瓔珞の音

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zoom RSS 不確かな定義

<<   作成日時 : 2014/04/23 21:40   >>

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朗読劇を見るたびに、いつも思うことがあります。

「朗読劇」の定義ってなんですか?

いやだって、これまで観た朗読劇は一つとして同じスタンスのものがないのです。
共通点といえば、台本を持って舞台の上で演じられている、ということだけ。
それだけ自由なジャンルなのかなあ、と思いつつも、
見に行くたびに頭の中に?が浮かぶのも確かで(笑)。

で、今回。
歌、しかも懐かしのJ−POP(だけではないですが)が盛り込まれたこの舞台は、
私の頭にやっぱりたくさんの"?"と、そして一つの答えを生み出してくれたのでした(笑)。



「あの日、星は重かった」

2014.4.19 マチネ 天王洲銀河劇場 1階B列20番台

作・演出:藤井清美
出演:中川晃教、小野大輔、仁藤萌乃、西村直人、小林美江、高橋由美子



最近、チケットはとったもののどんな舞台か全然チェックせずにいて、
劇場に行ってびっくり!というパターンの多い私ですが(笑)、今回もその例にもれず。
アッキーが出る朗読劇、ということだけしか頭になかったので、
共演者の小野さんの名前に見覚えがあるなあ、と思いつつ、
小野さんが「夜桜四重奏」の恭助さん役の方だということに思い至ったのは、当日の朝でした(汗)。
で、行きの新幹線で「ハナノウタ」を聞いていて、
ツイッターで「今日の舞台は歌があるのかなー」と呟いた私・・・
今プログラムを見直して「歌と朗読で綴る男たちの友情と、「彼女」の物語」という副題がついていることに、
やっと気づきました(笑)。
ちゃんと「歌」って言葉が入ってるじゃん!
いやでも、私の中のこの時点での朗読劇の概念に歌はなかったんですよ・・・のできっと不可抗力(笑)。

そんなこんなで、準備不足もといまっさらな状態での観劇になりましたが、
豪華な共演者さんに驚き(え)、出てくる歌に驚きつつ大喜びし、なかなかに楽しい観劇となりました。

物語は、小学校から大学まで共に過ごした(高校は別だけど関係は続いてた)、
良輔(中川晃教)と直樹(小野大輔)が10年という時を経て、
家電メーカのお客様相談室係と苦情の電話を入れたお客様、という関係で再会することから始まります。
それぞれの抱えた問題を隠したまま、ぎこちなく旧交を温める二人。
二人の脳裏に浮かぶのは、出会ったころからの色々な思い出。

些細なことで張り合いながら、いつか地球を救うヒーローになろうと誓った小学生のころ。
好きな相手の名前を口にするだけでときめいた中学生のころ。
高校生の良輔を襲った挫折。
その直後に二人が出会った不思議な雰囲気の一人の少女。
大学生になった三人が見上げた星の輝く夜空と、迫りくる未来―――そして、突然の喪失。

喪失を抱えたまま、いつしか会うこともなくなった二人が再び出会うことで、
それぞれがその喪失と、そして目の前にある"今"と向き合い―――

そういう物語を、その時々のヒットソングで彩りながら6人の役者さんが紡いでいく、というものなのですが、
その楽曲がめちゃくちゃ豪華!なんですよ。
上記の理由で、いきなり歌が始まった時には「何事???」と思ったのですが、
それを過ぎたら、物語の中に違和感なく溶け込む曲に、なるほどなー、と思ったり、
その選曲に大うけしたりしておりました。
いやー、まさかアッキーがB'zやチャゲアスを歌うのを聞ける日が来るとは!(数フレーズだったけどね/笑)
恋に浮かれた二人が、いろんなラブソングを数フレーズずつ歌うというシーンなのですが、
どれも懐かしい曲で、おおお!と思いました。
♪君がいるだけで とか、すごいめちゃくちゃ久しぶりに聞いたよ。
あの頃米米すごい好きだったんですよねー。
他の曲は今でもわりと聞く機会があるものなので、そういう驚きはなかったのですが、
歌う二人がかなり楽しそうで、見ていて私まで嬉しくなってしまいましたv
でもって、最初の方でアッキーがサークル活動(?)で歌う曲がかっこいいなあ・・・!と思っていたら、
菅野ようこ子さん作曲の歌でした。
♪聖剣のアクエリオン って、もしかするとどこかで聞いたことがあるかもなのですが、
アッキーと西村さんと小林さんの歌声がまた素晴らしくて、一気にテンション上がりましたv
西村さんの歌声、かなり好きなんですよねー。
フルコーラス聞きたかったなあ(笑)。


