正道

先週からの尋常でない暑さも、今日からちょっと和らいだ感じですね。
5月末で真夏日とか、ほんとやめてほしい(>_<)
でも、湿度が低かった分、梅雨時の真夏日よりは過ごしやすかったような気がします。
今週は後半に出張があるので、このままあまり気温が上がらないといいなあ。
とりあえず、書けるうちに先週末の観劇記録を!


「レ・ミゼラブル」

2019.5.25 マチネ 帝国劇場 1階Q列30番台

出演:福井晶一、伊礼彼方、二宮愛、昆夏美、三浦宏規、小南満佑子、KENTARO、朴璐美、相葉裕樹、
   大矢臣、岩瀬花音、桑原愛佳、中西勝之、石飛幸治、武藤寛、川島大典、木暮真一郎、中井智彦、
   今井学、新井海人、横田剛基、深堀景介、町田慎之介、佐々木淳平、土倉有貴、田川景一、森加織、
   廣野有紀、三上莉衣菜、湊陽奈、中村萌子、磯崎未伶雅、桃菜、五十嵐志保美、華花、小倉優佳


というわけで、今期最後のレミゼに行ってまいりました!
今回は諸事情(笑)でアンジョとマリウスの組み合わせがほぼ固定なのですが、
思いがけずコゼットとガブローシュ、テナルディエ夫妻もほぼ固定でした。
というか、コゼットは全部小南さんだったよ。
小南さんのコゼットは、幸せになる努力のできるコゼットだと思うので、大好きなのですが、
他の方のコゼットも見てみたかったかなあ。
複数キャストを網羅するには、チケット争奪戦が凄まじすぎて、
どうしても見たいキャスト中心になっちゃいますね。
私が初めてレミゼに嵌ったころは、
仕事が落ち着いてるから時間給取って明日行く!なんてこともできたのですが。
このミュージカル人気が、ミュージカルの発展に吉と出るか凶と出るか・・・こっそり注目していようと思います。

話が逸れましたが、今回は後方センター、でも表情もそこそこ見えます!というお席。
なので、心置きなく映像の深みとキャストのみなさんの生き様を見せていただきましたv

今回初めてだったのは二宮さんのファンテーヌ。
何というか、去っていった男への恋慕というか未練が凄い生々しい印象でした。
彼がくれたであろう飾りへの執着もそうなんだけど、
自分の髪をことあるごとに撫でる手や、髪が綺麗と言われてはっとした時の様子とか、
逃げた男が彼女の髪を綺麗だと囁いたんだろうなあ、と思ってしまう感じ。
愚かで、でもだからこそ普通の女の子がどんどん堕ちていく様が、
濱田さんとは違った意味でリアルで・・・残酷だな、と思った。
そんな執着の強いファンテーヌだったので、ラストシーンはどうなるのかな、と思っていたのですが、
何というか全てを洗い流したというか、脱ぎ捨てたというか、透明感が半端ない感じでした。
執着を捨てると、人はこんなにも穏やかな顔になるのかと、ちょっとびっくりしてしまった。

でも、それって結構福井バルジャンにもつながるのかなあ、とも思う。
福井さんのバルジャンの印象は、前回観た時と大きく変わらなくて、
守るもののために戦って、戦って、戦って―――そしてやり切った!という清々しさを感じました。
コゼットが居るであろう窓を見上げるその笑みが、まさにそんな感じ。
神父様じゃないけれど、よく頑張ったね、よく生き抜いたね、とその肩を叩きたくなるような?(笑)
うん、福井さんのバルジャンも好きだなあv

