デトックス

まだ2月なのに、春のような陽気ですね。
通勤途中、蝋梅が咲いたな、と思ったら紅梅が咲き始めて、
昨日あたりから白梅もちらほら綻び始めました。
車の中では感じられないけど、きっと梅の良い香りがしているんだろうな。

そんな春の花のように、誰もを幸せにしてくれるミュージカルを観てきました。


「キューティ・ブロンド」

2017.2.16 シアタークリエ マチネ 16列一桁台
2017.2.16 シアタークリエ ソワレ 4列10番台

出演:神田沙也加、平方元基、植原卓也、樹里咲穂、新田恵海、木村花代、長谷川初範、
   まりゑ、美麗、MARIA-E、武者真由、青山郁代、折井理子、濵平奈津美、山口ルツコ、
   上野聖太、髙瀨雄史、棚橋麗音、古川隼大


2年前の初演が大評判だったこのミュージカル。
初演が終わる前に決まっていたこの再演を心待ちにしておりましたv
今回は幸いなことに後方席から1回、前方席で1回観劇させていただいたのですが・・・
いやー、沁みた。
マチネもソワレも、♪リーガリー・ブロンド の辺りから最後まで泣き続けてしまいました。
たぶん、今の私にはこの物語が必要だったんだろうな、と思う。
そして、その中心には、やっぱり沙也加ちゃんのエルがいました。

沙也加ちゃんのエルは、遠くから見ても近くで見ても本当に魅力的。
表情も声も本当に豊かで、ボケもツッコミも容赦なくって(笑)、一瞬でも目を離せない感じでした。
マチソワだから、それぞれ注目するところを変えて観ようと思っていたのに、
どうしてもエルに目を奪われてしまいました。
そんな豊かな表情も、進む先を見据えた時の凛とした強い眼差しも素敵だけど、
沙也加ちゃんのエルは笑顔が本当に本当に素敵で。
だからこそ、彼女が自分の笑顔をあんなふうに言うのが、本当に辛かった。

女性であること。
ブロンドであること。
そんな、自分ではどうにもならないことで否定される瞬間。
それまで前向きに、誠実に、一生懸命頑張ってきたことが、
そして、自分の存在そのものが、全て崩れ去るかのような、あの絶望―――
あんなにも溌剌としていたエルが、♪リーガリー・ブロンド では、消えてしまいそうなほど儚く見えました。
でも、だからこそ、その後のヴィヴィアンの言葉に、なんだかもう涙を止めることができませんでした。
なんというか、こういう自分を肯定してもらう瞬間って、凄く大事なんだと思う。

それでいいんだよ。
そのままでいいんだよ。
私はあなたのことを見ているよ。

そう言ってもらうだけで、どれだけ救われるか。
どれだけ、次に向かう勇気をもらえるか。
もちろん、エルの頑張りは、誰かに褒めてもらうためでも、認めてもらうためだけでもないと思う。
それは自分が選んだ、自分のためのことだと、彼女はきっとわかってる。
だからこそ、誰かに力を借りることはあっても、寄りかかったり甘えたりはしていなかった。
その強さや潔さはもちろん彼女の魅力の一つなのだけれど、
でも、それだけでは立っていられなくなるときってあるよね。
自分の居場所を、在り方を見失ってしまった時、誰かの視線や言葉が絶対に必要で。
あの絶望の果てに、彼女にそれが与えられたこと。
そして、それは、これまでの彼女自身が構築した関係性であること。
そのことが、なんだか自分でも不思議なくらいに嬉しくて仕方がなかった。

エルがもらった―――あるいはたどり着いた、次へ向かう勇気。
このミュージカルで、私もその勇気をもらった気がする。
きっとそういうメッセージも込められているんじゃないかな。
エルの姿を見ることで、私自身も背筋が伸びるし、また頑張ろうって思える。
こんな気持ちになれるミュージカルってそうそうないよね。
自分でもびっくりするくらいたくさん泣いたけど、観終わった後の幸福感というか爽快感が凄い。
なんというか、思いっきりデトックスされた気がします(笑)。
本当に、観ることができて良かった!
そして、ますます役者としての沙也加ちゃんが好きになりました。

エメットは今回平方くん。
初演の佐藤くんとはまた違った、ワンコのようなエメットでした。
エルを教え導く、というよりも、一緒に成長していく感覚が強かったかなー。
もちろん、弁護士としてはエルの何歩も先を歩いているのだけれど、
彼の素直なリアクションとか、口を尖らせながら苦笑いするような未熟さとかがあった気がする。
でも、だからこそまっすぐにエルに向かう感情がとても鮮やかで微笑ましくv
歌声も良かったなあ。
デパートメントストア(笑)でのロングトーンには、思わず聞き惚れちゃいました。
そういえば、今回初めて平方くんにときめいたんだけど、どのシーンだったかな・・(え)