物語としては、なんというかとても理不尽な物語だなあ、というのが見終わってすぐの印象。
思い返してみても、ちょっと納得のいかない部分とか、
タイトルも含めて力技だなあ、と思う部分もあるし、
あることが明確になった後にその前のシーンのセリフをもう一度繰り返す、という手法も(何度かあった)、
確かに違う響きや意味合いを含んでくるのもよくわかるけど、
もうひとひねりほしかったなあ、という気もするのですが(PGCほどじゃなくてもね)、
でも、ある意味実験的な舞台、というスタンスで見てみると、
かなり面白い舞台だったなあ、と思います。

その大きな理由の一つが、やっぱりアッキーと小野さんの在り方だと思うんですね。

アッキーは、台本は持っているけれど、朗読をしているというよりも、
まさに全身で良輔になっている、という感じ。
対して小野さんは、私のイメージ的には正統派な朗読。
動きや表情の変化ももちろんあるのだけれど、基本的には"声"で演じている。
11歳の少年のシーンでも、声や台詞回しを大きく変えているわけではないのに、
すごく自然に"11歳の直樹"が思い浮かんでびっくりしました。
アッキーは声も動きも表情も変えてきているのとは対照的。

歌への向き合い方も違ってたかな。
アッキーはやっぱり、その曲を完全に自分のものにしていたと思う。
それは、曲の魅力を損なうことなく、でも、新しい魅力を見せてくれた。
小野さんは、その曲そのものの魅力をまっすぐに見せてくれた感じかな。
とても丁寧で誠実な印象。
そんな風に対照的な二人の演技であり、歌声が、
そのまま良輔と直樹という人物の在り方に重なる感じがして、見ていてとても面白かったです。


久々の由美子さんは、直樹の婚約者はるかの役。
過去の喪失を引きずって、自分と向き合ってくれない直樹に対する、
苛立ちと、怒りと、悲しみと、愛しさと―――そういういろんな感情を、
台詞で、歌で、表情で、しっかりと見せてくださいました。
♪カブトムシ から♪誰より好きなのに の流れは、ほんとにそのままはるかの言葉のように聞こえた。
ほんとにもう最初から最後まで、直樹ははるかに甘えてたよなあ、と思ってみたり(笑)。

そうそう。
冒頭の二人のけんかのシーンは、見事にマロンにすべて持っていかれてたように思います(え)。
マロンは二人の飼い犬なわけなのですが、演じた小林さんが素晴らしくて!!
普通に立って台本を見ての最初の一声に、思いっきりのけぞりましたよ、私。
いや、「マロン!」って呼びかけからある程度想像はできてたんですが、
あの第一声を聞いた瞬間、栗色の小型犬がものすごく鮮やかに思い浮かびましたもの!(笑)
マロン役は、西村さんと回替わりだったとか・・・西村さんがどんな犬種だったのか気になります(え)。

