きれいはきれい きたないはきたない

きれいはきたない
きたないはきれい

「マクベス」の、このあまりにも有名な言葉を初めて知ったのはいつだったろう。
本で読み、舞台で観て、どなたかの感想ブログや劇評を読んで、
この言葉の解釈を考えて、なんとなく納得した気持になったり、答えに辿り着いた気持ちになったり。

でも。
心のどこかでは、ずっと思っていた。

それが、他者にとってどれだけきたないものであっても。
それが、自分も、誰かも、哀しいほどに傷つけてしまうことになってしまっても。

自分の中の揺るがない何か。
それは絶対に。

きれいは、きれい。


少年社中20周年記念第一弾
「ピカレスク♦セブン」

2018.1.8 マチネ サンシャイン劇場 1階16列20番台
2018.1.13 ソワレ サンシャイン劇場 1階16列10番台

脚本・演出:毛利亘宏
出演:鈴木勝吾、宮崎秋人、細貝圭、椎名鯛造、唐橋充、佃井皆美、堀井直毅、山川ありそ、
   今田太良、相馬圭祐、大竹えり、廿浦裕介、杉山未央、竹内尚文、松本寛也、内山智絵、
   川本裕之、岩田有民、加藤良子、丸山敦史、長谷川太郎、大高洋夫、神谷浩史(ナレーション)


徳川幕府による太平の世が盤石の体制となりつつあった三代将軍トクガワイエミツの時代。
けれど、日の本を導くべきトクガワイエミツ(宮崎秋人)は悩んでいました。
何のとりえもない自分には、この国を導く力はない、と。
そこで彼は夢枕に立った祖父トクガワイエヤス(大高洋夫)のお告げに従い、関ケ原の古戦場に赴きます。
そこで出会った不思議な笛吹き・ピピ(加藤良子)の力で、祖父を蘇らせたイエミツ。
しかし、イエヤスはイエミツに刀を向けて言い放ちます。
お前を助けるために、お前の代わりに自分がこの国を治めよう、と。
そして、ピピに命じて呼びよせた者たちを使い、日の本を焼け野原にしてしまいます。
希代の悪人として蘇ってしまった祖父を止めるべく、イエミツもピピに頼み、
悪は悪で制するとばかりに、物語や歴史上の7人の悪人たちを呼び出します。
けれど、集まったのは当然のことながら“悪人”ばかり。
自分の興味に従って好き勝手に動く者。
こっそりと裏切りを画策する者。
過去に潰えた夢を叶えようとする者。
自分がこの国の王になると明言する者。
誰一人思い通りに動いてくれない状況の中で、イエミツに突きつけられる出生の秘密。
そして、明確になる自分自身の望み。
そんな彼が、最後に対峙した「日の本の王」となった男とは―――?

というような内容でした。
少年社中さんは以前から気になりつつも、なかなか観劇するご縁がなく。
これまで見たことがあるのはお友達にオススメされた「三人どころじゃない吉三」のDVDのみ。
なので、生の舞台はどんなふうなのかなあ、とちょっとドキドキしながらの観劇だったのですが・・・

めっちゃ面白かったです!!

色鮮やかな舞台セットの中、色鮮やかな衣裳を纏った登場人物たちが発する、
セットや衣装を凌駕するほどの鮮やかさと力をもって描き出される言葉たち。
息もつかせぬ怒涛の展開の中で、不意に差し込まれる静謐な瞬間。
それぞれに信念を持った魅力的な登場人物たち。
キャストも多いし、情報量も多いし・・・というか初回はほとんど前情報を仕入れずの観劇で、
キャストと役名が一致しているのが3人だけ、という状況の観劇で、
正直お話についていくのに精一杯なところもあったのだけれど、
それでも、キャスト一人一人がそれぞれに際立っているのがとにかく凄いと思いました。
2回目に観た時は、ストーリーの流れがわかっていて、更に台詞が受け取りやすくなっていたせいもあり、
それぞれの痛み、覚悟、望み、そして未来に、後半はもう泣けて泣けてしかたなかった。
もちろんメインのキャストはいるのだけれど、
この舞台は登場人物の全員が“主役”なのだと、何だか強く思ってしまいました。

20年目にして新参者で、ずっと長くこの劇団を応援してこられた方々とはちょっとスタンスが違ったのか、
笑いのツボがずれてしまったり、以前の舞台とのリンクがわからなくて戸惑ったりもありましたが、でも。
また機会があったら是非観てみたい劇団になりました。

