瓔珞の音

アクセスカウンタ

zoom RSS 最初の記憶

<<   作成日時 : 2014/09/15 19:31   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

突然ですが、一番古い記憶って何ですか?
私の場合、父が映像マニアだったというか、
ビデオカメラなんてない時代に、8ミリフィルムでいろいろ記録してくれていたり、
母が詳細な育児日記を書いていたりで、
その記憶が本当に自分のものなのか、後から教えられたものなのかがはっきりしません。
そんな中で、これだけは自分の記憶だ!と自信を持って言えるのは、多分5歳になる前。
トイレにこもった母に声をかけたら
「ママ、赤ちゃんができたかもしれないんだから、大人しくしてて!」と叱られてしゅんとした、という、
当時は訳がわからなかったけど、今思うとなんとも生々しい記憶だったりします(笑)。

タムがキムと別れたのは、たぶん3歳。
じゃあ、彼の記憶の中の"ママ"は、どんなふうに残っていくのだろうか―――


「ミス・サイゴン」

2014.9.13 ソワレ フェスティバルホール 1階10列10番台

出演:筧利夫、笹本玲奈、原田優一、岡幸二郎、木村花代、泉見洋平、池谷祐子、陣慶昭
    杉山有大、木内健人、大木智貴、土器屋利行、後藤晋彦、土倉有貴、白山博基、小林遼介、仙名立宗、
    中田洋介、川島大典、植木達也、染谷洸太、石川剛、西川大貴、佐久間雄生、丹宗立峰、青山郁代、
    吉田玲菜、可知寛子、木南清香、福田えり、磯貝レイナ、吉川恭子、華花、松永一哉、小島亜莉沙


というわけで、大阪「ミス・サイゴン」行ってきました!
去年のレ・ミゼからほぼ1年ぶりのフェスティバルホール。
今回は1回席前方だったのですが、本当に音の良いホールですねー。
響きが良すぎて若干歌詞が聞き取りにくい部分もあったりしましたが、
音に包み込まれるような感覚はやっぱりすごいなあ、と思います。

ホールに合わせて、セットの位置や役者さんの動線がマイナーチェンジされてました。
当然のこととはいえ、劇場が変わるたびに変更があるのは、
役者さんも大変だろうなあ、と思ったり。
そしてさすがに、フェスティバルホールにヘリは持ち込めなかったのね(笑)。

今回、今期初のキャストは笹本キム。
それもあって、というか、それ以上に彼女の迫力に思いっきり惹きつけられました。
いやー、なんて気が強くてかたくななキムなんだ!!
儚さとか悲哀とかよりも、とにかく信念と怒りを感じるキムでした。
ドリームランドのシーンも、その状況に全然納得はしてないし諦めてもいなくて、
でもどうにもならないこと、どうにもできない自分に怒っている感じ。
かと思うと、ドリームランドでクリスを認識して、
「この人なら」と思う心の流れがびっくりするくらい素直というか直情的で、
これまで観た組み合わせの中では、一番二人の間に"恋に落ちる瞬間"を感じたかも。
刹那の感情に流されてる感はあるのだけど、
なんというか、二人の気持ちの波がぴったり重なった、というか。
でも、その分、神のドラゴンの下りとか、かえって切なかった。

トゥイに対しては、逆に思いっきり拒絶というか切り捨ててたなあ、と思う。
最初の再会の時とか、「今更何言ってるの?!」感がすごく強かったし、
写真を投げつけた彼に向けた視線に、驚きや悲しみよりも、怒りや嫌悪感が透けて見えて、
しかも、その直後に彼女の中に残ったのは、「クリスが行ってしまうかも」ということで・・・
それは、3年後の再会でもそうだったなあ。
笹本キムから泉見トゥイに対しては、血縁はあっても情はないように思った。
トゥイ自身には情はあったように思うけど、
でも、彼女を愛していて、だからどうしてもキムがほしいというよりも、
彼女を手にすることが当然の権利で、その権利を行使している、という感じだった。
キムを取り戻さなければ、彼は本当に国を取り戻したとは思えない、というか・・・
この辺りのトゥイの表情が良く見えなかったので、なんとも言えないけど。