というか、小林さんと西村さんはまさに八面六臂でしたねー。
特に西村さん!
お客様相談室の社員から始まって、良輔のサークル(?)仲間、
良輔たちの学校の校長先生、直樹の同級生の女の子(ニャン子さん?!)、
そして、少女のお父さん。
どの役も鮮やかな印象でさすが西村さんだなあ、と思ったのですが、
このお父さんがとにかく素晴らしかったんです!
良輔と直樹に娘の死を告げるというシーンだけで、しかもセリフは同じことを繰り返すだけなのだけど、
その決して長くないセリフの中に、娘への感情がすごく豊かに感じられたのね。

娘への愛情はもとより、
余命宣告を受けて苦しむ娘に何もできなかった自分自身への思い、
何かをきっかけに彼女が一度は立ち直ったことに対する喜び、
結果的に死を選んだ娘への怒りと、疑問と、悲しみと、淋しさと―――そして、安堵。

終盤、彼女の死という"喪失"を、別の形で二人が受け入れていく過程で、
直樹とはるか、良輔と職場の先輩(名前、出てましたっけ?)が言葉を交わすとき、
この二組が交差する形の立ち位置にあって、
はるかと先輩がそれぞれ直樹と良輔を見つめる視線が、
まさに少女が歌う♪春よ、来い の歌詞にあるように、彼らのの肩を抱きしめるような眼差しなのですが、
彼らを照らす光の外側の暗闇の中にいるお父さんの眼差しも、
確かに少女を抱きしめていたように思うのです。
そう感じさせる、西村さんの優しくてやるせない笑顔―――そして、泣き顔だったと思う。
あのシーンは、目の前で良輔が語っているのに、ついうい奥のお父さんに目が行ってしまいました。
ごめんね、アッキー!(笑)


そして、その少女を演じたのが仁藤さん。
すみません、初めて認識しました(汗)。ウェンディとかやってたんだねー。
いやー、この役、めちゃくちゃ難しいなあ、と思いました。
台詞は少なくて、断続的に♪春よ、来い を歌うだけで、
少女の希望と絶望を映し出さなくてはいけないわけですよね。
(でもって、同じくらいこの曲の音程とるの難しそう!!)
個人的には、どうしても彼女が死を選んだ理由に納得がいかないのですが、
でも、ここに描かれる"彼女"は、良輔の、そして直樹の目を通した、彼らの記憶の中の"彼女"なわけで。
"本当の彼女"は、きっと誰にも分らないんだな、と思いました。


そんな感じで、いろいろ受け止め損ねた部分もありそうですが、とても楽しめた舞台でした。

台詞で聞かせる。
歌で惹きつける。
表情で伝える。
しぐさや視線で語る。
技巧で見せる。

朗読、という一つのスタンスを通して、それぞれのやり方で物語を紡いだ役者さんたち。
無理矢理に混ぜ合わせるのではなく、それぞれのやり方を重ねていく、という印象でした。
「朗読劇」というものの定義は、やっぱり私の中では不確かなままなのですが、
でも、不確かで決まった形がない、ということが朗読劇の魅力なのかもしれないですね。


そうそう、この舞台、衣装と台本のファイルがリンクしてましたね。
基本モノトーンの衣装で、襟や裾、カフス、ポケットチーフなんかに役者さんごとに違う色がさしてあって、
その色のラインがファイルにも入ってるの。
アッキーが黄色、小野さんが黄緑、西村さんが赤、由美子さんが緑、小林さんがピンクで、少女は白。
あれ、由美子さんは青だったかな?
ちょっと記憶が曖昧ですが(笑)、そのことに気づいたとき、ちょっとテンション上がりましたv
最後、そのファイルを舞台中央に積み重ねて、それからみんなで♪さぁ鐘を鳴らせ を歌うのですが、
これがまたそれぞれの歌声がやっぱり重なり合う感じで、大迫力!
その中でも、アッキーと由美子さんの歌声はやっぱり際立って聞こえちゃうんですけどね。
でもって、途中で全員が上着を脱いで、それを大きく放り投げるのですが、
その時のみなさんの弾けるみたいな笑顔がとても素敵で、私も思いっきり笑顔になったのでした。


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