祝祭

10年続けることができたら、それは本物。
この言葉をいつどこで聞いたのかは忘れましたが、
10年というのはやっぱり一つの大きな区切りなんだろうなあ、と思います。
そんな10周年を迎えたシアタークリエの祝祭に行ってまいりましたv

「TENTH」

2018.1.8. ソワレ シアタークリエ 3列10番台

シアタークリエも10周年か・・・
最初に子の劇場で観た演目は何だったかなあ、とブログを遡ってみたところ、
「レベッカ」だったことが判明いたしました。
観劇記録を読みなおしたら、「いろいろ噂のシアタークリエ」とか書いてた・・・なんの噂だったんだろう?(^^;)
今ではすっかりおなじみの劇場になりました。
ここのホスピタリティは、結構凄いと思うのよ。

そんなこんなでいろんな意味で豪華な「TENTH」。
私は1回きりのお祝いになりましたが、とっても楽しませていただきました。


第1部 10周年記念ダイジェスト公演「ネクスト・トゥ・ノーマル」
出演:安蘭けい、海宝直人、岡田浩暉、村川絵梨、村井良太、新納慎也

クリエで上演されたミュージカル3つのダイジェストが順番に上演される第一部。
私が見たのはN2Nでした。
3つの中で唯一観たことのある演目だったので、ちょっと内心複雑ではあったのですが、
(他のも観てみたかったなあ、と)
実際に観てみると、改めていい作品だなあ、としみじみ思ってみたり。
1回しか観ていなかったこともあって、観ながらいろいろ思い出したり、
前回観た時には見落としていたこと(主にゲイブの動線や関わり方)にも注目できたりして、
すっかり楽しんでしまいました。
基本的な感想は前回観た時と同じかな。
とても重くて辛い物語ではあるのだけれど、
このラストシーンは確かに未来に向かっているのだと思いました。
その未来が、決して幸せだけに満ちたものではなかったとしても。

安蘭さんのダイアナは、普通と異常の境目で揺れ動く様が本当に痛々しかった。
彼女にとって“どちら”に留まることが幸せなのか。
彼女が“どちら”に留まることが家族にとって幸せなのか。
彼女が“未来”を手にするために、どれだけ大きなものを、沢山のものを、
かけがえのないものを失わなければならなかったのか―――
でも、最後に赤でも青でも紫でもなく、真っ白なシャツを着て立つダイアナの姿は、
その穏やかな笑みは、本当にとてもとても綺麗でした。

ゲイブ役は海宝くん。
ゲイブがどういう存在か、というのをわかっていて観ていると、
最初の彼とダンやナタリーのニアミスとか、良くできてるなあ、と思ってしまいました。
海宝くんのゲイブは、なんというか王子さまみたいだった。
ダイアナにとっての、もしかしたら彼は“理想”なのかなあ。
おおらかで優しくて、ユーモアもあって、笑顔が可愛い(笑)。
でも、確かダンがダイアナにECTを受けるよう説得しているシーンだったと思うのだけど、
階段の手すりを縋りつくように掴むその姿が、なんとも儚く切なくて。
そうだよね。
ダイアナが治療を受ける―――小さなゲイブの死を認めて受け入れるということは、
今ここにいる“ゲイブ”が消えるってことなんだよね。

“ゲイブ”という存在が、どういうものなのか、今回も私には良くわかりませんでした。
でも、誰かの“思い”がなければ、彼はきっと存在できなくて。
最後にダンとゲイブがふれあい、声を重ねるシーンの“ゲイブ”は、
“ダイアナのゲイブ”ではなくて“ダンのゲイブ”なのかなあ、と思いました。

ダン役は岡田さん。
何とも優しく―――でも、どこか揺らぎの感じられるダンだったな、と思います。
ダイアナを支えることで、彼自身が立つことができていた、という感じ?
黙々と床を拭く彼の思い詰めた表情と、すすいだ水の赤さにちょっとぞっとしました。
あの赤、ダイアナの流した血の色だよね?
ダイアナが去って、彼女を通してではなく自分自身として息子の死に向き合ったダン。
彼が、ダイアナのように“ゲイブ”に縋りつくのか、
その喪失を受け入れて一人未来へと歩いていけるのか・・・?
最後、Dr. マッテンから「話を聞いてくれる人」を紹介してもらった時の、
痛みを感じているようjな、全てを諦めているような、淡い微笑みがとても印象的でした。