少なくとも笹本キムにとっては、トゥイを殺したことは、
後悔よりもむしろ最後の覚悟を決めることにつながったのかな、と思う。
そう感じたのは、♪命をあげよう の終盤の彼女の表情を見たからかな。
すごく綺麗なのだけど、とても厳しくて業が深いというか・・・
ああ、この時彼女は、たとえ命を捨てても、鬼になってもタムを守るって決めたんだなあ、と思った。
それこそ、彼女の中での優先順位が、かっちり決まったんだな、って。
だから、不思議なことに、彼女の最後の選択も、
納得がいったというか、こういう覚悟の仕方なら仕方ないのかな、と思ってしまったのでした。

でも、その一方で、じゃあ、タムはどうなんだろう?と思った。
別れの前に、キムは「忘れないでね、覚えていてね」って言うけど、
タムはキムのことを覚えていられるのかな?
このあと、クリスとエレンに引き取られたとして、彼らはタムにどう言うんだろう?
タムがブイドイであることは、ベトナムでも明らかなら、アメリカでも明らかだよね?
養子として迎え入れたとして、キムのことをどう教えていくんだろう。
キムのことはかくして、実の父であることも告げずに、養子として育てていくのか、
三人の関係をきちんと話していくのか・・・?
あと、この時たぶんタムはまだ3歳くらいだけど、そのくらいの子って、
大人が思ってるよりずっと周りを見てるし、感じていると思う。
私みたいにろくな記憶がないのもいるけど(笑)、
強烈な記憶というのは、たぶんすごく残ると思うのね。
だから、ママが大きな音を立てたら知らない男の人が倒れた、
その後、ママがなんだか怖いくらい強く自分を抱きしめた、というのは、
たぶん意味が分からなくても、彼の中に深く刻み込まれたんじゃないかな。
それは、将来的に、彼に悪夢をみせるのではないかな・・・?
そんなことを考えてしまったら、タムと、それからクリスとエレンを待つ未来の過酷さに、
なんだかちょっと呆然としてしまいました。
キム、あなたが命を絶ったから、全てがうまくいくわけじゃないんだよ!!って言いたくなった。
・・・そっか、仕方ないとは思っても、やっぱり納得はできてないんだな、私。
とりあえず、クリスはそういうところが今後もぶれるに違いないと思うので
(思春期真っ只中に真実を伝えるとかしちゃいそう・・・/笑)
エレンの胆力と愛情に賭けるしかないかなあ、なんて思っております(え)。

まあでも、原田クリスの造形はやっぱりとてもいいと思うし、
エレンのいい子過ぎないところもやっぱりとても好き。

岡さんのジョンの情の深さと、でも、必要があればあっさりそれを切り捨てられる強さはちょっと悲しい。
ドリームランドでジジを拒絶した後も、彼女のことをちらちら見て、気にしてるんだよね。
その上でのマリファナ(かな?)と思うと、
彼自身も傷ついて、苦悩して、でも自分の中で全てを解決して立ち直ったんだなあ、と思う。
この物語の悲劇の元凶はどう見たってジョンなんだけど(え)、
彼は彼の方法で、償いをしてるんだと思うし、
その一つであるブイドイ基金の活動は、やっぱりちゃんと愛があると思うんだよね。

池谷ジジのあの切実さと報われなさは、やっぱり見ていてきついなあ、と思います。
キムが歌っている時の嘆き方とか、なんだかもう目が離せなくて、
この時点で泣けてしまいました。
筧エンジニアとの間には何もないから、なんというかほんとに救いがないなあ、と。
彼女は、サイゴン陥落のあとどうしたんだろう・・・
強く生きていてほしいけど、でも、生きていくことはできなかったのかもしれないな、とも思う。

筧エンジニアは、とにかく動きの多さがやっぱりものすごく気になった。
あと、あの日本語発音の英語(笑)。
なんだかんだ文句言いつつ、頼られると「仕方ねぇな」ってまんざらでもないところが可愛い(笑)。
この日は見ていて、「ここではないどこか(by ローラ・モンテス)」という言葉が浮かびました。


そんなこんなで、今期の「ミス・サイゴン」は、最初から最後まで偏った見方をしちゃいました(笑)。
次の再演はいつかなー。
その時には、また今とは違う感じ方をするのかな。
これはそういう作品だと思うし、それが楽しみだったりもしております。
残りの公演、出演者、スタッフのみなさんが、怪我などなく全力で取り組めますように。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
最初の記憶 瓔珞の音/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる