瓔珞の音

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<<   作成日時 : 2017/06/10 00:02   >>

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月のない夜。
夜明けを迎える前の一番深い、闇。
先の見えないその暗闇の中には、けれど、必ず来る暁の気配があって。

だから。
彼らが語るのは、暁闇の、物語。


舞台「刀剣乱舞 義伝 暁の独眼竜」

2017.6.9 マチネ 天王洲銀河劇場 3階B列20番台

脚本・演出:末満健一
出演:鈴木拡樹、荒牧慶彦、猪野広樹、東啓介、橋本祥平、健人、納谷健、和田琢磨、富田翔、
   早乙女しょうじ、高松潤、池田謙信、石原聖士、北野淳、杉島光盛、高橋広吏、永井正浩、
   野上聡一、福島悠介、星賢太、守時悟、山下潤、渡辺洋平


ということで、刀ステ2作目、3公演目にして初めて劇場での観劇をすることができました。
といっても、先行には外れまくり、唯一拾っていただいた一般席は3階で(^^;)
刀ステの座席設定ってかなり大雑把ですよねー(え)。
銀河劇場は2階席以上は前の手すりが視界に入るので結構ストレスなのですが、
今回は2列目センターよりだったこともあり、比較的ストレスなく観ることができました。
さすがに3階からだと、役者さんの細かな表情は見ることはできませんでしたが、
上方から俯瞰して観ることができたので、全体を概ね把握することができたし、
照明や殺陣のフォーメーションの綺麗さも堪能することができたし、
何より物理的な距離が気持ちの距離に繋がったので、結構冷静に観ることができたのは良かったかな。
これ、前方席だったら、私きっと終演後立ち上がれなかった。
いや、もしかしたら、笑顔で劇場を後にできたかもしれないな。
―――そんな風に、ちょっとまだ自分の中に納まりきらない物語だけれど、
せっかくなので今の気持ちを記録しておこうと思います。

以下ネタバレ且つかなり妄想込みの個人的見解になりますので、ご注意くださいね。

「モノが語る故、物語という」
そんな三日月宗近(鈴木拡樹)の言葉から始まる今回のお話。
大まかな時間軸としては、たぶん1作目の続き。
近侍を務める山姥切国広(荒牧慶彦)。
代り映えのしなくなった日常にいくらか倦んでいる鶴丸国永(健人)。
自らの内に在る復讐の念を持て余し気味の小夜左文字(納谷健)。
待ち望んだ太鼓鐘貞宗(橋本祥平)を迎えてご機嫌な燭台切光忠(東啓介)。
馴れ合うつもりのない大倶利伽羅(猪野広樹)との遠征で仲たがいをしてしまった歌仙兼定(和田琢磨)。
険悪な雰囲気の大倶利伽羅と歌仙をどうにかしようと、遠征という名の遠足として、
関ヶ原の前年の伏見(だったかな?)に出かけます。
仲直り作戦は今一つ上手くいかず、それぞれの思惑で森の中を散策していた彼らは、
伊達政宗(富田翔)と片倉景綱(高松潤)と遭遇してしまいます。
どうにかごまかして二人と別れた彼らでしたが、そこにいるはずのない時間遡行軍が現れます。
時間遡行軍と共に現れたのは、漆黒の甲冑―――政宗の甲冑でした。
天下を取りたい。
幼い頃まみえた織田信長に感じた天下人の輝きを、信長亡き後も胸に燻らせた政宗に宿った夢。
その強い想いを時間遡行軍は利用し、政宗は甲冑の声に導かれるように、
諌める景綱や旧友細川忠興(早乙女しょうじ)の声を振り切り、
その夢を見果てぬものにはしないことを―――天下を取るために戦場に身を置くことを選びます。
桁違いの強さの甲冑との戦いで傷を負った8振は、本丸に帰城。
伊達と細川に関わる時間軸に何かが起きていることを感じる彼らのもとに、
主から新たな出陣の命が下されます。
出陣先は、慶長5年、関ケ原。
重傷の小夜左文字と、近侍の山姥切国広を本丸に残し、出陣した彼らは、
夜明けと共に始まった天下分け目の関ヶ原の戦いで、
そこにいないはずの政宗が忠興と戦い命を落とす瞬間に居合わせます。
しかし、そこに現れた漆黒の甲冑が崩れ落ちる政宗を抱き留めた瞬間、
彼らの時は合戦が始まる直前に戻ります。
何度も何度も繰り返される開戦と政宗の死。
時間の円環に囚われたことを悟った彼らは、このループを破るために動き始めます。
一方本丸では、小夜左文字の懊悩に向き合おうと努力する山姥切国広の姿があり―――

