うん、彼女のこういう生き生きとした笑顔が見たかったんだよね。
なので、ユズがでているシーンでは、ユズに目を奪われてて、余計に伏線を見落としてました(笑)。

ユズは、語学マニアで何ヶ国語も喋れて、PGCの放送局のてっぺんで二つの国の音や情報を拾い続ける女の子。
その情報を記録し、村人に向かって発信し、けれど、この閉ざされた世界の中では、
書き留めた情報は、決して生きた"知識"にはならないことも知っている―――そんな、女の子。
明るくて、可愛くて、村のアイドルで・・・でも、空に一番近い場所で一人遠くを見つめ続ける少女。
彼女の存在は、たくさんの個性的なコクピッターズの中で、決して派手に目立つものではなくて、
でもだからこそ、ふとした瞬間に彼女が見せる表情一つ一つの意味を、考えずにはいられなかった。
役を生きる彼女の表情には、それだけの力があると、私は思っているので。
そして、最後のシーン。
二つの軍に追われるセンパイとトリオを自由の扉の近くまで案内し、
けれど、二人のどちらかと共に扉を通り抜けるのではなく、
二人に願いを託して、二人を送り出すユズの笑顔には、胸が痛くなるほどの決意があった。

国境を越えることのできる秘密の通路―――自由の扉。
"自由"への手段内包しながら、けれどそこから立ち去ることを選ばないコクピッターズ。
それは、恐怖や惰性や諦念の果てなのかもしれない。
扉の向こうの別の世界へ踏み出すことよりも、
馴染んだ巣の中で賑やかな夢を見続けることを選んでいるのかもしれない。

でも、ユズは違うと思った。
彼女は、この村の、あの空に近い場所で、真に中立的な存在としてあり続けることで、
二つの国を見つめ続けることで、世界に関わることを選んだのだと思った。
逃げずに、揺らがずに、ただ静かに見つめ続ける―――
それは、どんなに淋しいことだろう。
見えない不確かな未来は、どんなに心細いことだろう。
でも、彼女は信じることを選んだ。
信じて、待ち続けることを選んだ。
そのことが、ユズのそれまでの言葉や表情とともに、なんだかすとんと胸の中に落ちてきた気がしました。

・・・一度しか観ていないし、かなり自分勝手な解釈になってしまっているとは思いますが、
でも、そういう役を演じる彼女を観ることができて、
その澄んだ歌声を聴くことができて、
綻ぶ花のような笑顔を見ることができて、
一ファンとして、本当に幸せな時間でしたv


他の役者さんのこともちょこっと。
ヒガシ軍の長官役五十鈴さん。
ヒガシの国の実質的な執政者であり、一人の母親でもあり、弱さを抱える女でもある、という揺らぎのある役柄を、
時にコミカルに、時にかっこよく、時に情感豊かに見せてくれました。
部下の少尉(川島大典)との関係性もきっと作りこんであって、楽しかったなv

ニシの指揮官は菊地さん。
ものすごく分かりやすい悪役で(そういう歌もありましたv)、姑息な策略でヒガシを陥れようとするのだけど、
時代劇の悪代官みたいなからっとした雰囲気が素敵でしたv
そして、パトラッシュ(という名前の白い仔犬のぬいぐるみ)と会話したり、
ラスカル(っぽい)ぬいぐるみを軍服の肩章止めに使っていたりとお茶目なところも可愛かったです(笑)。

ユズの父ちゃんで、PGCの料理人は川口さん。
ジャベールとはまったく違う役柄なのですが、
どこか通じる"人情"が感じられたのは、川口さんのお人柄なのかな?
センパイとのシーン、しみじみしちゃいました。

PGCのエンタメ担当なスター役は神田くん。
隙なく創りこんだアイドルっぷりと、相変わらずの素晴らしい歌声に聞き惚れちゃいました。
個人的には2幕のユズが歌うシーンで、セットの上方でノリノリだった姿がお気に入りですv(笑)
彼の過去は途中で語られるのだけれど、
彼が何故亡命に失敗したのか(扉を抜けなかったのか)が分からなくて、それがちょっと心残りです・・・

PGCの秘密の財源な鉱石の採掘担当は石原さん。
多分初見の役者さんなのですが、とにかく歌声のパワフルさとかっこよさにびっくり!
いやもうほんとにいい声で、こっそり思いっきりテンションが上がってました(笑)。
もっと歌って欲しかったなー(笑)。

そのほかの役者さんも、みなさんそれぞれ個性的で。
というか、当然のことなのだけど、多分ちゃんと役作りをしていたのでしょうね。
舞台上でいろんなことをやってらして、気になるけど見てられないー!!というところがたくさんでした。
うーん、やっぱりもう1回見たかったなあ。
いつかまた再演、ということもあるかと思いますので、
そのときは最低2回、観にいってみようと思います。
あ、もちろん沙也加ちゃんのユズは続投で!

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