見えない二人

ちょっとプライベートががたがたしていて、すっかりブログ放置しておりました(^^;)
まあ、その関係で観劇もセーブしていたのもあるのですが、
ちょっとした願掛けの意味もあったりなかったり(笑)。
とりあえず、私は元気です!
状況もいくらか落ち着いたので、観劇記録を、と思ったのですが、
さすがに日が空きすぎてしまったので、記録というよりも感じたことを少しだけ。


「ダディ・ロング・レッグズ 」

2017.11.18 ソワレ シアタークリエ 11列20番台
2017.11.19 マチネ シアタークリエ 15列一桁台

原作:ジーン・ウェブスター
音楽・作詞・編曲:ポール・ゴードン
編曲:ブラッド・ハーク
翻訳・訳詞:今井麻緒子
脚本・演出:ジョン・ケアード
出演:井上芳雄、坂本真綾

というわけで、お友達と泊りがけでDLL観劇をしてまいりました!
2回続けて観ると、舞台は生ものだなあ、としみじみ思ってしまいます。
前回は上手端っこ、今回はセンターブロック上手寄りと下手端寄りからの観劇だったのですが、
個人的には、観る位置で感情移入する先が違っていたのが面白かったです。
上手だとジャーヴィスに、下手だとジルーシャに、なんだか凄く気持ちが寄り添いました。
で、センターだと二人の関係性に素直に向き合えた気がします。
もちろん、位置だけではなく、役者さんのその日の演じ方にもよるのかと思います。

井上くんのジャーヴィスは、何というか見るたびにちょっと印象が違う気がしました。
根っこの部分はもちろんぶれないのですが、
ジルーシャへの感情の流れる速さというか、自身の感情の溢れ方が毎回違ったような気がします。
それが顕著だったのが、ロックウィローで二人が過ごすシーンと♪チャリティー。
特に後者は強くそれを感じました。
初回に観た時には、もう最初から感情が降り切れている感じで、良く立て直したなあ、と、
新演出初回ということもあって、ちょっと違う意味でびっくりしてしまいました。
18日のソワレは、最初は冷静なのに、歌が始まって数小節ぐらいで、がーっと感情が溢れ出る感じ。
その勢いに、一気に私も気持ちを持っていかれて、ぼろぼろ泣いてしまった。
で、19日のマチネは、感情を溢れさせるのではなく押さえつけることで、
よりジャーヴィスの困惑や自嘲がクリアになったように思いました。
前回も感じたのですが、ほんとに今回のジャーヴィスは感情豊かというか可愛い感じで。
でも、だからこそジルーシャの手紙を読み始める前の僅かな時間や、
一族と過ごしている時の彼の纏う思い空気が際立って、
更にジルーシャに傾倒していく様が鮮やかなのかなあ、と思います。

真綾さんのジルーシャは、そういう意味ではもの凄くぶれが少ないな、と思いました。
もちろん、その回ごとに違いはあるのだと思うのですが、
ジャーヴィスが揺らいでいる分、ジルーシャの揺るぎなさにちょっとほっとする部分もあったり。
―――でもね。
3回目に見ている時に、今更ながらにふと思ってしまったのです。
どうしてジルーシャは、スミス氏をおじいちゃんだと思ったのかな、と。
ジルーシャほどに目端のきく子だったら、理事さんたちにどんな人がいるのかにも、
興味を持って観察をしたりするんじゃないのかな。
でも、彼女は理事さんたちを、たぶん一人の個人として認識していなかった。
だって彼らは、ほんのちょっと彼女の時間を通り過ぎるだけの“外の人”なんだから。
それに、完璧に嫌な日な水曜日を乗り切るために、
彼女は彼女が本来持つ聡明でのびやかなそう増力を、きっと封印して働き続けていたんだと思う。
そんな中で、彼女を“気にかけてくれた”たった一人の理事さんがいた。
本当の名前も、姿もわからない。
けれど、自分を見つけ、自分を気にかけ、自分に手を差し伸べてくれる、影しか知らない男の人。
物語の中で、彼女が自分だけの“神様”について語るシーンがあります。
その存在は、まるで彼女が想像するダディ・ロング・レッグズのようだった。
ジルーシャが、無意識に自分だけの神様をダディに投影していたのか、
自分の想像するダディの存在が、神様の姿に影響したのか、それはわからない。
でも、ジルーシャにとって、ダディはある意味神様に近い存在で、
そして、そんな存在に対する手紙には決して書かれないジルーシャの一部があるのかもしれない。
そんなことをちょっと思ってしまいました。

手紙というツールを用いて描かれるこの舞台。
でも、手紙には書かれていない時間も、当たり前だけれどジルーシャは存在しているし、
ジルーシャの手紙を読んでいない時間にも、ジャーヴィスは存在している。
その“描かれない時間”の私たちの目には見えない彼らを想像させてくれる井上くんと真綾さんは、
やっぱりとんでもなく素晴らしいなあ、と思ったのでした。
二人のテンポの良いやり取りも、
ジルーシャを見つめるジャーヴィスの視線も、
怒ったジルーシャの低い声と、小さくなるジャーヴィスの背中も、
そして何より重なり合う二人ののびやかな歌声は、本当にずっと聞いていたいくらい素敵だった。
うん、また次に彼らに出会える時を、今から心待ちにしていようと思います。
あ、もちろんDVDは予約しましたけど(笑)。

そういえば、今回の連続観劇で面白いなあ、と思ったことがもう一つ。
カーテンコールの時なのですが、ソワレではスタオベがおきて、マチネでは起きなかったんですよね。
私自身、ソワレの時は二人の感情に大きく引きずられるような感じで、
とても自然に立ち上がって拍手をしたのですが、
マチネの時には立ち上がる気持ちが全くわいてこなかったのです。
私だけかな、と思ったのですが、見える範囲でスタオベしている人がいなかったので、
多分そういう雰囲気の回だったんじゃないかな、と思う。
どちらが勝ってるとか劣ってるとかではなくて、
二人のたどり着いた場所とこの先の未来への希望に、わーっと気持ちが沸き上がる回と、
静かに二人の物語を受け止めて噛みしめる回だったのかなって。
個人的には、それぞれに魅力的で、それぞれの満足感がありました。
何回目かのカーテンコールで必ず立ち上がる流れができてしまっている舞台もあるけれど、
こんな風に自然にその時の雰囲気を受け止められる舞台もいいなあ、と思うし、
こういう違いも舞台の奥深さの一つなんだろうな、と思ったりしています。

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