という感じの物語。
最初の印象としては、1作目とずいぶん変えてきたなあ、というもの。
刀ステでも刀ミュでもデフォかと思っていた階段のセットが今回はなく、
舞台の前1/3くらいから奥が台形の八百屋舞台。
セットも基本的には平行移動で、書き割り的なセットが出し入れされます。
舞台後方の壁だけでなく、緞帳のように降りてくるスクリーンや、障子のセットにも映像が移されていました。
階段がないせいか、OPもダンスの要素が強かったかなあ。
ちょっとアイドル路線?!と動揺しただけど、終わってみたらアイドルではなく少年漫画路線でした(え)。
そうそう、OPのEDの曲も変わっていましたね。
OPは少し明るいポップな雰囲気になってたので、余計にアイドルっぽく感じたのかも?

物語としては・・・前の主や自分に宿る(あるいは自分を形づくる)“物語”と、
それぞれがそれぞれの方法で向き合う、という感じかなあ。
伊達政宗たち前の主の行動に対してアクションするというよりも、
刀剣男士として人の身を得た彼らが、その“物語”とどのように折り合っていくのか。
そういう意味では、“信長の物語”に寄り添った1作目に感じた切迫感や危うさは、
今回個人的にはあまり感じなくて。
でも、“個の物語”だからこその切実さややるせなさ、
新たに構築されていく彼らの関係性が感じられたように思います。

そんな中で一番ハラハラしたのが、実は猪野くん演じる大倶利伽羅だったり。
馴れ合わないゆえに言葉少ななのは、刀ミュの大倶利伽羅くんと同じなのですが、
(でもって、こちらの大倶利伽羅くんも素晴らしく甘い美声でございました。
 大倶利伽羅くんは声が良いのがデフォですか?(笑))
こちらの大倶利伽羅くんは、なんというか、自分の居場所はここではない、的な雰囲気を感じました。
声を掛けられれば返事をするし、小夜ちゃんの話もちゃんと受け止めるし、
馴れ合うこともできなくはないけれど、その必要性を感じていないからしない、というか。
頑ななわけではないけれど、彼自身が今の自分に対して感じている違和感に戸惑っている風にも見えた。
でもって、こちらの大倶利伽羅くんも基本笑わないのですが、
幾度目かの関ケ原で対峙した政宗が、戦に身を置き、戦場で死ぬ、と言った時に―――笑った、ように見えた。
そしてその綺麗な笑みは、私には歓喜の笑みに見えたのです。
戦場に在り、一人で戦い、一人で死んでいく―――
それこそが、大倶利伽羅が望んだ伊達政宗の生き様だった。
そして、歴史的にはあり得ない“自分が望む伊達政宗の物語”に、彼の心は寄り沿い、
政宗の野望が宿り形作った漆黒の甲冑を前にした時、
その甘美な歓喜の前に彼は膝をつき、呑みこまれそうになった・・・ように見えました。
で、その姿が、これまでの彼の姿の中で、一番素直で―――なぜか儚く見えた。
結果として、そんな彼の感傷(だよね?)は鶴丸さんに蹴り飛ばされてしまうのだけど(比喩にあらず(笑))。
この辺、きちんと表情が見えたら、もっと違う印象だったのかなあ。
最終的に、諸々を経て、彼は政宗の選んだ一生を受け入れて、
同時に刀剣男士として本丸に在る“今の自分の物語”も受け入れたのかな、と思う。
最後、ゲームの回想にあるように歌仙と酒を酌み交わすのだけれど、それは、馴れ合うとは違うんだろうな。
彼はやっぱり一人で戦い、一人で死んでいくのだと思うけれど、
でも、その彼が帰る場所は、新しい仲間たちのいる、この本丸なんだろうと、思う。