そんなわけでとにかく情報量の多い舞台だったので、きちんとした感想は書けそうにないので、
役者さんの感想を少しずつ。

マクベス役、鈴木勝吾くん。
名前は聞いたことがあるけど、拝見するのは初めて。
何とも麗しいマクベス様でした。
菅野文さんが「マクベス」を漫画化したらこんなビジュアルなんじゃないかなー。
(「薔薇王の葬列」新刊面白かった!!)
登場の冒頭から、再び火のついた己の野心に従う、と日の本の王になることを明言するマクベス。
またしても自分にまとわりつく魔女たちの予言を鼻で笑いながら、
邪魔なものを殺し、裏切り、脅し、篭絡し、言葉通り日の本の王になった彼は、
そこで己の“野心”に向き合うことになります。
ダンカン王を殺した時のあの“野心”が、本当は誰のものであったのか。
誰を守るために―――誰を守れなかったがために、その“野心”は彼のものとなったのか。
傍若無人で容赦のない、まさに美しい悪人の姿を具現したかのようなマクベスが、
日の本の頂点に立ち、王の証のように真っ白なマントを纏ったその姿は、
なぜかひどく頼りなく、はかなげに見えた。
ダンカン王を殺した“野心”は己のものではなかったことを。
自分の弱さが、妻の野心を暴走させ、そして妻を破滅に導いたことを。
己の望みが、ただ愛されることであったことを。
王という孤独の中で、突きつけられ、認めて、
けれどその上でもう一度それは己の“野心”であると言うマクベス。
そう在ることが、己の、そして愛した女の生き様であると。
そう覚悟を決めてイエミツとの最後の戦いに臨む彼の姿は、
ぼろぼろで、無様で、決して美しくもかっこよくもなかったけれど、
でも、それまでのどのシーンのマクベスよりも、生き生きとしていたように感じました。

宮崎秋人くん演じるイエミツもそう。
マクベスとは表裏という感じで、全然自分に自信がなくて、
唯一のとりえの笑顔を振りまいては、困ったことがあると誰かに頼ることしかできないおぼっちゃん。
真っ白な衣裳そのままの、天真爛漫で疑うことをしらない彼が、
自らが呼びだしたイエヤスにより日の本が壊される様を目の当たりにし、
自分の無力を突きつけられ、
更には自分の本当の両親がイエヤスと春日局であること、そして本当のイエミツは殺されたことを知らされ、
呼びだした悪人たちに騙され、裏切られ、
マクベスに殺されることを望むほどに打ちのめされるわけなのですが・・・
その中で、彼は自分の中の揺るぎない望みに気づいていくんですよね。
「日の本の民に笑っていてほしい」という望みに。
そして同時に、その望みを叶えるためには、笑っているだけではだめなんだ、ということにも気づく。

自らの望みを叶えるために、誰かの望みを打ち砕く。
自らの望みを叶えるために、それを阻む誰かの命を奪う。
自らの望みを叶えるために、自分自身が罪を背負う。
自らの望みが、他の誰かにとっては悪であることを。
自らの望みが、決して一点の曇りもない「正義」ではないことを。

イエミツはちゃんと理解して、その重みを背負う覚悟をして、マクベスに対峙した。
打ち砕いたマクベスの命を―――望みを、生き様を受け止めて、
その上で自分の望みを叶えるために未来へと歩んでいく。

二人の最後の戦いは、上記のように決してかっこいいものではなくて。
でも、ぼろぼろになりながら戦う二人を囲んで、登場人物たちが放つ言葉たちは、
その中の、「きれいはきたない きたないはきれい いや きれいはきれい きたないはきたない!」
という言葉の含む清々しいほどの強さと、哀しいほどの覚悟に、
冒頭で同じ言葉を聴いた瞬間とは全く異なる感慨に、胸が震える思いでした。

最後、去っていくピカレスクセブンたちへ向けたイエミツの言葉にも泣けた。
「僕、馬鹿だから言い忘れてた! 僕も頑張るからみんなも頑張れ!」
たぶん、こんな言葉だったと思うのだけど、「馬鹿だから」という言葉の響きがそれまでと全然違った。
うん。
イエヤスはきっと大丈夫。そんな風に思いました。


織田ノブナガ役は細貝圭くん。
舞台で拝見するのは久々かなあ。
骨太な存在感のかっこいいノブナガ様でした。
ピカレスクセブンとして呼び出されながら、天下を手にするのは自分、とかつての部下たちを集め、
イエヤスにもガッツリ心理攻撃を仕掛けつつもマクベスにやられちゃうわけなのですが、
何というかほんとにノブナガってあの時代のヒーロー何だなあ、と思ってしまった。
ヒデヨシもイエヤスも、行動の基本がノブナガ様なんだよね。
そういう人間的な魅力も見せてもらったように思います。
でもってダンスも殺陣もキレキレでしたv