伊礼くんのジャベールは、ほぼ1か月ぶりなのだけれど、彼の芯の部分が凄くしっかりしたような気がしました。
川口さんの、自分の感情を理性で押し殺すような不器用なジャベールを見たからかもしれないのだけど、
伊礼ジャベールは、自分の感情というか感覚に凄く素直なんだな、と思った。
自分が信じる正義、あるいは正道を、己の感情を押し殺すことなく、本当に素直に歩んでいる感じ。
だから、愚かな学生たちに対しては、自業自得という感じで悼みもしないのに、
自分の正体を見破り、一人銃弾の前に降り立った少年の亡骸に手を当て悼むことにためらいはなかった。
そして、バルジャンに対しても、最後まで自らの正道の上から向き合おうとした。
で、バルジャンも彼の正道の上に立っているわけで・・・
ジャベールを逃がすときに、バルジャンは「わかってないな」と彼に言うけど、
立っている場所も、その価値観も、見据える場所も全く違う二人が、
そう簡単にわかり合えるわけないじゃん!ってちょっとジャベールに同情しちゃいました(笑)。
逆に言うと、バルジャンはジャベールの何をわかっていたのかな、とも思う。
というか、バルジャンは二人の道が決して交わらないことを、
その上で相手の正道を尊重することを“わかっていた”のかもしれないなあ。
それは決してジャベールを理解することではなくて。
でも、もしかしたら、逆に、ジャベールの方がバルジャンの正道を理解しちゃったのかもしれないな。
観終わってからいろいろ考えたけど、この辺はまだすっきりしないので、
是非来期も伊礼くんにはジャベールを演じてほしいです!


相葉くんのアンジョは、銃を掲げて仁王立ちになっている姿が本当にかっこよくて、
どうしようかと思いました(笑)。
私的には、相葉アンジョは小野田アンジョ小野田アンジョのような有無を言わさないカリスマではなくて、
でも、場の空気をじわじわと染め変える説得力があるように見えます。
相手の目を眩ませるような光ではなくて、ひたひたと人の心を満たしていくような、そんな感じ。
ABCカフェのシーンで、マリウスと一緒にじゃれ合ってた学生が、
彼の言葉に、彼の眼差しに、彼の想いに、徐々に惹きつけられていくのに、
場の空気が一つの色に染まっていく様に、なんだか呆然としてしまいました。
で、アンジョと最も近しい位置にいる(はず?)のマリウスとグランテールだけが、
その空気の外側からアンジョを見つめているのがまたね・・・
このアンジョも、きっと彼の正道を歩んでいたんだろうなあ。
その正道を信じ、仲間を信じ、民衆を信じ―――
でも、民衆は立ち上がなかった。
♪彼を帰して の終わり、砦の上に佇むアンジョの手が、この日はきつく握りしめられ
少しだけアンジョが俯いたように見えました。
信じた民衆に裏切られ、それでも彼は仲間を、自分の正道を信じた。
自らの信じるものを、マリウスを、仲間たちを守ろうと懸命に戦った。
けれど―――
息絶えたガブローシュを抱き留めた時に、それは全て壊れたのだと思う。
振り返り、グランテールにガブローシュを託した後の彼の表情。
それは、学生のリーダーであるアンジョルラスではなく、
未熟で、頭でっかちで、純粋な、一人の若者の表情だったように思う。
信じていたもの、信じていこうとしていたものが壊れると同時に、
彼の中の何かも壊れて―――そして素のアンジョルラスが現れた。
グランテールの一人の友として彼と抱き合い、笑い合い、
そして、これまでの彼からは考えられない無防備さで、砦のてっぺんに立った。
それは、多分凄く愚かなことなのだろうと思う。
それでも、それこそが、アンジョルラスという一人の青年の生き様だったんだろうなあ。
そう納得させられてしまう、存在感だったと思います。

相葉くんを始めて舞台で観た時、細っこい身体と、あの特徴的な声がとても印象的でした。
あれから9年近くの時間が経って、彼自身の持つ雰囲気の魅力はそのままに、
その歌声が深みを増し、その存在が確かな強さを得たと感じられることが、とても嬉しい。
そう、改めて思いました。