和田さんの歌仙さんは、遠目で見るともの凄いビジュアルの完成度で、ちょっとどうしようかと思いました(笑)。
でもって、めっちゃめんどくさくて、めっちゃ可愛かった!
人見知りだから喋っちゃうって、すっごい良くわかる(笑)。
小夜ちゃんを慰めようとして、逆に慰められちゃったり、
急な無茶ぶりにわたわたしてとんでもないことを口走って自爆したり(え)、
歌仙さんって、雅で冷静な大人ではなくて、不器用で一生懸命な刀なんだなあ、と認識を改めました(笑)。
いや、歌仙さんを可愛いと思う日が来るとは思っていませんでしたよ。
血なまぐささや狂気と、雅や風流を愛する心を兼ね備えた元の主、細川忠興。
多分彼は、自分を形作る“物語”もまた、その両方からできていることを知っていたのではないかな。
自分の中に在る、風流とは程遠い烈しさや、雅さを汚すかのような血の匂い。
華麗さや軽やかさの気配もない、重く武骨でどこか力技的な烈しさのある歌仙さんの殺陣。
そんな自分を知っているからこそ、彼は風流や雅にあんなにもこだわったのかなあ、と思った。
細川忠興と対峙し、言葉を交わすことで、忠興の中にあるその二つの要素は、決して相いれないものではなく、
その二つを兼ね備えているからこそ、それぞれが際立つことを歌仙さんは知ったのかもしれない。
血なまぐさい戦の中で、だからこそ美しさを増す星空のように。
烈しく武骨な想いを貫くことが、誰かの安らぎに繋がる優しさでもあることに。
そうすることで、きっと歌仙兼定という刀の“物語”は、更に美しく雅になっていくんだろうな。
でもまあ、ミミズは確かに雅ではないよね(^^;)

畑当番で歌仙さんにミミズを見せて嫌がられるという小学生みたいなことをしてたのが、
橋本くん演じる貞ちゃん(笑)。
思ったよりもハスキーボイスでしたが、なんというかあの明るさにはほっとする場面も何度か。
派手でおしゃれなビジュアルとは裏腹な、
使えるものは何でも使う!という超現実的な彼の生命力というか胆力は素晴らしいと思いました。
ああ、この明るさを、燭台切さんはずっと待ってたんだなあ、と。
燭台切さんが割と繊細そうなので、貞ちゃんのあのいい意味での大雑把さはある意味救いなのかも。
まあ、落としたラーメン盛り付けるのはどうかと思うけど(^^;)
遠足の時のエアギター(?)と歌もなかなかに衝撃的でした(笑)。
同じ短刀でも小夜ちゃんとは全く違う殺陣で、敵の武器も使っちゃう臨機応変さに、
ちょっとワクワクしちゃいました。
そういえば、遠足の時、貞ちゃんと小夜ちゃんだけが敵の気配に気づいてたのだけど、
さすが短刀、偵察が高いということでしょうか。
振り向いた二人が、なんだかとっても頼もしく見えました。
政宗に対しても、ある意味凄くクールなスタンスだったように思います。
あれ? 政宗公の息子の刀だったのって貞ちゃんだったっけ?大倶利伽羅だったっけ?
貞ちゃんの“物語”については、あんまり受け取れなかった感じなので、今後の課題かなー。

東くんの燭台切さんは、1作目よりもちょっと幼い印象があったのだけど、貞ちゃん効果かなー。
今回、もっと彼にフォーカスされるかと思ったのだけれど、予想よりも静かな描かれ方でした。
殺陣は相変わらず大胆でかっこよかったですけどね。
ほんとにあの腕の長さと、鞘の使いっぷりと、背中を見せて見返る笑顔に見惚れてしまいますv
政宗公を「政宗くん」って呼ぶその親しげな声の優しさとか、
彼がどんなに素晴らしい人で、彼のずんだがどんない美味しかったかを語るときの嬉しそうな表情とか、
自分の名前の由来を話すときの、ちょっと困ったような声音とか・・・
燭台切さんにとって、政宗公って、
主というよりも幼馴染とか兄弟とか、そんな存在だったのかな、と思ってみたり。
政宗公の正しい歴史をごく自然に守ろうとするのは、本能寺での織田組を見てきたからなのかな、と、
政宗公の最期を見届けた後の、「かっこいいよね」という言葉から感じられる誇らしさに思いました。
それにしても、今回は軍議的なものはなかったので、どれが日替わりなのか良くわからなかったけど、
(光忠特製オムライス入りおにぎり(だったかな?)のあたりですか?)
あの光忠クッキングにはちょっとどうしようかと思いました。
いやだって、実際働いてるの助手の山姥切くんだし!
というか、あの山姥切くんの割烹着着せたの、燭台切さんなんでしょうか・・・?
どうやって説得したのか凄い気になる!(笑)