ピーターパン役、椎名鯛造くん。
今回の観劇の一番のお目当て(笑)。
いやー、めっちゃ可愛かった!!
パパゲーノみたいな衣裳もとってもお似合いで、子どもの我儘さと頑なさと愛らしさを、
まんべんなく振りまいてくれました(笑)。
縦横無尽に舞台を駆けまわる身体能力はさすが。
フック船長とペアな感じだったのですが、二人が同じ格好でキメるのも微笑ましくv
ピーターパンが悪人?って思ったけど、確かに子どもを誘惑して連れ去っちゃってますな(^^;)
ピカレスクセブンの一員ではあるけれど、彼の中で大切ものは最初から最後まで揺るぎなくて。
そのシンプルな在り方は見ていてとても安心感がありました。
以前少年社中さんの別の舞台でピーターパンの影を演じていたらしく。
その時のピーターパンが井俣さんだったのかな?
二人の初対面のシーンで「なんだかしっくりくるー!」的なことを言ってました。
DVD売ってるかチェックすれば良かったなー。


フック船長役は唐橋充さん。
フック船長の衣裳がとんでもなくお似合い!
自身の在り方も、ピーターパンとの距離感も、こちらも全くぶれがなくて。
台詞自体は決して多くはなかったと思うのですが、
台詞以外のところで伝えてくださるものも多かったし、
一か所凄く重みのある台詞を、でももの凄く自然体で言っていて、
これは唐橋さんならではかなあ、と思いました。
とりあえず、フック船長とピーターパンにはネバーランドで幸せに暮らしてほしい(え)。


ジャック・ザ・リッパー役は佃井皆美さん。
タイバニの舞台のパオリン役だったお嬢さんですよね?
見に行けなかったけど、デルフィニアのリィもやっていたはず。
いやもうさすがの身体能力でした!
回し蹴り、めっちゃかっこいい!!
舞台の中で一番小柄だけど、最強なんじゃないかと思いました(笑)。
貴族の家に生まれて、兄が死んだために男として育てられる中で、
女に対して歪んだ憎しみを持ち・・・というような背景?
そんな彼女のトラウマを力技でマクベスが暴いて自分の女にしてしまうわけなのですが、
殺伐とした雰囲気なのに、とんでもない純愛を見せられた気持ちになりました。
二人の間に在るのは、多分“女”というもののそれぞれの概念なのかな、と思った。
王になったマクベスにジャックは別れを告げて、
マクベスを倒すための新たなピカレスクセブンとなるわけなのだけど
(このピカレスクセブンのメンバーチェンジも良かったなあ!)
なんとなく、彼女はマクベスの真の“望み”がわかってたんじゃないかな、と思った。
だから、彼女は彼を助けるために、王であるマクベスを倒そうとした。
最期、マクベスの手にかかって死ぬときのジャックの微笑みが本当に綺麗で、
あの瞬間にマクベスの中の何かも解放されたんじゃないかな、と思った。
二人にはあの世で幸せになってもらいたい。


ファントム役は堀池直毅さん。
なんというか、利用されるばかりで非常に哀れな役回りなのですが、
(ピカレスクセブンで呼び出されたのに、劇中で2~3回殺されちゃうのよ(^^;))
マクベスの深層での望みを明確にするためにはなくてはならない存在だったんだろうな、と思う。
彼の存在があったことで、マクベスの「自分を愛して欲しい」という心情が、
凄くクリアになったような気がしました。
しかし、ファントムは基本武闘派ではないと思うので、呼び出されたのは人選ミスな感も無きにしも非ず(え)。


リチャードⅢ世は山川ありそさん。
蜷川シェイクスピアに出てきそうな、正統派なリチャードでした。
いろいろ画策して策士を装いながらも、その策が自由奔放な他の悪人たちによって、
悉く違う方向に持っていかれてしまうという(^^;)
でも、基本的に凄くいい人感が感じられるリチャードで私は好きだったなー。