同じような感覚を持ったのが、昆ちゃんのエポニーヌ。
前回観た時も、本当に素晴らしくて、大絶賛だったのですが、
この日のエポニーヌにも気持ちを持っていかれました。
マリウスに向けられる想いの深さ。
報われない想いの果ての孤独の中で、それでも全身全霊でマリウスに向き合う姿。
その言葉の、歌詞の一つ一つに、エポニーヌとしての説得力が間違いなく存在していて。
♪On My Own の終盤の慟哭からその最期まで、まさに生ききった!という感じで、
目を離すことができませんでした。
最後の笑みとか、ほんとに・・・(号泣)
ジュリエットの時の、歌声の力で役を構築するパワーも素晴らしかったけれど、
その表情で、仕草で、間で―――歌声以外の部分でエポニーヌという存在に血肉を与える。
零れ落ちる苦い涙を、彼の手が触れた自分の冷たい手を、
流れる自分の血の温かさを、最後に得た安らぎの場を、
昆ちゃんのエポニーヌはちゃんと感じさせてくれたように思います。

そんなエポニーヌだったから、その後のマリウスの抜け殻っぷりもまた素晴らしく!
三浦くんのマリウスは、本当にエポニーヌの気持ちに気づいていなかったんだろうなあ、と思う。
普通にちょっと困ったほっとけない友達、という感じだったんじゃないかな。
というか、エポニーヌのアプローチに、全然気づかないくらいほんとに堅物だったんだと思う(え)。
うん、でもマリウスって、そういう存在だよね?
エポニーヌが運び出されてぽっかりと空いたその腕の中に、彼が抱きしめたのは、
後悔だったのか絶望だったのか―――
呆然とするマリウスに、アンジョがダンっと銃を床に打ち付けて、
それにはっとしてアンジョを見上げたその表所が一気に歪んで、
銃を掴んで自暴自棄みたいに砦を駆けのぼっていくその後ろ姿に、なんだか泣けてしまいました。
まあ、すぐにそんなことを思っていられない状況になるわけですが(^^;)
ほんと、新演出の砦のシーンって怒涛過ぎて・・・
で、そういうエポニーヌとマリウスだったからなのか、ラストシーンのマリウスがとても良かったのです。
死にゆくバルジャンと、彼に寄り添うコゼットを見つめながら、
たぶんマリウスは、あの時の腕の中で消えて行ったエポニーヌの命の温かさを思い出していた。
私には、そう見えた。
だから、そこに現れたエポニーヌの姿に、なんだか初めて納得がいったように思うのです。
遡ってバルジャンとの別れのシーンも、結婚式でテナルディエと対峙するシーンも、
GWに観た時よりも更に良くなっていたと思う。
私のベストマリウスは、実は未だ泉見マリウスなのだけれど(*)、
泉見マリウスに通じる気配の片鱗が感じられた気がして、実はこっそりテンション上がってました(笑)。
次の上演でも彼がマリウスをやるかどうかはわからないけれど、
できればこのまま私のベストマリウスを更新してくれるくらい、
マリウスという役を深めて行ってくれたら嬉しいなあ、と思います。


最後なので全体を観ようと思っていたのだけれど、結局偏った見方になっちゃったなー(^^;)
学生たちも、もうちょっといろいろ見分けがつくようになれたら良かったんだけど・・・って、
10年以上前から毎回そんなことを言ってる気がする(笑)。
次に観れるのがいつなのかはわかりませんが、
学生を見分けるという野望はずっと持ち続けていたいと思います!
とりあえず、東京千穐楽おめでとうございます!
地方公演も怪我なく元気に役を生き抜いていただきたいなあ。
応援しております!


*:そう言えば、全然関係ないのですが、以前の自分のレミゼ関連の記録をちょっと読みなおしてて、
  ベストな配役!というのを書いている時があったのですが(2007年だよ・・・)、
  ベストなガブローシュに横田くんの名前を挙げてました!
  横田くんも新井くんも、立派になって・・・!!
  なんだかもう母のような気持ちになってますが、
  こういう風に子役ちゃんが戻ってきてくれたり、役が変わっていったりするのも、
  このミュージカルの大きな魅力なんだなあ、と改めて思いました。
  今期の子役ちゃんたちが成長した姿を観れるように、私も健康に気をつけなくては!(切実)


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