荒牧くんの山姥切くん。
出てきて彼が溜息をついた瞬間に、ああ、刀ステを観に来たんだ!と実感してしまいました(笑)。
私の中では、もうすっかり山姥切くん=荒牧くんの山姥切くんになってるなあ。
布をバサッと翻した後ろ姿に、春に足利で見た山姥切国広がすっと思い浮かんで、
なんだか不思議な気持ちになりました。
前作で近侍としても成長した山姥切くん。
今回の試練は、独り思い悩む小夜ちゃんに向き合うことでした。
小夜ちゃんの相談に内心(?)わたわたしながらも、真摯に向き合うまんばちゃん、可愛かった(笑)。
というか小夜ちゃんが可愛くて、山姥切くんが撃ち抜かれた瞬間を見た気がしました(え)。
そんな可愛い二人でしたが、あの殺陣は凄かった!
小夜ちゃんの全力に全力で立ち向かい、彼の想いをしっかりと受け止めて容赦なく突きつける山姥切くん。
倒れても、倒れても、何かに駆り立てられるように立ち上がり挑み続ける小夜ちゃん。
二人の真っ直ぐさに、なんだかもう泣けてしまいました。
なので、最後のほのぼのシーンで縁側に二人並んでラーメンを分け合う二人が、
本当に可愛くて愛しくて、自然と笑みが浮かびました。

それししても、山姥切くん、今回も本当に受難。
光忠クッキングの後、割烹着を脱ごうとして脱げなくて、
その様子を大倶利伽羅くんに鼻で笑われて落ち込んで、
でも、燭台切さんの「(この体だから)頭を撫でてあげることもできる」という言葉に、
ひとり頭を撫でる練習をしている山姥切くんの一生懸命さが、なんだかもうほんとに可愛いかったですv
(練習の成果が出せてよかったねv)
でも、言葉にすることがまだ得意ではなくて、やっぱりネガティブ思考に陥りがちな山姥切くんにとって、
更にネガティブ思考に陥っている小夜ちゃんとの対話はすごく大変そうで・・・
三日月さんに、「近侍をやめたい」と相談して一刀両断されるわけですが、
(まさに)のらりくらりと躱す三日月さんを、
「あんたは何を考え、何を望んでいるんだ?!」と山姥切くんが問い詰めた時、
三日月さんが返した言葉―――「来るべき試練の時のために、この本丸を強くする」(多分)に、
1作目で山姥切くんが辿り着いた答え―――「強くあれ」という言葉が思い浮かんで、
ちょっとはっとしました。
この言葉が、最終的に小夜ちゃんと山姥切くんの対話の中心になっていくのだけれど、
とにかく、この時の山姥切くんと三日月さんの会話が意味深すぎて、気持ちがざわざわしました。
歴史修正主義者についても山姥切くんが問いただしてたけど、三日月さん、見事に躱してたよねー。

というか、今回も三日月さんはなんというか別次元な感じでした。
声の低さとかテンポは、再演の時に近いかなあ。
でも、どこかに焦りのようなものが感じられた気がする。
三日月さんが何を知り、何を憂い、何を守り、何を望んでいるのか―――
前作の再演を観た時に、この本丸は初演とは別の本丸なのかもしれない、と思った。
でも今回、時の円環に捕えられた時、三日月さんだけがそのことに気づいたのを観た時、
あの本丸は別の本丸ではなくて、同じ本丸の何度目かの本能寺だったのかも、と感じました。
だとすると、あの本丸が陥った大きな時の円環の中で、三日月さんだけがそれを知っているということ?
三日月さんが言う、「来るべき試練」や「強くなった本丸を見届けたい」という言葉は、
繰り返す過去だけではなく、繰り返すかもしれない未来を知っているということ?
だとしたら、三日月さんは―――彼と対話する審神者は、どういう存在なのかな?
というか、この物語ってる三日月さんって、“いつ”の三日月さん?
1幕の終わり、光の中に去っていく三日月さんの後ろ姿にちょっと鳥肌が立ちました。
で、この辺、2幕でどのくらい踏み込んでくるのかなあ、と思ったのだけど、
実際はブラック鶴丸さん(下記(笑))の台詞でちょっと踏み込んだくらいだったかなあ。
この辺りは、きっといろんな方がそのうち考察してくれるのではないかと思っています(他力本願(^^;))。
とりあえず、刀ステはたぶんこれからも続いて行くと思うので、
最終的に全部通すと三日月さんの“物語”になるんじゃないかな、とちょっと予測してみたり。
繰り返しになりますが、三日月さんは別次元。でもってめっちゃ意味深。
これに振り回される山姥切くんは受難だけど、でも彼ならできる、と私も思う。
頑張れ山姥切くん!(笑)