植原くんのワーナーは、基本的には初演と同じ印象。
物語を知っている分、彼の立ち位置とか、感情の揺れに注目することができたので、
♪自分の道 での彼の表情の変化をちゃんと観ることができて嬉しかった。
この曲で、エルはワーナーと別れたこと―――傷つけられたことで、踏み出すチャンスを得た、と歌います。
そして今度は、エルとの決別の痛みを受け止めたことで、
ワーナー自身が踏み出すチャンスを、前へ進む勇気を得たんだと思う。
そういうふうに痛みをチャンスへと変えていく強さが、きっと彼にもある。
そう感じさせてくれる、真摯で強い眼差しだったと思います。

新田さんのヴィヴィアンもやっぱりかっこよかったなあ。
1幕の彼女の行動は、気持ちがエルに寄り添っちゃう分、凄い意地悪に感じられちゃうんだけど、
でも、彼女の空回りさや余裕のなさが今回はちゃんと見えた気がします。
というか、多分私ってエルとヴィヴィアンだったらヴィヴィアンよりなので(え)、
なんだか凄いいたたまれない気持ちになりました(^^;)
でも、やっぱりヴィヴィアンも、大切なものは見誤らない人なんだなあ・・・
でもって、ヴィヴィアンとエルを見ながら、内心で「宿敵はまたとない友」と呟いてしまいました(笑)。

宿的ではなく、最初っからエルのまたとない友だった樹里さんのポーレット。
今回も素敵だったなあ。
♪アイルランド には、やっぱり泣かされてしまいました。
あんなふうに、誰かに寄り添い、力づけ、幸せを願うことのできる人が、
幸せになれないはずがない!と心底思いました。
なので、上野くん演じるカイルとの距離が縮まっていくのは、
コメディタッチの描かれ方だけど凄く切なかったし、幸せな気持ちになりました。

花代さんのブルックは、今回もめっちゃパワフルでした!
前方席で観ると凄い圧倒されるよね・・・
でもって、やっぱりエルとの初対面のシーンのテンションが、
女子高っぽくって凄い可愛かったし懐かしかった!
最後の裁判のシーンで、エメットが教授の行為を揶揄した時に、
隣に立って自分に頭を寄せてくるエルの頬を、よしよしって感じに撫でるのも女子高っぽかった!(笑)
今回は、ブルックが年上の旦那さまをちゃんと愛してたんだ、ってわかる瞬間もありました。
最初のブルックの頑なさ、自分のアリバイを隠すためだけじゃなかったんだよね。
なさぬ仲の娘と、どうにか歩み寄ることはできなかったのかな・・・
まあ、あの強烈な個性の二人じゃなかなか難しいか(^^;)

圧倒されたといえば、コロスのみなさまも!
前方席で観た時には、彼女たちが出てくると思わず体が後ろに引けたもの(笑)。
特に、まりゑさんは凄かった!
コロスというか歌舞伎・・・?って思った瞬間もあったけど、
とにかく出てくるシーンは隅から隅までパワフル!
歌声も、知っている声だから、というのもあるかもですが、飛びぬけて聞こえました。
コロスの存在は、初演の時には実はちょっと違和感があったのですが、
今回はすんなり受け止めることができました。
というか、私にも見えないかな・・・って一瞬本気で思った(笑)。
武者さんのイーニッドともぜひお友達になりたいけど、
コロスのみなさまも傍にいてくれたら心強いだろうなあ。

長谷川さんのキャラハン教授は、仕草の一つ一つがかっこいいのと同時に胡散臭くて、
さすがだなあ、と思いました。
歌声も、朗々と響いていて!
エルの“正義”との対比として、狡猾で打算的に描かれているけれど、
それだけではない教授の“正義”も感じられました。
とはいえ、教授のエルへの行動の理由というかきっかけが、
初演に引き続き今回もいまいち理解できないでいたのですが、
マチソワ間にパンフレットの対談を読んで、教授の裏設定を知った上でソワレを見たら、
なるほど!と思いっきり納得してしまいました。
なんというか、教授にも幸せになってほしいなあ・・・

そして、このミュージカルに無くてはならない存在、ブルーザー!
・・・めちゃくちゃ可愛かったv
マチネで遠目で観た時にぬいぐるみかな、と思ったシーンも生身(笑)のブルーザーで、
ちょっとびっくりしたりも。
毎日あの大音量と照明の中にいるのは、小さなワンコには大変だと思うけど、
ブルーザーがいる意味ってすごく大きいと思うの。
なんというか、有無を言わさずに気持ちを和ませるというか・・・生身の温もりって大事だなあ!
抱っこするキャストのみなさんの表情も本当に優しいしv
カーテンコールでの平方くんとブルーザーのやりとり(?)がとっても可愛かったです(*´▽`*)
地方公演も沙也加ママと一緒にまわるのかな?
東京公演も折り返しを過ぎたところだし、まだまだ先は長いですが、
ブルーザーはもちろん、キャストもスタッフも、風邪やけがなどに気をつけて、
元気に楽しく、このミュージカルで日本中の人を幸せにしてほしいなあ。
応援しております!

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