魔女①の井俣さん。
魔女なのだけれど、あっという間に殺されちゃったファントムの代わりに、
愛新覚羅ヌルハチ(かな?)として蘇るわけなのですが、めっちゃ重要人物!!
劇団の核的な役者さんなのですね。
ちょっとオネエの入った(魔女だけに)キャラなのですが、
とんでもなく漢気溢れていて、マクベスに対しても、他の人たちに対しても、
愛情のようなものが感じられました。
反りの強い大きな刀をぶんぶん振り回す殺陣も豪快。
彼(彼女?)の目的を私はちゃんと理解できていないとおもうのだけれど、
彼がいてくれて良かったなあ、と思いました。
冒頭の自己紹介シーンも彼のプロデュース(?)でしたしね。みんなかっこよかったv


魔女②の相馬圭祐さん。
冒頭のマクベスのシーンでマグダフも演じてらっしゃいました。
魔女①が変身(違)しちゃったので、魔女③の大竹えりさんと一緒のことが多いのですが、
お二人の動きがシンクロ擦る場面とかもあって、ちょっと目を引かれました。
魔女③のマクベス夫人もお綺麗だったなあ。


トクガワヒデタダ役は廿浦裕介さん。
平凡な二代将軍と言われ続けて、劇中でもいろいろ迷走していましたが、
それが個人的に殺伐とした舞台の中でちょっと癒しな感じでした。
というか、実はこの舞台で一番泣けたのがヒデタダの最期のシーンだったりします。
イエミツが実はイエヤスの子で、自分の子どもは生まれてすぐに殺されたと知ったヒデタダ。
けれど、イエミツがイエヤスを倒そうと決意した時に、
彼はイエミツが振りおろした刃の前に駆け込んでこんなようなことを言うのですよ。
「最初の殺生が実の父というのはあまりにも辛いから」
いやもう有無を言わさず泣かされました!
なんだろう。
この彼の行動の中に、彼の生き様が全部詰め込まれているような感じで。
まあ、これでイエミツの最初の殺生は実の兄になっちゃったわけですが(^^;)


春日局役は杉山未央さん。
ジャックとは別の意味で最強でございました・・・
この人も本当に信念の人だなあ。
きっとこんな状況にならなければ、イエミツに対して母とは決して名乗らなかったと思う。
派手な衣装と突飛な行動の中に、凛とした強さが感じられる存在でした。


ハンゾウ役、竹内尚文さん。
地味にいい仕事をされていたように思います。
最初はイエヤス陣営にいたけど、イエヤスの最後の命を受けてイエミツ―――徳川家に忠誠を誓い、
ピカレスクセブンの一人となったハンゾウ。
彼がいれば、イエミツは大丈夫なんじゃないかなあ、と思わせてくれる何かがありました。
うん、途中で自害しなくてよかったね(笑)。


豊臣ヒデヨシ役、松本寛也さん。
・・・猿でした(笑)。
なんというか、彼を通してノブナガのカリスマ感が明確になったというか。
結構重要な台詞をおっしゃってたと思うのですが、「ウキッ」のインパクトに追いやられてしまいました。
・・・申し訳ない(^^;)


巴御前役は内山智絵さん。
あ、智絵さんだから巴御前なのかな?(違うか(^^;))
薙刀をぶんぶん振り回したり巴投げをしたりめっちゃ強そうでしたが、
案外あっさりやられちゃってちょっと残念でした。
男は強くなくては、という彼女の信念も揺るぎがなかったなあ。
ああいう優先順位のしっかりした役柄、結構好きだったりします。


ぬらりひょん役は川本裕之さん。
この役もある意味最強?
イエヤス→ノブナガ→マクベスとどんどん仕える相手を変えて行って、呼ばれ方も様々でしたが(笑)、
妖怪としてのスタンスを貫いて、最後まで飄々とこの物語を通り過ぎていった感じ。


そうりだいじん役は岩田有民さん。
個人的に凄くかっこいいなあ、と思った役柄でした。
政治家の諸々をデフォルメ(してないかも?)して描いているわけなのですが、
ロシアの大統領に教わった体術とか、アメリカの大統領にゴルフの時にもらった銃とか使いこなして、
実は何気にめっちゃ強かったです。
イエミツに倒されたイエヤスに向かって、心情を吐露するところには泣けました。
政治家的な行動をしながらも、彼の中にはちゃんと熱い想いがあるんだなあ、って。
まあ、実はイエヤスは死んでなくて、
そうりだいじんがいた世界―――呼び出される前日に戦争が始まった“現代の日本”に共に向かうわけですが、
(自衛隊が一緒に呼び出されたのは、そういう状況だったからか!!)
この二人がいれば、そちらの日の本も大丈夫なんじゃないかな、と思いました。