あ、鈴木くんの三日月さんの殺陣は、今回も素晴らしかったです。
ちょっと前回と雰囲気が変わったかな?
でも相変わらず、表情や佇まいですっとその場の雰囲気を変えてくるところはさすがだなあ、と思いました。
個人的には、ブラック鶴丸さん(とだったかな?)と対峙するとき、
一度刀を鞘に納めてから再び抜くまでの張りつめた空気にちょっとよろめきました。
あと、三日月さんを囲んだ時間遡行軍が円を描くシーンがあったのだけど、
上から見てたら三日月さんの目線やちょっとした仕草で、その円が動く感じで、
三日月さんの存在感のとんでもなさが見えた気がしました。
でもって、最後にラーメン屋台の横で(笑)三日月さんが舞うシーンがあるのだけど、
扇の使い方がとても美しかったですv
某番組の企画で挑戦した仕舞、あの後も練習したのかなー。凄いなすずきひろき!

鶴丸さんは再演に引き続き健人さん。
この方の軽やかさは、上から見ると更に目を引かれますねー。
本当に舞うような殺陣。
でもって、鶴丸さん相手の時に、敵がトンボを切ることが多かった気がするのだけど、
それもまた鶴丸さんっぽいなあと思いました。
最近は驚きが足りない、という鶴丸さん。
1作目では小夜ちゃんに向かって「天を驚かせたい」と宣言していましたが、
今回は手合せの時三日月さん相手に、
「天よりももっと驚かせたいものがある。あんただ」的なことを言ってました。
で、「俺を驚かせるのは骨が折れるぞ」という三日月さんに、
「ああ」と頷いた後、「だから三日月も俺を驚かせてくれ」と答えていたけど、
これって、三日月さんが何かを知っている―――隠していることに気づいているのかなあ、と思ったり。
まあ、同年代(かな?)のお二人ですからねー。
あ、だから二人の手合せはこんなに朝早い時間なのか!(え)
とはいえ、鶴丸さん、有言実行で今回見事に三日月さんを驚かせてました。

漆黒の甲冑に呑みこまれそうになった大倶利伽羅くんを、文字通り蹴り飛ばした鶴丸さん。
代わりに甲冑につかまって連れ去られてしまうのだけれど(あの映像はどうにかならなかったものか・・・)、
政宗を正気に返してほっとした面々の前に現れた鶴丸さん、まっ黒になってました!!
いやー、これはもうちょっと衝撃に震えたよね。
なんの衝撃って、自分の妄想がリアルに生身になった衝撃に(笑)。
いえ、以前はずみで一個だけ書いた二次が黒い鶴丸さんの話だったんですよ・・・
って、個人的なことは置いておいて!
一房を覗いて髪もまっ黒になった鶴丸さん・・・めちゃくちゃ強かった!
漆黒の甲冑に憑りつかれた―――ように見せて、いざという瞬間に甲冑の動きを止めて、
三日月さんたちが甲冑を壊すのを助けるという作戦だったっぽいのですが・・・
この鶴丸さんは、多分このまま取り込まれてもいいと思っていたのかもしれない。
取り込まれたまま、甲冑と共に仲間に折られてもいいと思っていたのかもしれない。
或いは、仲間を全て折ってもいいと思っていたのかもしてない。
そんな風に感じてしまうくらい、多分鶴丸さんは平穏な日常に倦んでいた。
そしてそれ以上に、長く存在してきたが故の曖昧な記憶―――“物語”に倦んでいた。
そういう、どちらに振り切れるかわからない怖さのようなものが、今回の鶴丸さんにはあったように思います。
そして、それってもしかしたら、健人さんの鶴丸さんだからこそなのかな、とも思ってみたり。
個人的には実は染谷さんの鶴丸さんの方が好みだったのですが、
彼の鶴丸さんはいろんな意味で鮮やかで揺るぎない。
健人さんの鶴丸さんにある、曖昧さや危うさ―――揺らぎがあってこその、
今回のブラック鶴丸さんなのかなあ・・・?
これはちょっといろんな方の意見を聞いてみたいなあ。

それにしても、黒い時より白い時の方が細く見えたのはなぜなんだろう?
というか、真剣必殺の時のあの肩から二の腕の細さにはちょっと驚いてしまいました。
鶴丸さん、めっちゃ華奢!
燭台切さんの腹筋凄かったし、貞ちゃんのチラ見せな背筋綺麗だったし、
そんな中の大倶利伽羅くんのストイックさは際立ってたしで、いろいろ眼福な真剣必殺でしたが(笑)、
でもちょっと唐突だったよね?(^^;)