ナタリー役は村川さん。
一足飛びに大人になることを求められ、それに応えようとして、
でも母や父を求めずにはいられない10代のアンバランスさを繊細に見せてくださいました。
結果的に彼女は“大人になること”―――母の選択を受け入れることを選んだけれど、
彼女にそれを決めさせたのは、やっぱりあの時のダイアナの抱擁と、背を押す手だったんだろうなあ。
彼女の「いつか私も母と同じになるかもしれない(だったかな)」という叫びの切実さに、
胸が引き絞られる思いでした。

でも、そんな彼女をなんの気負いもなく自然体で受け止めたのが村井くんのヘンリーで。
朴訥さとエキセントリックさ、素直さと頑固さ、そして待つことのできる強さを持つ少年でした。
無言で、ただナタリーの傍に居続ける・・・台詞も歌もないそんな瞬間にも、
ヘンリーという存在の揺るぎない強さが感じられたように思います。
うん。
やっぱり今回も、ヘンリーがいればナタリーは大丈夫、って思った。

Dr.マッテン役は新納さん。
ダイアナの妄想内のDr.がとんでもない破壊力ですが(あの緑の照明に違和感ないところが凄い!)、
淡々とダイアナの状態を記録し、ECTを薦め実行するその冷静さがちょっと怖かったです。
テクニックとして患者さんを受容し、患者さんに寄り添えるけれど、
彼は決して患者さんの心に触れることはないんだなあ、と思った。
それはたぶん、精神科医として正しい姿の一つではあるのだろうけど。
でもって、個人的に前半に出てくる神経薬理学者さん(かな?)が可愛くてお気に入りでしたv

ダイジェストでもかなり密度の濃い舞台でしたが、ぜひまたフルバージョンで上演して欲しいなあ。
もちろん今回も観ることができなかった他の二つも!



第2部 10周年記念ガラコンサート
出演:中川晃教、中河内雅貴、海宝直人、Spi、武田真治、岡田浩暉、彩吹真央、新納慎也、
    綿引さやか、白石拓也、山野貴博、千葉直生

《セットリスト》
♪ Sherry (「ジャージー・ボーイズ」より)
♪ December’63 (「ジャージー・ボーイズ」より)
♪ My Eyes Adored You (「ジャージー・ボーイズ」より)
♪ Can’t Take My Eyes Off Of You (「ジャージー・ボーイズ」より)
♪ Who Loves You (「ジャージー・ボーイズ」より)
♪ Feeling Electric(「ネクスト・トゥ・ノーマル」より)
♪ 長い長い日曜日(「BLOOD BROTHERS」より)
♪ 言わない気持ち(「BLOOD BROTHERS」より)
♪ あいつに(「BLOOD BROTHERS」より)
♪ POP!(「ウェディング・シンガー」より)
♪ サタデー・ナイト・イン・ザ・シティ(「ウェディング・シンガー」より)
♪ サパータイム(「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」より)

第二部はクリエで上演されたミュージカルからのコンサート形式。
極上のハーモニーを堪能したり、数曲で作られる世界に浸ったり、思いっきり手拍子したり、
それぞれのMCに感心したり大笑いしたり……ほんとに豪華でしたv

最初はアッキー率いるフォーシーズンズ!
久々に拝見しましたが、やっぱりとんでもない歌上手さん揃いですねーv
前方席だったので、アッキーのトワングもほぼ生声のように堪能させていただきました。
2曲終わったところでトークだったのですが・・・楽しかった(笑)。
中河内くんは、この日からの参加。
クリエの思い出を聞かれて、代役で3日の稽古で舞台に上がらなくてはならない時があって、
その時に沢山の人に助けてもらった、ということを話していました。
その舞台だけではなく、そうやっていろんな人に助けてもらったから今がある、的な?
真面目な語りっぷりに自分でツッコミを入れてらっしゃいました(笑)。
海宝くんは、JBの歌のハーモニーの難しさについて。
本当に綿密に繊細に作って行っているのでとても大変なのだとか。
そんな真面目な話の最中に、中河内くんが海宝くんの顔を覗き込み・・・
前の曲で綿引さんから送られたキスマークが気になって仕方なかったらしいです(笑)。
うん、確かに絵に描いたように綺麗なキスマークでしたv
そんな海宝くんに向かって「別のフォーシーズンズでもご活躍で」とアッキー。
劇団フォーシーズンズネタは定番なのかしら?
Spiさんは、これまで出演した舞台のことを。
20回くらい早替えのある舞台があって大変だったのだとか。
また、今回からJBメンバーに加わって、練習も始まっているんだけど、
海宝くんも言ってたみたいにハーモニーを創るのがすごく大変で、でも勉強になる的なことを。
時々刀を振ってるんだけど、そちらにも役立っている、と言っていました。
というか、ここでまさかの刀ミュネタが出てくるとは思わなくて、思いっきり動揺しましたよ私は!
しかもアッキーが「刀振ってるの?」ってつっこんで、
Spiさんが「槍とか」って答えたものだから、更に疑問符だらけになったらしく、「ごめん、わかんないや」と(笑)。
わかる?と振られた海宝くん、笑いながら「わかんない」って言ってたけど、
海宝くんと中河内くんはわかってたんじゃないかと思う(根拠なし)。
後ろの方から笑い声も聞こえてたけど、多分大多数の人はアッキーと同じ感覚だったんじゃないかなー。
「審神者、手を挙げて!」とか言われなくて良かった(笑)。

