彼女が生きる場所

ここ数日、溜まりに溜まって床を侵食していた本の整理をしています。
処分する本は一箱に納めて、残り10箱は実家に送る予定です。
それでも本棚代わりの衣装ケースに入りきらない本があるあたり・・・(笑)
でも、最近はよっぽどの人気作品でないとすぐに手に入らなくなっちゃうので、
なかなか本を捨てることができません。
うーん、やっぱりDLLの舞台セットみたいなお家がほしいなあ・・・!

本を整理していると、ついついいろいろ読み直してしまいます。
じっくり読んだら進まないので、さらっと流し読みですが、
それでも結構楽しくて、ここ数日は埃に負けそうになりながらもちょっと幸せだったり?
で、並べた本の中に、いわゆる“異世界もの”が多いことに今更ながら気づきました。

C.S.ルイスの「ナルニア国」物語。
新井素子さんの「扉を開けて」。
福永玲三さんの「クレヨン王国 月のたまご」。
那州雪絵さんの「月光」。
ひかわきょうこさんの「彼方から」。
タニス・リーの「月と太陽の魔道士」や「白馬の王子」。
なるしまゆりさんの「プラネット・ラダー」。
由貴香織里さんの「天使禁猟区」。
宮部みゆきさんの「ブレイブ・ストーリー」や「英雄の書」。
小野不由美さんの「十二国記」も入るかな?

ぱっと思いついたものでこれだけあるので、
きちんと思い出せばもっとあるんだろうな、と思います。
どれだけ“異世界もの”が好きなんだ、私(笑)。
そういえば、初めて読んだコバルト文庫は、氷室冴子さんの「シンデレラ迷宮」だったしなあ。

“異世界もの”は、私の中では大きく二つのくくりに分類されています。
“異世界”から、帰ってくるのか、来ないのか。

どちらが好き、とは一概には言えないのですが、
個人的には、それまで生きてきた“時間”の全てを振り切るには、
やっぱりそれに納得できるだけの意味がないと、いくらファンタジーでも、ちょっと辛いなあ、と思います。
そういう意味では、文字どころか言葉という、ファンタジーではある意味タブーの領域を真正面から描ききった、
ひかわさんの「彼方から」は、初めて読んだときほんとに衝撃でした!
「十二国記」も、そのあたりのことを逆手に取った細かな設定には、
最初ものすごく感動した記憶があります。

“帰ってくる”物語でも、主人公が“異世界”へ行った理由と意味が欲しくなります。
ただ単に「行った」→「困難な旅をした」→「帰ってきた」→「いい夢をみたな」では、
ちょっと寂しいし、物足りない。
そんな風に感じてしまうのは、私の中にある“異世界”への相反する思いのせいなのかもしれません。


そんな私にとって、“帰ってくる”物語の中でここ数年一番のお気に入りなのが、
河上朔さんの「wonder wonderful」だったりします。
ちょっとこちらで感想を書くのは恥ずかしいのですが(え)、
実はここ数日で久々に読み直して、やっぱり好きだなあ・・・!と思ってしまったのでv

この物語で“異世界”への旅を繰り返すのは、ヒロインの妹です。
その妹の危機に“異世界”へ飛び込んだヒロインが、
飛び込んだ先の“異世界”で、あくまで“異邦人”としての立場を踏み越えずに、
でも、その時に自分ができる精一杯で、出会った人たちと向き合う物語―――そう、私は感じました。

ヒロインの年齢は27歳。
全てを置いて突っ走ることは、もうできない年齢、と彼女は言います。
それは、もしかしたら、他の物語のヒロインだったら踏み越えてしまうかもしれない、曖昧で危うい一線。
でも、彼女は、その世界で出逢った大切な人達と共に時間を重ねても、
とうしようもなく惹かれる相手と強い想いを交わしても、
どれだけその世界を愛しく思っても、決してその一線を越えなかった。
読んでいて歯がゆくなるくらいに自分を律し、でも同時にいつだって真っ直ぐにその世界と向き合った。
それが、私には、彼女が自らの“今在る”世界で、常に真摯に生きてきた証に思えたのです。
そして、そのことに、何故か私はとてもほっとしたのですね。
もちろん、同時に切なくて仕方ありませんでしたが。

物語は、彼女が“異世界”から帰るところで終わります。
彼女がそのあと、また“あの世界”に行くことができるのかどうかはわかりません。
私の中にも、彼女がまた“あの世界”と触れ合えることを望む気持ちと、望まない気持ちがあります。
でも、たとえどちらの未来が彼女の目の前に現れたとしても、
きっと彼女はいつだって真摯なんだろうな、と思う。
いつも真摯に、真っ直ぐに、自分が在る世界を向き合って、生きていくんだろうな、と思う。
そうすんなり思えることが、この物語の魅力なのかもしれません。

ヒロインのそういう立ち位置もですが、
この物語に出てくる人たちは、みんなとっても魅力的です。
それぞれが大切なものをその胸に抱えていて、それゆえに強くなったり、臆病になったりする、彼ら。
時にはその想いゆえに何かを壊し、自らを傷つけてしまうことがあっても、
その想いにそっと寄り添う誰かの想いが、ある。
その傷を柔らかく覆い癒してくれる誰かの手が、ある。
そんな優しさに満ち溢れた物語で、読むたびに私は大泣きしてしまうのでした。

私の下手な文章では、この物語の魅力は伝えきれないなあ・・・(涙)
でも、ほんとに素敵な物語なので、機会がありましたら是非手に取っていただきたいですv

追記:この記事を書いた直後に、電子書籍版が完結したとツイッターで教えていただきました。
    なんてタイミング!(笑)
    購入はこちらでできるようです。
    本よりも手に取りやすい・・・かな? 
    


さて、この週末は私にとっての大切な“異世界”である劇場に入り浸る(笑)週末。
再訪する世界もあれば、初めて訪れる世界もあり・・・
どんな出会いが待っているのか、ちょっとわくわくしておりますv
みなさんも、どうぞ素敵な週末をお過ごしくださいね!

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