納谷くんの小夜ちゃんは、今回本当に頑張ったなあ、と思います。
初演から再演でも大人になったなあ、と感じたけれど、今回も大きくなった・・・かな?
でも、とてとてという感じの歩き方とか、言葉を発する前の僅かな間に、
小夜ちゃんの幼さが見えた気がしました。
でもって、やっぱり彼の殺陣の間合いと切れは、ほんとに素晴らしい!
今回、自分を形作る“物語”に一番囚われていた小夜ちゃん。
恐怖や憎しみや哀しみを内包した、復讐という念。
兄たちが自分に向ける愛情を受け、伊達の刀たちの明るさや強さを目の当たりにしていく中で、
多分小夜ちゃんは、自分の中に生まれた兄たちへの思慕や、
仲間に対する暖かい感情に気づいたんじゃないかな。
でも、そのプラスの感情は、彼の中の復讐の念とは相いれなくて―――
いや、復讐というどす黒い感情でできた自分が、そういうプラスの感情を持つことを、
彼は受け入れることができなかったのかな。
伊達の刀たちや、歌仙が元の主に向ける感情と、その結果語られる“物語”を知り、
山姥切くんを形作る―――強く在ろうとした彼が形作った“物語”を知り、
「その復讐の念を俺に向けろ」という山姥切くんとの手合せの中で、
その復讐の念が自分の中に詰め込まれたものではなく、自分自身を形作るものだと知ったことで、
小夜ちゃんは復讐の念を持ったまま、先に進むことを選んだ。
自分の“物語”をこれから形作るのは自分であるのだと、復讐の念を持ちながらなお、
それ以外の感情も受け入れ、育むことができるのだと知った彼は、
無意識とはいえ、きっと初めて自分に笑うことを許した。
そして、更に前に進むために、彼は修行に出ることを望んだ。

山姥切くんとの手合せの終わり、山姥切くんが言った「夜が明ける」という言葉は、
暗闇の中を彷徨っていた小夜ちゃんにとっても夜明けであったかもしれない。
そんな風に思いました。


伊達政宗役、富田さん。
めっちゃ強い政宗公でした!
いやほんとに刀剣男士よりも強いんじゃないですか、この人!って思ったよね(笑)。
すっごい高速で刀を操るの。
政宗公の場合、時間遡行軍に憑りつかれる、というよりも、まさに想いを利用された、という感じ。
最初から最後まで、彼は正気だったんじゃないかなあ、と思う。
だから、彼は景綱を斬ることができなかった。
景綱に対して、彼が自分の失った右目であったこと、その眼に天下を取る自分を見せたかったこと、
だから、景綱がいなくては天下をとっても仕方ないこと、という、
とんでもなく身勝手な主張が、なんだか凄く納得できるものに感じさせるのって、
政宗公と景綱の在り方がしっかりしてたからなんだろうなあ。
政宗公は、自分が出会った百姓芸人(笑)が、自分の刀だということはわかってた気がします。
まあ、あれだけ名前も読んでたしね(^^;)
「いつかまたまみえることも・・・」的な政宗公の台詞と、それを受ける伊達組の表情、良かったなあ。
細川忠興との関係性も、拳でわかり合うところか、最後までライバル的な感じとか、
少年漫画っぽいなあ、と(笑)。
政宗の最期のシーン、それはちょっと無理があるでしょう?と思ったけど、
うん、でも確かにかっこよかったです。

今回、舞台前や舞台奥から客席に向かう照明が多用されてました。
影を使った演出もあったかな。
床に描かれる幾何学模様的な照明も綺麗でした。
ブラック鶴丸さんの時は、青系統の色のステンドグラスみたいな照明が床に当たっていて、
その中でまっ黒な鶴丸さんが舞うように戦う姿が印象的でした。
山姥切くんの言葉で夜明けがきて、明るい本丸で笑いの溢れるシーンがあるのだけど、
その後の小夜ちゃんの旅立ちと、そして三日月さんと審神者の会話のシーンは、また暗闇の中でしたね。
カーテンコールの番傘も、今回は黒地でした。
この本丸は、まだ暗闇の中にある、ということなのでしょうか。
でも、この暗闇には、確かに夜明けの気配がある。
暁闇は、月のない夜だというけれど、
でも、その夜明けには、三日月宗近もそれぞれの“物語”を語る彼らと共にあるのだと、
あってほしいと、そう、強く思いました。

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