いやでもSpiさんが刀振ってるミュージカルは、もう一人JBメンバーも出演してるし、
実際彼らが出演したことで、ミュージカル度アップしてたと思うので、
アッキーもちょっとチェックしてみるといいよ?(笑)
とりあえず、こちらでちょっと見れるので、ご興味のある方はどうぞv

話を戻しまして(笑)。
その後アッキーがコンサートと再演の告知をして、アッキーのソロ2曲。
紹介は中河内くんだったんですが、もしかしボブ・クルーのまねしてましたか?・・・って違うか(え)。
♪Can’t~は、舞台で観た時は本当に哀しい曲だと思ったのだけれど、
単発で聴くと凄く洒脱な大人の曲だなあ、と思ってみたり。
最後の4人+アンサンブルさんでの♪Who Loves You は、とにかくハーモニーが美しくて!!
思わず目を閉じて聴き入ってしまいました。
薄紅の花びらが幾重にも降り積もっていくような、
暖かな春の柔らかな雨が降り注ぐような・・・まさに至福の時でございましたv
コンサートも再演も、本当に楽しみですv

JBの後は新納さんによるN2Nコーナー。
アッキーがアカペラ即興で「Coming up to 新納慎也~」って歌って紹介。
まさかのフルネーム!(笑)
それを受けて新納さんが投げキッスしてましたv
新納ささんはN2NをNYのオフで観たらしく。
ゲイブが生身の人間ではないとわかったところで、「嘘だ、しゃべってたやん!」と思ったらしく、
(今日初見の人も同じ風に思っているはず!と力説)
もう一度観に行ったら、本当に全く言葉を交わしていなくてびっくりしたのだとか。
で、オフでは1幕最後にショーストップになっちゃうようなDr.マッテンのロックなソロ曲があったらしく。
日本で上演することになって、Dr.マッテン役のオファーが来た時に、あの曲が歌える!と思ったら、
オンに上がるときにカットされていたらしく(^^;)
あったほうがいい!と主張したけれど、物語の深みを出すためにカットされたということで叶わず。
悔しいので作曲家の方に直談判して、歌う許可をいただいたのだとか。
「世界でこの曲が歌えるのは僕だけです!」というドヤ顔が最高でしたv
で、そんないわくのある♪Feeling Electric 。
もちろん英語歌詞で、英語がからきしな私には断片しかわかりませんでしたが、
めっちゃかっこいい曲でした!
いやこれは日本人でも腕を振り上げたくなるって!!
とはいえ、ECTを受けているダイアナの妄想内の緑のDr.マッテンの曲らしいので、
確かに本編に入れるのはちょっと難しいかなあ、と思いました。

その次は「BLOOD BROTHERS」を武田さんと岡田さんが。
私はこの演目は観ていないので、詳しい内容は全然わからないのですが、
それでも一気に物語世界に引き込むお二人はさすが!
1曲目はどちらも8歳くらいの設定で、そこから40代までを演じられたのだとか。
武田さんの役はダウンタウンの少年で、おもちゃが手に入らないから想像のおもちゃで遊んでいて、
いつも馬に乗っている想像をしながら動いているらしく。
演出家の方(かな?)から、「きみが乗っている馬が見えなければ稽古はしない!」とか言われて、
凄く辛かったのだとか。
ちょうど「エリザベート」で小池先生から様式美を仕込まれた直後だったので尚更、と(笑)。
そんな話をしながら、二人のMCはあんまり面白くなくて、照明も地味だよねー、とお二人。
いやいや、十分笑えましたって!(笑)
照明がピカピカしてくれたらいいのに、と繰り返し言っていたら、照明さんが光らせてくれて。
「これが光ったら笑うところ!ということにしよう!」と二人で画策してらっしゃいました(笑)。
で、そんなトークの後の思春期な二人の曲も素敵でした。
これも再演してくれないかなー。