ピピ役、加藤良子さん。
神様の笛吹きピピ。
作っても作っても悪人ばかりになってしまう人間に見切りをつけて去っていった神様に、
人間を見守るよう言いつけられたピピ。
でも、人間は悪人しかいなくて―――
いつしか彼女は自分が何のためにいるのかがわからなくなっていたのかな、と思う。
そんな彼女が、イエミツと出会うことで、彼の望みを知ることで、
「ハッピーエンドが見たい」という自分の望みにも気づいていく。
まあ、人間とは違う行動原理なので、いろいろ騒動を引き起こすわけなのですが(^^;)
イエミツがマクベスに勝って、ピカレスクセブンたちが解散して、
ハッピーエンドが見れた、と安堵したピピに向かって、イエミツは言います。
「これはハッピーエンドじゃない。物語の始まりだ」と。

善人と悪人。
ハッピーエンドとバッドエンド。
物語の終わりと始まり。
それは決して明確には分けられない。
誰かの正義は誰かの悪で、誰かの悪は誰かの正義。
誰かの物語が終わっても、その先に次の物語が始まっていく。
“神様”のように絶対的な存在ではない“人間”だけが持つ揺らぎ。
だからこそ鮮やかに存在するそれぞれの信念、そして、未来。

イエミツの最後の「頑張って!」という言葉を最後に舞台は闇に沈んでいくのだけれど、
その中で、ピーターパンの満面の笑みと、呆然としたようなピピの横顔が印象的でした。
あの瞬間、ピピが感じていたのは絶望だったのかな。
完璧なハッピーエンドと思ったものがそうではなかったこと。
ハッピーエンド―――終わりなんてなくて、人は生きていかなくちゃいけないんだってこと。
そして、その状況では、きっと神様は帰ってきてくれないということ。
いろんな感情があの横顔の中にはあるようで・・・
それぞれの登場人物たちの“未来”を感じさせる終わりの中で、ピピだけが取り残されているようだった。
それが、なんだかとても気がかりでした。


悪の秘密結社の大首領役、丸山敦史くん。
拝見するのはめちゃくちゃ久々なのですが、やっぱりちょっと心惹かれる役者さんでしたv
というか、最初丸山くんだって気づかずに、大首領かっこいい!!って思ってたからね(笑)。
悪の秘密結社としての悪の美学を徹底追及して、
ヒーローに倒されてこそその美学が成り立つ、という大首領。
仲間に対しての情に厚く、人を見る目があって、信念も揺るぎない。
長髪も長いコートみたいな衣裳も、両刃の長い剣を振りぬく殺陣もとてもお似合いで。
うーん、普通にかっこいい役柄だよね?
その美学の到達点に絶望した部下に最終的に倒されてしまうわけなのですが、
その瞬間も部下を褒めることを忘れない大首領の素晴らしい上司っぷりに、
場違いだけど気持ちがほっこりしてしまいました。


で、その部下の黒い全身タイツの男役、長谷川太郎さん。
最初は真っ白な全身タイツで、悪がわからない―‼と言いながら、大首領と一緒に楽しそうに行動するのに、
なんだかとっても癒されましたv
彼とヒデタダとピピがそろってお返事するのも微笑ましくv
でも、大首領を倒した後、大首領の剣を手に出てきた時、その姿は真っ黒になっていて・・・
その後の彼のシーン、私はめっちゃ泣けたんだけど、周りは結構笑いが起きてて。
うーん、少年社中的に、ここは笑うところなのかな?
いやでも私は二人の関係性とか、彼の絶望とかそういうところがとても心に響いたので、
これはこれでいいや、と思いました。
で、見事にピカレスクセブンになった彼に拍手を贈りたい!


トクガワイエヤス役、大高洋夫さん。
これまた見事な狸親父でございました。
でも、その行動の根底に、ノブナガ様への憧れと尊敬という純粋な気持ちがあるのが素敵だなあ、と。
まあ、イエミツにとっては大迷惑ではありましたが(^^;)
彼がノブナガのように自由奔放な行動で天下を取ろうとしたのが、
本当に彼の真意だったのかどうかはわからないけれど、
イエミツに対しての心情も、決して嘘ではないんだろうな、と思う。
そういう意味では、この物語の中でもっとも揺らぎの感じられる存在だったかもしれません。
とりあえず、そうりだいじんと一緒に未来で大活躍して欲しいです!(笑)


色々書いてたら、また観たくなっちゃったなあ。
見るたびにいろいろ発見がありそう。
DVDを買おうかどうかちょっと悩んでみようと思います。
というか、ぜひまた少年社中さんの舞台に行ってみたいなあ。
そんな機会があることを祈りつつ・・・

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