で、彩吹さんと綿引さん、千葉さんによるWSのナンバー。
めっちゃキュートでした!!
衣裳も歌も仕草もやり取りも、全てが可愛くて女子力に満ち溢れておりましたv
その後彩吹さんが呼びこんだのが・・・ジョージな新納さん!!
いやもう頭先から詰めの先まで全身しっかりジョージでした。
この短時間でメイクもネイルもばっちりで凄い!!
でも、Dr.マッテンをやりつつ昼も夜もジョージになるのは大変で、
お肌がガサガサなのだとか・・・そうだよね(^^;)
演出家の無茶ぶりだけど、やるからには完璧にやります!と。
で、お二人でWSの歴史的なお話?
こういうアメリカのB級コメディ的なのはこの界隈(日比谷)ではあまり受けなくて、
日生での初演の時には、FC枠の前方3列くらいしか盛り上がらなかったけど、
カンパニーでいろいろ頑張って、徐々に受け入れられていった的な話をしていました。
そういう状況で、後から参加した彩吹さんは、ちゃんと中に入れるかな、と心配になって、
樹里さんに聞きに行ったのだけど、「全然大丈夫!」(言葉違うと思います)って言われて、
ほんとに大丈夫でほっとしたらしいです。
そんな話をしていたら、ふと彩吹さんが足元を見て、「こんなところに出てる!」と。
時間です、というランプが今日からついたらしいです(笑)。
でも、話が止まらない二人(^^;)
N2Nの新納さんの曲を楽屋で聴いていた安蘭さんが、どういう歌詞なのかわからない、と言っていたらしく。
それを聞いて「馬鹿なの?」とすかさず言う新納さん、関西人だなー(え)。
そう言いつつも、ちゃんと説明してくれる新納さん。
「今日は帰っちゃってると思うから、明日ちゃんと伝えるねー」と彩吹さん。
帰ってるんかい?!という新納さんのツッコミは、私も同時に思いました(笑)。
で、そこからの♪サタデー・ナイト・イン・ザ・シティ は、もうほんとに楽しかったです!!
こういう何も難しいこと考えずにカラッと笑って楽しめて、
でもちゃんと泣かせる要素もある完璧なハッピーエンドなミュージカルも、私は大好きです。
これもぜひまた再演してくださいねー!

最後はアッキーのスヌーピー。
「幸あれ~」と言いつつ二人が去ってしーんとした舞台の上で、
「一緒にいてくれてもいいのに」的なことを呟いたアッキーが可愛くv
でも、しっかり喋り出すアッキー、さすがです!
これまで、天才っぽいモーツァルトとか、天使みたいな天草四郎とか、そういう感じの役をやっていて、
次はスヌーピーです、と言われたときに、
「あのスヌーピー? あのスヌーピー?って3回くらい聞きました」と。
4コマ漫画みたいな短いエピソードのミュージカルだけど、
それぞれにちゃんとメッセージがあって、というようなことを言っていました。
そんな話をしていたら、下手から白と黒の毛皮のコートが差し出され!
「これを羽織ると犬になれるんです」と何度か羽織る振りをするアッキー。
きちんと着た後、言葉通りに一気にスヌーピーになりました。
うん、あの遠吠え、久々に聴けて嬉しいなあv
♪サパータイム もほんとに楽しくてにこにこしながら見入ってしまいました。
アンサンブルさんと一緒に、舞台上を走り回ってるアッキー可愛いv
この曲のアンサンブルさんの衣裳(大きめの赤いセーターと白いボトム)も可愛かったです。
曲の終わりは、チャーリーのぬいぐるみが差し出されて村井くんの声で台詞。
村井くんも帰っちゃったか(笑)。
スヌーピーの最後の台詞も可愛かったです。
ほんとに隅から隅化で可愛い曲だなあv

そんなこんなでとっても濃密で大満足なガラコンサートでした。
カーテンコールのみなさんの笑顔も素敵だったなあ。
ジョージな新納さんだけでなく、武田さんやアッキーからも「幸あれ~」をいただきましたv
この「幸あれ~」は、観客にでもあり、シアタークリエにでもあるんだろうな。
こんな風に役者さんにも観客にも愛される素敵な劇場の、素敵な祝祭に参加できてとっても幸せでした。
20周年の祝祭も、参加できたらいいなあ、と思います。
・・・10年後の自分なんて、全然想像がつかないけどね(笑)。

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